女湯に入るお菊
「心は女です♡」
美『青年』剣士と謳われるお菊がそう口にする理由は、女でありたいという願望の表れの他に、自分自身に「拙者の心は女である」と言い聞かせる為であった。
一人の侍である前に女でありたい。
可愛らしい着物を着て、美しく自分を着飾りたい。
いつか素敵な殿方と結ばれるのも良いかもしれない。
歪ながらも清く純粋な思いを、彼は物心がついた時から持ち続けていた。
そんな純白とすら言える思いを裏切るのは、いつだって自分自身だった。
彼が後天的に培った価値観は、本能に刻まれた欲求には旗色が悪い。
我慢しようが、触れずにいようが、劣情はどうやっても漏れ出す。
際どい格好の女性を見ると、胸元に意識がいき、淫らな妄想を膨らませる自分に気付く。
彼女がもし、都合良く肌を重ねてくれたら……そんな妄想が浮かぶ。
お菊が何を口にしようが、彼の男体は女体を求めていた。
気持ちに無理矢理蓋をすれば、器は割れて隙間から欲求が漏れ出すというもの。
時には夢精という分かり易い形でも漏れ出した。
我慢しなくては、我慢しなくては…。
抑え込んだ欲求は膨れ上がっていく。
そんな醜い自分を、ナミ達は一人の女性として扱ってくれた。
その上、一緒に入浴する事まで許してくれたのだから、彼女達がお菊を女性扱いしているのは本心だろう。
お菊にとって、こんなに嬉しい事はない。
それなのに……。
女風呂に入っているお菊の前には、当然女性達が一糸纏わぬ姿で入浴している。
側には日和までいる。
拙者は女、彼女達もそれを認めてくれた。
そこに劣情が入り込む事はない。
そう頭の中で繰り返す。
だが、無防備過ぎる姿のナミやキャロットをどうしても意識してしまう。
当然だ、周りは女性だけ。
無防備な姿を晒して当たり前。
ちらりとナミの方に視線を向けると、お玉と戯れているのが見える。
お玉がナミの胸を珍しそうに触っていた。
その小さな手が、ナミの豊満な胸に沈み込む。
お玉の手にむにゅんっぶにゅんっと形を変える乳房に、柔らかながらも程良く張っている弾力が伺えた。
たわわに実った豊満な乳房に、程良い大きさの乳輪は淡くピンク色で、まさに男が理想とする胸。それが手を伸ばせば触れる距離にある。
放って置いたらいつまでもナミの胸を触っていそうなお玉を、ナミは優しく引き離した。
「ふぅ、ちょっとのぼせちゃったかも」と言うと立ち上がり、目の前を横切る形で歩いていく。
胸をたぷんっ、ぼよんっと揺らし、秘部を隠さず、キュっと締まりながらも大きな尻を見せ……歩くというだけで、こんなに官能的に見えるものか。
ナミが歩いて行った方向にはキャロットがいた。
無邪気に入浴を楽しんでいる様子だが、本人の純粋さに反して、体は豊満な魅力に溢れていた。
ぼゆんっ、ぶるるんっと弾む豊かな胸にどうしても目がいく。
彼女達を性的に見るなどあってはならない事だ。
それなのに、お菊のモノがピクリと反応し、徐々にそれは膨らんでいった。
硬く反り勃とうとする肉棒を慌てて隠す。
手を押し退けようとする愚息に、痛みを覚えながらも強引に蓋をした。
「大丈夫?顔が真っ赤だけど」
様子がおかしいお菊を、心配そうに見つめる日和。
お菊にとって彼女は、敬愛し、御守りすべき存在。
そんな日和にまで、意識が向いてしまった。
日和を、ワノ国随一の花魁 小紫として見てしまった。
美しく繊細、その一方で乱暴なまでに女性らしさを詰め込んだ小紫の裸体。
なんといやらしい体か。
「(違う、拙者は……、日和様をそんな目で見てしまったら…拙者は…)」
蓋をする力に反して性欲はどんどん膨らんでいく。
片腕の彼ではいつまでも抑えられなかった。
ぶるんっ
彼のペニスが、身の丈に相応しい異様なサイズのそれが頭を出した。
血管が遠目からもはっきりと分かる程に膨らんだそれが…。
「えっ」
日和の表情が変わる。
「あ、ひ、日和様……せ、拙者…す、少しのぼせてしまった…ようです…!」
そう言うと、逃げる様に日和の側から離れたお菊。
湯から出て、浴場からも出るまでの僅か数m。
その間、彼は硬く勃起してしまった肉棒を片腕で隠す事が出来ず、ぶるんっぶるんっと力強くも情けなく揺らし、女性達にそれを晒しながらその場を後にした。
全員がそれを見てしまった。
「うぅ…拙者は……」
穴があったら入りたい…どころではない。
腹を切ってしまおうか。
自分は、彼女達の信頼を裏切った。
押し潰されそうな罪悪感。
しかしそれは、同時に彼の興奮のスパイスにもなる背徳感だった。
お菊は一人になれる空間に逃げ込むと、怒張したペニスに触れ、暫く恐る恐る撫でた後に、もう我慢できないという様に掴んだ。
手で輪を作り、ペニスをシゴき上げる。
「!お、お…んお"っ、あぁ、んっ、ひぃ…、あ、お"お"ぉ"」
一心不乱に手を動かし、腰まで振る。
その姿は盛ったオスそのもの。
汚らしい喘ぎ声を出しながら、必死に手を上下する。
千切れんばかりに肉棒を乱暴に扱い、鼻息を荒く、無様で惨め過ぎる痴態を晒す。
彼の頭にあるのは、先程の女性達の裸体。
ナミの、キャロットの、日和の……あの場にいた全員の裸体を思いながらシゴく。
弾む胸が頭から離れない。
次第にイメージが浮かぶだけではなく、彼女達を犯す自分まで妄想し始めた。
ナミを、日和を、犯す妄想に、ペニスはどんどん硬くなる。
「お"お"、お"、いぐ、いぐいぐ…出る、出ちゃうッ…‼︎‼︎」
彼が口にする「心は女です」など失笑もの。
彼は、オスそのものだった。
「んお"お"お"ぉ"ッ……❤︎❤︎❤︎」
彼のペニスから、今まで無理に蓋をしていた精液が溢れ出した。
決壊したダムの様に、酷く臭う白濁の液を出し続ける。
ぶびゅっ、びゅるるっと汚らしく、浅ましく。
暫くすると、自分のした事に気付き、再び押し潰されそうになった。
だが、また暫くすると、ナミ達の裸体を思い出し、二度目の自慰にふけるのであった。