夢の中
「はあっ…どう、ですかトレーナーさん…あっ…」
月がよく見えるお城の一室の様な部屋。そこに設置されている豪華な天井付きベッド。そのベッドに横たわるトレーナーの上にカフェが座っていた。
普段の彼女とは違う夢魔のような服装を身に纏い、トレーナーを堪能するその姿は月に照らされ妖艶さを体現する。
「トレーナーさんがお菓子を持っていないからっ、別の甘いものを頂いちゃいますっ!」
露出度が高い服装を更にはだけさせるカフェ。素肌に流れる汗は更に多くなり、つい先程まで走っていたかの様である。
「夢ならっ、抑えなくても良いですからねっ…んはぁっ…んむっ」
ここは夢の世界。だからこそ互いに普段押さえている欲望をぶつけ合う。
「あっ…あぁぁぁっ!」
身体を弓のように仰け反らさせたと思えばトレーナーの方は倒れ込むカフェ。痙攣しながら大きく深呼吸をする。
「まだ夢は覚めませんよね…?トリックオアトリート…お菓子が無いなら別の物を頂いちゃいます…♡」
時間が経ち…
「はぁ…っ、そろそろ時間……?」
「ワタシモ混ゼロ」
そんな声が聞こえたと思えばもう一人のカフェ…いや、お友達が同じ姿で現れたのである。
「トレーナーさん、まだ…目覚めさせませんよ?」
「ワタシ達ガ最後ノ最後マデ頂イテヤル」
「「トリックオアトリート」」
ふと目が覚める。トレーナーは自身の部屋のソファで眠ってしまった様だ。
「お目覚めですか?トレーナーさん」
すると横からカフェが呼びかける。
「ぐっすり眠っていましたから…きっと今日のハロウィンの行事でお疲れですね。無理はしないでくださいね」
先程の夢の事もあり彼女の顔を見ると顔が赤くなる。
「どうしました?熱ですか?…今日は早めに休んで明日に備えましょう。それより…トリックオアトリート?」
その瞬間軽く唇が触れ合う。ほんのりと伝わるコーヒーの味。だがそれ以上に甘い味がした。
「それじゃ、また明日もお願いします」
そう言いながら彼女は寮へ向かって行った。
「トレーナーさん…顔を赤くして…きっとあの夢を見ていたんですね…でもいつかは夢じゃなくて…んっ…♡」
そう呟きながら軽やかに寮へと歩いていくカフェ。
彼女の脚に一筋の何かが伝っていた様な気がした。