少年院 その後
ポカ&伏黒「虎杖悠仁の方が良かったか?生憎だが、暫くはこの姿のままだ」
「……ッ!」
「そう構えるな。奴との縛りで、他者への直接的な危害は加えないことになっている。本体が意識の何処にいるかは今の俺でも把握しきれんがな」
「……」
(縛りだと?いや待て、コイツの言葉を鵜呑みにするのは危険だ。今は少しでも無力化する方法を……!)
「『三日間、身体の主導権を手に入れる代わりに脅威を殲滅する』。我ながら誓約としては甘すぎる、と言いたい所だが……お前達には多少なりとも〝魅せてもらった〟礼がある。日頃の行いに感謝することだな。細かい積み重ねであっても、神様ってのはちゃんと見てるもんだ」
(……言動や立ち振る舞いに殺気は感じ取れない……が、油断はするな。呪いの思考は人間のそれと大きく異なる。何時こちらを襲ってきてもおかしくない)
「そう言えば伏黒恵。お前に一つ尋ねたいことがある。あの召喚術、中々洗練された技法だが……」
(十種影法術?何故このタイミングで……まさか既にバレてるのか?)
「ジャガーはいないのか」
「……は?」
「ジャガーの式神はいるかと聞いている。言っとくが質問には正直に答えるのがマナーだ」
「……いないが」
「ほう。なら蛇はどうだ」
「大蛇が一匹。それがどうかしたか」
「蛇はいてジャガーはいない……か。ふむ……そうか……そうか……ああいや、こっちの話だ。気にしなくていい」
「……???」
(よく分からないが……落ち込んでるのか?何なんだコイツは一体……)