導入的なやつ
ヘスティアは今、悩んでいる。
ヘスティアが悩むことはそれほどないわけではない。それは空腹だったり、バイトでジャガ丸くんが売れない事だったり、失望し切った目を向けるヘファイストスだったりと、奇き神変神だらけの神々においては微笑ましいものばかりだ。最近で言えば愛しい愛しいベル君に意中のあいてがいることが一番悩ましい。
そんな女神は今、長きに渡る神生の中で過去最大級の悩みを味わっていた。
それはステータスを更新するために上半身を裸にしたベルのせいである。
(おかしい、やっぱりおかしいよ)
ヘスティアは心中でそんなことを考えながらベルの体をまじまじと見つめる。
「どうしたのですか?神様?」
「いや、なんでもない。さっさとステータスを更新しようかベル君」
そんな視線に気づいたベルはヘスティアに問いかけるがヘスティアはベルの会話を切りステータスを更新する。
「ベル君、服を着るのはちょっと待ってくれ」
ステータスを更新したベルはさっそく服を着ようとするがヘスティアに止められる。
ベルが服を着ようとするのを制ししたヘスティアはまじまじとベルのあらわになった上半身みつめる。
いつもの彼女であればベルの半裸など眼福ものだが今日は違う。まるでなにかと見比べているようにベルの上半身を見つめていた。
ヘスティアにまじまじと自身の半裸を見られているベルは顔を赤くする
「あ、あの神様そろそろ服を着てもいいでしょうか?」
「ああ、ごめんよベル君、もういいよ」
ヘスティアがそう言うとベルは服を着り、部屋から出ていく。
ベルがいなくなったことを確認したヘスティアは新ためてステイタスを記載した用紙を確認し、心中で叫ぶ。
(どうしてステイタスを更新するたびにベル君の体つきが女の子みたいになってるんだよ!!!)