夢SS
・夢オチですがいたしてるので閲覧注意
・大した描写はありません
***
「フリード君」
柔らかくて甘い声。
空色の瞳は熱っぽくうるんでいる。
一度もフリードに向けられたことのないそれらを夢に見るのは初めてではない。
女性らしい曲線を描くしなやかな肢体も、白い肌も、フリードが知ることはないとわかっていながら、それでも手を伸ばしてしまうのは叶いようもない恋心が捨てきれないからだろうか。
──それでも、ここ最近は見なかったのに。
などと考えながら、フリードは手を彼女の頬に当てて抱き寄せる。
ふっくらと柔らかな頬が柔らかく色づく。くすぐったそうにてのひらにすり寄せてくる仕草に違和感を覚えて。
「フリード、……」
ん、と唇を差し出してきた彼女の顔にぎょっとする。
「リコ……?」
つぶやいた瞬間に、黒髪はさらさらと流れ、首も肩もより細く頼りなく、むき出しの体はフリードよりもずっと小さなものになっていた。
白い肌を惜しげもなくさらし、少女から女性に羽化しかけの華奢な体をフリードにすり寄せてくる。
こんなこと、リコはしない。
だから、これはフリードの夢で。
「……すきだよ」
はにかんで笑うリコはフリードが作り出した幻影だ。
ガンガンと自身の中で警鐘が鳴る。
なのにフリードの手はリコの体を撫でて、顔を近づいていく。
小さな唇をふさいでしまえば、もはや止まることなどできなかった。
柔らかな温もり、ささやかな胸のふくらみ、薄い腹、柔らかな太ももに、無垢な花びら。
汗ばんで色づく柔肌にフリードの舌で指で触れて、甘ったるい声をあげる唇へと何度も口づけながら最奥を貫いて胎の中まで白く汚せば、リコは細い腕をフリードの背に回してしがみついてきた。
「フリード……」
額にキスを落とせば、リコがいつか見たうるんだ空色の瞳で──しかし、あのときにはなかった喜びを滲ませて、はにかんで笑う。
「……やっと、私を見てくれた」
***
フリードはぱち、と目を覚ました。
ガバリと跳ね起きると、ブレイブアサギ号の中のフリードの部屋だった。
当然隣には誰もいない。
ベッドの上、寝起きのまま額に手を当てたフリードはうめくように呟いていた。
「ウソだろ……」