潜入調査は御用心
ベリーメロン(ど、どうしよう……)
光学迷彩を搭載された装備にくるまりながら、小夜丸は現在の状況を顔を青ざめさせていた。
今回の仕事はある品の密売現場を抑え、ターゲットの男を捕縛すること。
しかしここにきて小夜丸のうっかりミスで蹴躓き、物音を立ててしまったのだ。
今は物陰に隠れて光学迷彩機能の付いたマントにくるまるが、相手は目と鼻の先にまで来ている。
(ヤバイヤバイヤバイ!)
半泣きになって声を抑える。いっそこのまま取っ捕まえる手も考えたが、この取引現場には多くの犯罪者が集っていた。
あまりにも部が悪いのは小夜丸でもわかる。
(み、見えてませんよね……?)
暗闇の中で男の気配が近づくのを感じる。今の小夜丸は一種の巾着状態だが、本来なら向こうから見えてないはず。
だがこちらをじっと見つめてきている気がするのは気のせいだろうか。
されど彼女は致命的なことに気付けていない。光学迷彩からはみ出た足の部分が男の目に止まっていることに。
(…………)
そんなことに気付かず必死に声を圧し殺す小夜丸。やがて祈りが天に届いてのか、気のせいかという男の声が聞こえた。
それで、ホッとしかけたところで。
「へ?」
光学迷彩マントがいきなり引き剥がされてしまった。
目の前にいるのはニマニマと笑う醜悪な男の顔。
逃走を考えるよりも早く、男は小夜丸をその場に押し倒してしまった。
「きゃあっ!?」
「へぇ、ネズミがいると思ったら中々の上玉じゃねーか」
反射的に仕込み刀付きのブーツで蹴り上げようとする小夜丸だったが、それよりも早く男の拳が腹に突き込まれる。
「げほっ……!」
「いいねぇその顔。俺はそっちの方が好みだぜ?」
悶絶する小夜丸を男が嘲笑う。そのまま小夜丸は地面に押さえつけられてしまい、抵抗すらままならない状態になった。
「しっかし光学迷彩たぁ、手の込んだもん持ってきてんな?ま、意味なかったが」
ゲラゲラ笑う男は手慣れたように小夜丸を縛り上げていく。
忍として縄抜け自体はできる小夜丸だとしても、こうなっては抜ける隙もない。
「い、いや……」
思わず悲鳴のような声がこぼれれば、男はなおさら笑みを深くした。
(と、とにかくなんとかしないと……)
必死に打開策を考える。男の仲間が来たら最悪だ。しかし新米の彼女がすぐに思い付くわけもない。
そうしている間にも男は彼女の衣服に手を伸ばし、そのまま腕力にものを言わせて引き裂いてしまった。
「きゃああっっ!?」
「おっほぉ、こりゃまたいいモン持ってきてんじゃん」
小夜丸の胸元を見て男は興奮して息を荒げる。
下着を強引に剥ぎ取ればそのまま張りのある巨乳を強引に揉みしだき始めた。
「いっ、痛いです……!止めてくださいぃっ……!」
目尻に涙を浮かべて抗議する小夜丸だが犯罪者が止まるわけもない。
我が物顔で先端を摘み上げて弄んでいく。痛みと不快感しか感じられない小夜丸はひたすら嫌々と首を横に振るだけだ。
「嫌ぁっ……」
女を感じさせるような触り方ではなかった。柔らかさを堪能するだけの無遠慮な触り方。しつこく、ねちっこく、男のささくれた指が柔肌を蹂躙していく。
「ひっぐぅ……」
触られるうちに自然と硬くなった乳首をぐりっと捻られて、小夜丸は目からポロリと涙を零した。
しかしそんな様子もお構いなしとばかりに、今度は舌なめずりした男がもう片方の乳房へとしゃぶりついてきた。
「ひゃんっ!?」
生暖かい唾液の感触が敏感になった箇所を襲う。唾液まみれの舌で舐められては吸われ、歯を立てて甘噛みされては吸い上げられる。
(気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い)
不快感に吐きそうになる。無遠慮に触られるのはここまで不快なのかと、小夜丸は初めて晒される感覚に思考も定まらない。
乱暴な愛撫は止まらず、小夜丸はただ身を震わせるしかなかった。
「はぁはぁ、たまんねーな。おい、こっち向けよ」
男は一度口を離すと小夜丸の頬を掴み無理やり自分の方を向かせた。
片手でベルトを緩める音が聞こえて小夜丸は何かを察したが、声として出る前に男の唇で塞がれる。
「んむぅぅぅっ……!?」
ファーストキスだった。こんな形で奪われるとは思ってなかった。
初めての口付けは、想像していたよりもずっと嫌悪感に溢れている。
「んぐっ……んんぅっ……」
分厚い男の舌が小夜丸の口内に潜り込み、好き放題に蹂躙していく。
やに臭い唾液が流し込まれ、嘔吐感に目を見開いた。必死に抵抗するが両腕を縛られた状態の小夜丸ではどうすることもできない。
追い込まれた小夜丸は咄嗟に男の舌を噛んでしまった。
「ってぇなこのアマァッ!」
怒りに任せた拳骨が頬を直撃する。あまりの激痛に意識が飛びかけるが、激昂した男は止まらずに彼女の首に手をかけた。
「がっ……かっ、はっ、あっ……ぐぅ……」
強く気道を絞められ呼吸ができない。苦しさで身体が反射的に暴れるが、腕が使えないのでは男の腕を振り払うこともできない。
酸素が足りずに意識が途切れかけたところで、やっと手は離された。
「おら、死んじまいたくねぇなら言うこと聞けや」
「げほっ、ごほっ……」
咳き込む小夜丸の耳元で男が囁く。酸欠でぼんやりとした頭でも何を言われてるのか理解できた。
「わかり、ました……」
肩を震わせて頷いてしまう。
秩序を守るセキュリティフォースの一員が脅しに屈する。その事実は小夜丸の心を大いに傷つけて頭を項垂れさせた。
「へへ、そうそう、それでいい」
言いながら男は硬くなったモノを小夜丸の頬に擦り付けた。
何をさせるつもりなのかすぐに察したが小夜丸には抵抗もできない。そのまま唇の柔らかい感触を楽しんでから、彼女の口内に汚い肉の棒が侵入していく。
「んぶっ……」
生臭く酸っぱい味が口内に広がる。拒絶反応に任せて歯を立てかけたが、先程の脅しに行動にも移せない。
男は小夜丸の頭を掴むとそのまま腰を振り始めた。
「ふっ、ぐっ……ううっ……」
喉奥にまで突き入れられて嗚咽を漏らす。
好き放題に口内を汚ならしいモノを出し入れさえ、えずく様子を男は楽しんでいるようだった。
「おら出すぞっ!飲めやっ!」
「っっっ……!」
勢いよく白濁液が発射され、小夜丸の喉を焼いていく。吐き出すことは許されず、彼女は涙目になりながらも必死に嚥下していった。
「けほっ……」
小さく咳き込みつつも嚥下を終えた小夜丸に男は満足げに頷く。
次にやることはもう決まっていた。
「足を広げろ」
その言葉の意味を小夜丸はすぐ理解してしまった。
すっかりプライドも傷つけられてしまった彼女は、ふるふると震えながら嫌がっている。
「い、嫌……」
「あ?なんだって?」
しかし当然聞き入れられるわけもなく、無理矢理足を広げられてしまった。
黒いスパッツは無理矢理引き裂かれ、下着も容易く脱がされる。そのまま濡れてもいない秘部に太い指が挿入されれば、小夜丸は痛みに身体を震わせた。
「いっっ……」
慣らすこともせずに挿入されてグリグリと指に掻き回される。
ささくれだって指を動かされるたびに、カサカサの肌が媚肉を擦って痛みを与えてきていた。
「ガキ臭ぇマンコだなぁ、ぺっ……」
濡れてこない秘部に唾を吐きつけ、指で塗り込んでいく。
多少は滑りが良くなったかものの、不快感しか感じられない行為なのは変わらない。それでも小夜丸は我慢して受け入れ続けるしかなかった。
「そんじゃま、いただきますっと」
軽い言葉と共に小夜丸の秘部に押し付けられる肉の棒。
待ったをかける暇もなく、ソレは小夜丸の中に挿入されていく。
「いぎっ……ぃっ……くぅっ……ぁっ……」
メリメリという音を立てて、膣肉を押し広げながら入ってくる異物。
処女膜を突き破られた激痛が小夜丸を襲う。
「やたらとガキ臭ぇと思ったら初モンかよ、こりゃ棚ぼただな」
「ひぐっ……ぅっ……いたっ……痛いっ……です……」
破瓜の血が流れ出るのを見て男は嬉しそうに笑みを浮かべる。
幼い顔立ちのわりにその体つきは男好きのするものだ。それがまだ男を知らないというのだから、興奮はさらに激しくなるだろう。
男はその薄汚い欲望を叩きつけるべく激しく腰を打ち付けていった。
「あっ、ぐっ……んんぅっ……やめ、て……くださっ……」
悲鳴をあげる小夜丸などお構いなし、男はひたすら腰を振り続けた。
狭い蜜壺を無理やり犯され、破瓜の血を先走りと混ぜ込むように腰を振る。
痛みに耐えかねた身体が愛液を分泌し始めればさらに激しく。
「う、くぅっ……あっ、んぐっ……」
初めてだった女に対する動きではなかった。最奥を突き立てるように腰を揺らされて、小夜丸は呻くことしかできない。
本来なら一人の男程度に負ける小夜丸でないが、状況と判断が最悪だった。
(忍なのに……セキュリティフォースなのに私……)
心が折れそうになってくる。
自分は何をやっているんだろうと、小夜丸は涙が止まらなくなってきていた。
「良い顔してるぜ?売女の方が向いてんじゃねーか?」
小夜丸がセキュリティフォースであるのとを男は知らないだろう。
だが的確に彼女のプライドをズタズタに引き裂く言葉を吐きかけてきていた。
「そんな……違い、ますっ……あぐっ……」
悔しくて情けなくて恥ずかしくて、どうしようもなかった。
任務のために忍び込んだ先でこんな辱しめを受けるなんて。
「おら出すぞっ!全部受け止めろや!」
「ひっ……や、やめてくださいっ……嫌っ……」
腰の動きが激しくなり、一気にラストスパートに差し掛かっていく。どこに何をされるかなど考えるまでもない。
嫌々と首を振って現実を受け止められない小夜丸に、男は情け容赦しなかった。
膨らんだ肉棒の先端が最奥に押し当てられると同時に、男の精がナカへと放出されていく。
「~~っっっっっ!?」
声にならない叫びをあげながら小夜丸はその身を震わせる。
熱いものが腹の中を満たしていく感覚は不快でしかなく、彼女は嗚咽を漏らしながら涙を流し続けていた。
「へへへ、良い具合だったぜ?」
満足げに呟く男は、そのままずるりとモノを引き抜く。
栓を失った秘部からは白濁液が溢れ出してきて床を汚すが、小夜丸はもう反応すらできない。
(でも、これで……)
一度ヤったのなら多少は隙を見せてくれるはず。だから、その時に動けば。そうやって一縷の希望を抱いていた小夜丸だったが……
「おい、何楽しそうなことやってんだよ?」
複数の足音と、別の男の声。
悪意以外を感じさせないそれに、小夜丸は呆然としていた。
「ぁ……」
下卑た複数の瞳は震え上がる小夜丸に向けられている。これなら何をされるのかを察せないほど小夜丸は疎くないが、考えることを拒否してしまっていた。
「よかったな、お楽しみはまだ終わらないぜ?」
ねっとりとした笑みが小夜丸に向けられる。テリトリーに入り込んだ哀れな鼠に犯罪者達が慈悲をかけるわけもなく、小夜丸へと悪意は襲いかかっていった。