太陽はかの色に染まる

太陽はかの色に染まる


某日夜、微小特異点にて。


「ご主人様。戦闘は万事滞りなく終了致しました。敵の処遇は私(わたくし)の方で勝手に決めさせていただきましたが、よろしかったですか?」

「ああ、ありがとう。…処遇については……まあうん、何も言わないよ」

「ふふ、分かってくださる旦那様を持てたタマモは幸せ者です♥」


そういう玉藻が今纏っているのは、いつもの青い衣装ではない。あちらを『蒼色の呪術服』とするなら、こちらはさしずめ『漆黒の魔術服』。座に記録されていたものを引っ張り出してみただけで詳細は知らない……とのことだが、玉藻のことなのでどこまで本当かは立香にも分からなかった。

しかし、淫靡さを増したその雰囲気は、退廃的なこの特異点の雰囲気にこの上なくマッチしていた。


「それにしても、ご主人様以外の男……それもチンピラ風情がハーレム築こうとか、烏滸がまし過ぎて笑えねえー。身の程知らずの粗チンがこれ以上つけあがる前に去勢できて、タマモ満足です♪」


容赦なく毒を吐く玉藻の暴走特急ぶりに思うところがない訳ではない立香だが、彼は「日頃水着霊基の方に似たようなこと(宝具真名開放)を指示している以上、この件をどうこう言う資格はない」として強く咎めることはしなかった。というか、敵に対する玉藻の毒舌は今に始まったことではないので、いちいち目くじら立てることでもない。


「というか、通常霊基でも水着霊基の宝具使えるんだ。まあ、極論すれば超強いキックだからやれることはやれるんだろうけど…」

「ふふふ、実はですね? 一夫多妻去勢拳は本来通常霊基での使用を想定して開発したスキルなのです。ですから、これは本来の形とも言えますね♪」

「なる程…」

「そんなことよりぃ、今日はもうホテルに戻りません? タマモ戦闘続きで疲れちゃいましたー♥」

「そんなこと言って、二人きりの時間を利用してまたヤりたいだけでしょ?」

「えへ、バレちゃいました? 流石はご主人様♥ 妻のことなら何でもお見通しですね♥」

「召喚して数年の相手だし、多少はね? さ、そうと決まれば早く戻ろう。カルデア帰還まであと二日、任務も果たしつつ存分に楽しもう」


───


それから十数分後、話の舞台はラブホテルに移る。


「ご主人様もっ、アンッ…♥ ああいう輩には、ガツンと言ってやってくださいっ♥ …雄失格のザコはザコらしく♥ 惨めに一人でシコってろって♥♥♥ そもそも、んっ…♥ ザコは大人しくご主人様に雌を捧げるのが、道理ってものでしょう♥♥♥」

「オレ、そこまで節操なしじゃないんだけ、どッ!」

「あァンッ♥ ご冗談を♥ ご主人様こそは、世の雌を救い得る唯一の益荒男でございます♥♥♥ 一夫多妻を嫌ってきた卑賤な私(わたくし)に、唯一それを認めさせた素晴らしき御方♥ 数多の雌を寝取る正当な権利を持った至高にして唯一の殿方♥ それが私(わたくし)のご主人様、藤丸立香様でございますぅッ♥♥♥」

「嬉しいこと、言ってくれるよ…! ほんと!!」

「ァ゛ッ♥♥♥」


今二人は、衣服を全て脱ぎ捨ててセックスに興じている。雄が主導権を握り雌を支配する、玉藻を“改心”させたセックスだ。

…立香的には、玉藻がせっかく用意してくれた霊衣が着衣セックス向きでないのは残念だった。が、その分ラブホテルに帰還する道中楽しめたのは幸いだったと言えるかもしれない。あの衣装は、即尺やパイズリフェラに向く。路地裏でサクッとヌいてもらう分にはあれ程素晴らしいものもあるまい。


「ああああッ♥ これっ♥ これ凄すぎですっ♥ 私(わたくし)の理想のチンポっ♥ ずっと思い描いていたものぉっ♥♥♥」


…まあ、それで得られる優越感もこのメインディッシュには及ばないのだが。


「じゃあ、玉藻っ…! そろそろ射精(で)ちゃいそうだから本気出すよっ!」

「んぉ゛おおおぉっ♥♥♥♥」


立香がピストンのスピードを早め、一発一発に体重をかけ始める。

雄の本能に従い、優秀な雌を我が物とするための種付けプレス。玉藻はこの魅惑の腰使いに堕とされ、立香への恋心を明確なものとしたのだ。

傾国の妖狐にして天照の荒御魂すら、立香の前では浅ましい雌に成り下がる。世が世なら、立香は国盗りで名を馳せていたことだろう。

そうこうしている内に、その時は訪れた。


「ぅぉ゛お゛お゛おおぉぉお゛ッッ♥♥♥♥♥ ご主人様の遺伝子っ♥ 優秀遺伝子来たぁッ♥♥♥」


玉藻の子宮が白濁で染め上げられていく。未来のご主人様ではなく、立香の精液で。

───いや、子宮だけではない。

春を思わせる桃色の髪も、太陽を想起する金色の瞳も、雌の魅力に溢れた肢体と豊かな乳房も、柔らかな唇から出る可愛らしい称賛の声も、今や全て立香のものだ。最早、彼女の内にある朧気な未来の記憶すらストッパーにはなり得ない。

───玉藻の前は、藤丸立香の女だ。


───


〈霊衣開放〉

漆黒の魔術服

ある戦いで玉藻が身に纏った霊衣。ある電脳魔渾身の自信作。

「ふふ、どうですこの霊衣は? これこそ、何処ぞの皇帝陛下のブライド衣装に真っ向から対抗出来る霊衣! この霊衣を着た私(わたくし)のことは、タマモパンキッシュか、パンキッシュ・キャスターとお呼びくださいませ、ご主人様♪」



〈スキル強化〉

呪層・廣日照:A

敵単体のチャージを高確率で減らす

自身を除く味方全体の宝具威力をアップ(3ターン)

呪層・廣日照:A+

敵単体のチャージを高確率で減らす

自身を除く味方全体の宝具威力をアップ(3ターン)

自身がフィールドにいる間、マスタースキルのチャージ速度を2倍にする状態を付与(3ターン)▲


変化:A

自身の防御力を大アップ(1ターン)

自身の防御力をアップ(3ターン)

呪層・黒天洞:A

自身の防御力を大アップ(1ターン)

自身の防御力をアップ(3ターン)

自身に被ダメージカット状態を付与(1ターン)▲

自身に宝具攻撃耐性を付与(1ターン)▲

自身の被ダメージ時のNP獲得量を大アップ(1ターン)▲



〈宝具強化〉

水天日光天照八野鎮石(すいてんにっこうあまてらすやのしずいし)

ランク:D

味方全体のスキルチャージを1進める

味方全体のHPを回復

味方全体のNPを増やす<オーバーチャージで効果アップ>

ランク:D+++

味方全体のスキルチャージを1進める

味方全体のHPを回復

味方全体のNPを増やす<オーバーチャージで効果アップ>

マスタースキルのチャージを3進める▲

Report Page