広島結界-①

「元凶と目的については大体把握した。東京と仙台なら遠いから被る事はない、こっちは近場の結界の平定に向かうよ」

ﾋﾟｯ

「で、まだ虎杖君達もいるのに話さなくて良かったの？」

「全部終わってから一人だけノコノコと遅れて来た私が話すことなんて……私なんかよりもこれから何処に？」

「……主な目的は結界内の一般人の保護及びこの死滅回遊に参加する術師達の平定、とはいえ今の呪術師に全結界に対応出来る余力はないね。私も半ば独断行動だし。」

「後、伏黒君のお姉さんだが彼女も死滅回遊に参加させられてる側らしい」

「え…」

「何も出来なかったのならこれから何かやってみせな。私は期待する余地のない奴を連れ歩いてるつもりはないよ」

「……はい」

「何処に向かうかについては、まず得点のアベレージが高い結界が好ましい。何十人と戦っている結界に二人だけで入っても制圧に時間がかかりすぎるからね、得点をすぐ集められるのも良い。とはいえ私たちの戦力では一人のみが突出してる場所もリスキーだね。」

「後は乙骨君達や他の術師の入ってる結界とは被らない方が良いだろう。渋谷事変から後手に回りっぱなしの上に情報を集めるためとはいえ既に10日近く死滅回遊を放置してしまっている。一般人の保護も目的な以上時間はかけられない。」

「最後に出来れば近い方が良いね。理由はまあ大体二つ目と同じだ。」

「今の私たちにこれらの条件を満たしているのは…」

「広島だ。お誂え向きに100点泳者までいる。」