始まりの夜
無知な幼少ドフィの精通ss
本番前で終わってる
「トレーボル、起きて……」
幼い王を戴くごみ山の、城と呼ぶには稚拙なその場所で、寒さを凌ぎ暖かさを分けあうようにくっついて眠る月の高い夜。ひっそりと己を呼ぶ子供特有の高い声を聞き、トレーボルは目を覚ました。
「…ドフィ?こんな夜中にどーしたんだねー?」
ひそりと溢された声に合わせ、低く抑えた声で囁き返す。薄暗い闇のなかで所在無さげに立ち尽くすドフィ__我らが王・ドフラミンゴは、薄汚れたシャツの裾を掴み下に引っ張りながら、もじもじと足を震わせていた。寒いのか、と思ったがそんなことで弱音を吐くような子供ではない。それに、暗くてよく見えないが、頬がうっすらと赤く色付いているように見えた。その様子にどうしたかと問いかけようとしたが、はく、と小さな口が開くのを見てやめる。
「トレーボル、これは…これは病気か……?」
そして、震える声と同時に上に引き上げられたシャツの下。ずり下げられたズボンとパンツからぴょこんと勃ちあがる小さな性器が目の前に出された。
「…ドフィ。これはねー……わかんない?」
「っ!わ、わかんないんだえ!なんで、ここが、こんな風に腫れるのかえ?今までこんなことなかった!トレーボル、トレーボル!これ、わかるかえ!?」
相当不安だったのだろう、トレーボルがわかるような素振りをすると、最近はとんと聞かなくなっていた訛りとともに食らいついてきた。その様子に、本当に知らないのかと呆気にとられた。こちとら薄汚れたごみ山で生活している身だ、ヴェルゴやピーカでさえも人の欲についてはすでに知っている。対して、このドフラミンゴの様子を見てしまうと、聖地とやらの教育はどうなっているのだろうとつい呆れてしまう。王としての教育は大切だと思っていたが、こんなことまで教えることになろうとは。ため息をつきたいのをおさえ、無意識に逸らしていた目をドフラミンゴへ向けると、強い視線とかち合った。目の前にいるのはこれから王になるとはいえまだ幼い子供なのに、反射的に息を飲んでしまう。
「…トレーボル。知ってるんだろう?勿体振らないで、教えるえ」
ふるふると震える高くか細い声が、高慢に言葉を紡ぐ。局部を晒して立っている姿は間抜けなのに、全身から溢れる気品や圧迫感、堂々とした態度が、その姿をなにか崇高なものへと変えてしまう。ああ、やはりこの子供は、王の器だ。そう思うと同時に、グラス越しにうっすらと透けて見える強い瞳に混ざるすがるような色が、この子供がまだ王になりきれない、哀れな幼子であることを強調している。
__育てなければ。この子供を、我らが王へ。
「…んねー、んねー、ドフィ。それは病気じゃないねー。大人になった証なんだねー」
べへへ、と安心させるように笑いながら、ベトベトの身の能力で自身の周りに壁を作る。その中に子供を招くと、意図を察してすとんとトレーボルの膝の間に座った。