『対魔法少女情報ファイル 識別番号:S用』

『対魔法少女情報ファイル 識別番号:S用』


「read me」

当ファイルは、某日より出現した敵性異常人型実態、通称『魔法少女』の関連情報を記録するファイルです。新規情報の追加は、情報部に簡易レポートを提出する事で可能になります。くれぐれも、直接編集を行い不確定の情報を記録する事は控えてください。



「識別番号:S交戦情報」

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本日未明、対魔特部隊長「インパルス」が未確認の魔法少女と交戦。以下、交戦対象をSと仮称。

Sは12〜14歳の少女。全身が白色であり、背中の大きく開いた和服を着用し、マントを羽織っている。

外観から白子症、所謂アルビノであると思われるが、日光を避けるような動作は見られなかった。

おおむね人型と認められる異常生物を複数使役しており、戦闘はそれらに任せているような仕草が見られた。また、戦闘中の言動において嘘による誘導を試みる様子が見られた。悪戯好きを自称しており、性格は悪辣。

戦闘においては「インパルス」の魔法による召喚により迎撃、対象はさらに異常生物を生成しつつ撤退した。

魔法の仕様から遠距離からの狙撃が有効である可能性が挙げられている。


異常生物は各々で動作、攻撃手段が異なる。共通点としてはおおむね人型であり、全身からSの頭部と類似した瘤(のちに全て小型の頭部器官である事が判明)に全身を覆われており、舌部が非常に長大。力が非常に強いものの知性は存在しないと思われ、人間の攻撃、殺害以外の行動は見られなかった。耐久は人間よりは高く、およそ5発の銃弾を受けてようやく停止する程と確認。どの部位を打っても概ね反応が変わらず、人型ではあるが内臓器官などは存在しないか、人間と構造が異なると思われる。



「特異異常生物交戦記録」

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本日未明、◼️◼️町◼️区に異常生物が飛来。小型の複製実体を量産し、人間の殲滅を行った。

該当実体は西洋の龍に酷似したシルエットながら、上半身が前後に二つ存在し全身が人間のパーツで構成されたように見え、黒い帯のようなものが全身を這う様に蠢いていたとの証言。

実体は特徴が類似した小型の龍型異常生物を多数召喚し、人間を捕食、焼却し殺害を繰り返した。死傷者は約◼️万◼️千人と推測される。

対魔特部隊により三時間後、全個体を殲滅。また、飛来地点にはSの召喚する異常人型実体が多数見られており、識別番号:Sの関与が疑われる他、龍を召喚する魔法少女識別番号:Dとの関連性も疑われる。



「異形実態対策指令」

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本部対策会議において決定された内容。


現在、日本各地において目撃される異常実態及び『魔法少女』に対する、対魔特部隊の増員、及び全自衛隊の緊急動員を決定。異常実体の報告無しの殺害を無条件で許可。

また、現在日本全国に確認される無尽蔵に増殖する特異異常生物、通称「狂信者」の殲滅を最優先事項に設定し、その発生元である識別番号:Sの殺害を至上任務とする。該当個体が確認された場合は必ず報告を行い、現在地を見失う事が決して無いよう追跡を行う事。

直接戦闘による殺害が困難と判断される場合、緊急対魔特本部において判断を行い、米国より核攻撃が為される可能性があります。有事の際は、各員は対象を着弾予定点付近に拘束し、確実に殺害する為に尽くして下さい。


この命令が残酷極まりない事を、我々は理解している。しかし、我々は犠牲を伴ってでも日本という国家を維持しなければならない。諸君らが失敗すれば、我々も、残される国民も全ては死に絶える事になるだろう。勝手な願いではあるが、どうか、どうかその命を、未来の礎として捧げて欲しい。我らを、異形から救ってくれ。


第◼️代内閣総理大臣◼️◼️◼️の言葉



「独り言」

どうしてこんな事になってしまったんだろう。


日本は、終わりかけている。行政による命令が行き届かない地域は増加の一途だし、市民はいつ異形によって死ぬか分からない日々をすごしている。土塊になって倒壊した建物で死ぬ、全身が弾け飛んで死ぬ、龍に食われてしぬ、なんの予兆もなく窒息して血を噴き出して死ぬ。みんな、みんな死んでいく。私たち対魔特部隊も、同じように。


一部では魔法少女の恐怖に狂った市民により、女児が殺害される暴動まで発生している。まあ、ある一件では、現場に駆けつけたときには暴徒が全員弾け飛んで死んでいたらしいけど。善人も悪人も関係なく、死ぬ。

ここは地獄だ。


ある時から無尽蔵に日本中に出現し始めた、立方体をまとった双頭の少女型異形、通称「狂信者」は、無尽蔵に自力で増殖し、識別番号S、セイヴァーへの狂信を叫びながら全国で暴虐のかぎりを尽くしている。殺しても殺しても、やつらは減らない、減ってくれない、どうして?どうしてそんな事が?減ってよ、お願いだから

ある時、セイヴァーが目撃されたという情報が入った。対象は明らかに以前目撃された時と体型が異なっていて、まるで成長している様に見えた。偽物かもしれないと、誰かが言った。それでも、それを殺せば日本中の異形が全員死ぬかもって、みんな必死に頑張った。

核が日本に落とされた。対象は消滅した。仲間がいっぱい死んだ。異形は消えてくれなかった。しばらくして、核に殺された筈の個体と同じ外見の個体が、複数目撃された。

セイヴァーが、セイヴァー自身を複製しているのだと、本部は判断した。その日、殺害作戦を生き残った仲間の何人かが首を吊った。

本物のセイヴァーの行方は未だに掴めていない。


隊長。どうして死んでしまったのですか。

貴方がいれば、勝てるかもしれないと思えました。いつも恐ろしかった貴方の異常なオーラが、異形と戦う毎日になってからとても頼もしかったんです どうして先に死んでしまったんですか

私は死にたくないです

死にたくないです隊長


それでも戦わないといけないんですよね

頑張ります、残った仲間は少ないけれど、貴方は何処にもいないけど、それでも私たちは日本を守りたいんです。

だからどうか、どうか私たちを守ってください

隊長

どうか



以下は、対魔特本部情報部からのメッセージです。

「個人的な記録を残す事は、今後はなるべく控えて下さい。

勇敢な、名も知らぬ貴方のご武運を、私たちは心よりお祈りしています。 情報部」









「無題」

ごめんなさいごめんなさいごめんなさい

なんでなんでなんでみんなみんな死んだ死んだ死んで

ばけものが箱がいちめんに

もう逃げられない、ごめんなさい、仲間の貴方はこんなに覚悟してたのに、私は逃げてしまった

死ぬのは覚悟してたのに、化け物に群がられるなかまを見るのこわくて逃げてわたしは死にたくないなんてああ神様仏様どうか日本を救ってくださいお願いしますどうどどうかいやいやいや死にたくない死にたくないしにtttttttttttttttttttt


↑残念でした!^^



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