妖精の女王は婚約者の上で舞う

妖精の女王は婚約者の上で舞う


私とアルマが出会ったのは、確か…私がアナハイムのテストパイロットになる前の事だった。

その日は私は必要な物を買い物をしてて、次の買う物を考えてた時に出会った

「うわわっ!あだっ!…痛ったあぁ…!」

「っ、ぁ!す、すいません!大丈夫ですか!?」

赤毛の女の子が私とぶつかって、そのままその子は地面へ滑ってく…私は慌てて、彼女の元へ駆け寄って声をかけた

「痛てて…嫌々、平気平気!これぐらい何ともありませんよ!お気遣いありがとうございます!」

「いえ、流石に私が見なさ過ぎでした…すいません…」

「嫌々!いいって!これくらい!」

その時の私は少し疲れてたのでしょうか…彼女の手を握ってしまったのが、思えばきっとこれも…何かの運命なのでしょうか?

「……えっ?あっ…貴女…も」

「───あ〜もしかして、私と「同じ」感じですか?」

手を握った瞬間広がる、宇宙…私はそのまま彼女の翡翠の目を眺めて問いかけた。そう、彼女もNTでした。世界は広い様でそんなに広くなかったと思ってしまいましたけど…。

そこから彼女との繋がりは静かに深まっていきました…私がテストパイロットとしてアナハイムに行くまではアルマと良く部屋で一緒に話してました。お互いどんな部隊に居たか…その環境だったり、仲間の事だったり…そんなこんな沢山話してる幸せは…終わりを迎えました

「ペッシェさん…お気をつけて!また、また会いましょう!」

「えぇ、アルマさん…貴女こそ頑張って…応援してるから」

私はアナハイムのテストパイロット…アルマさんは大学へ…お互い遠い世界に行ってしまうけど…またいつか、出会えると信じて私は歩き出す。


『この!売国奴がぁぁ!!』


『見つけた!お兄ちゃん!』


…私はどれ程の大切な人を失えば良いのだろうか…クローン人間、そして…ビショップ計画…私は、そのにある真実に向き合えるだろうか…


…答えの出ない私は静かに街を歩く、ニュータイプ研究所へ向かう前にせめて…休みが欲しいと、ラカン隊長に告げた。2日の休みを貰った私は、静かに宇宙を見上げる…。

「───ペッシェ…?」

後ろから聞き覚えのある声がした。私は慌てて振り返ると、私よりそこまで変わらない身長で、赤毛の髪はより纏まって、色気のある翡翠の双眸は信じられないと言わんばかりと見つめてくる…

「アルマ…?どうして…ここに…」

「えっ?えぇと……いやぁ…そのぉ…」

何だか、歯切れの悪い彼女に私はもう少し寄り添って見つめる…

「何か隠してるよね?言いなさい、ほら、怒らないから…」

そう優しく問いかけたら、はぁ…とため息と共にアルマは言葉を紡いだ

「───ペッシェが心配で、皆の力を借りてだけど…ペッシェを追いかけてたというか…あ…あはは…」

何故、その言葉は出ない代わりにアルマに抱きついた…嬉しい、ただ…そう思ったのだ。私には居なかった、お父さんもお母さんも…アシュレイ大尉も、ミチェルも…ロザミィも…もう、私を追いかけてくれる人は居ないと思ってた。でも…まだ居た…あぁ、そうか…これが…嬉しいで…この子に…アルマが好きなんだ…

「ねぇ、アルマ…良かったらお話し…しない?」

「───ペッシェ…ふふ…!うんうん!私もペッシェに一杯話したい事があるんだよね!」

私はアルマの手を握りながら、私の部屋へと招いてく…私は知らなかった。まさか…お互いが…両思いだとは…


「…ペッシェのお部屋……かぁ…」



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