家庭科室にて

家庭科室にて



サワロが見守る中、キハダによる第8回サンドイッチ作りは最終局面を迎えていた。

キハダは真剣な面持ちでパンにバターを塗り、チーズ、生ハム、レタスを順に乗せていく。最後に上のパンをそっと置くと大きく息を吐き、ついで満面の笑みを浮かべた。

「完成だ!」

釣られて息を詰めていたサワロもゆるゆると肩の力を抜く。出来上がったサンドイッチは彼の目から見ても十分に美味しそうだ。少々生ハムが多い気もするが、そこはご愛嬌というものだろう。サワロは顎に手をやりつつ調理の様子を振り返り、ひとつ頷くと口を開いた。

「良い出来だ。これならば、ミモザ先生にも喜んで貰えるであろう」

「本当ですか!」

評価を聞いたキハダはぱっと顔をあげてサワロを見つめる。大きく開かれた瞳はきらきらと輝き、まるで晴れた空をそのまま閉じ込めたかのようだ。サワロはその眩しさに目を細めながらもう一度大きく肯首する。

それを見たキハダは喜びを抑えきれずにグッとガッツポーズをした後、元気よくサンドイッチを掴んでくるりと台に背を向けた。

「さっそくミモザ先生に渡してきます!」

「そのまま行くのかね!?」

「はい!出来立てを食べてほしいので!」

片付けは渡した後にします!と言いながら、キハダは凄まじい速度で走り去っていく。ただでさえ目標に向かって一直線な質なのだ。目指すゴールが近いとなれば気が逸るのも仕方がないことだろう。

そのひたむきさが好ましいのだが、などと考えつつ、サワロは野菜と肉を取り出して調理台に向かう。笑顔で帰ってくるであろう頑張り屋な同僚のために、肉を多めに使った昼食を作るのだ。

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