夜の街で蜜を貪る聖女

夜の街で蜜を貪る聖女


騎士とは高潔な志を胸に、命がけで民のために戦う者だ。

聖女とは清く正しい心を持ち、人々の希望となる存在だ。

……ならばこんな事をしている今の私は騎士でも聖女でもないのだろう。


私は夜の街をロングコートに兜を被るという珍妙な格好で歩いていた。

時々すれ違う人たちは私の姿を見るとギョッとした顔になる。


「ふーっ♡……ふーっ♡」


今にも溢れ出そうな性欲のせいで頭がおかしくなりそうだ。

子宮がキュンキュンと疼いているのが分かる。


「はぁ……♡んぅ……っ♡」


私は必死に声を抑えながら『コートの下』を見せ付けたい気持ちを必死に堪える。


(まだだ…もう少しの辛抱だ……。)


そう自分に言い聞かせながら、目に付いた酒場の裏口へと回る。

そこでは酔った男が我慢できなかったのか店の裏手で用を足していた。


(彼にしようか…♡)


彼を今夜の『獲物』と定め、私は静かに彼の背後に立つと肩をトントンと叩いた。


「ふーっ…んっ?何だあんた?……なっ!」


何のようだとばかりに首だけ振り返ってこちらを見た男は私の姿を見て絶句した。

それもそのはずだろう。

私はコートを広げてその下を……何も着ていない裸体を晒しているのだから。


「あ、あんた……痴女か⁉︎……わわっ!」


用を足している最中の男性器が私の身体に反応するようにビクンっと震え尿があらぬ方向に飛び散っていく。

彼の視線が私から離れ自身の男性器へと向いた隙に私は後ろから抱きついて両手を男性器へ伸ばした。

そしてそのまま右手で優しく包み込むように握って扱き、左手の掌で先端を撫で回す。


「あっ!うぁ……ぐっ!」


彼は抵抗しようとするも、酔った身体では力も出ずなす術なく快感に流されていく。

……まぁ酔ってなくとも私の力で押さえつけられない男などそうそういないのですが。

見る見るうちに溢れてきた先走り汁を潤滑油にして更に激しく責め立てると、明らかに彼の息遣いが激しくなっていくのが分かった。


(そろそろですね……♡)


私はラストスパートをかけるために一気に手の動きを早めました。

するとそれに呼応するかのように彼も限界を迎えたようです。


「うっ……やめてくれ……もう出るっ!!」


ドピュッドピュー!!ビュルルルー!!!


そう言った瞬間、私の左手の掌に彼の白く煮えたぎった欲望が叩きつけるように発射された。


「はぁ……はぁ……」


射精を終えた男性は息を整えようと荒い呼吸を繰り返している。

私は再度楽しもうと彼の男性器を握り直すが、その瞬間酒場の表の方から声が聞こえてきた。


「おーい、いつまで用足してんだー?」


彼の仲間だろうか、このままではここに来るのも時間の問題だろう。

残念だが今日のところはこれくらいにしておいた方が良さそうだ。

そう判断した私はそそくさとその場を後にした。


「はぁ…はぁ……」


少し離れた裏通りで壁に手をつきながら息を整える。

少し走ったものの息切れの原因は疲れではなく、先程の行為による興奮だった。


「………ふぅ」


私は周囲に誰も居ないことを確認してから右手で兜を外した。


(エクレシアやテオ、アディン……私を心から信じてくれる人々が今の私を見ればどう思うでしょうか?)


そんなことを考えながら左手を広げて見る。

そこには名前も知らない男の精液がベッタリとくっついていた。

私はそれを口に近づけると躊躇することなく啜っていく。


「んちゅ……ぺろっ……ちゅぱっ♡」


口いっぱいに広がる独特的な苦味と臭いに頭がクラクラしながらも欲求に抗えず飲み込んでいく。


「あぁ……♡……じゅるっ♡れろぉ〜♡」


精液が喉を通るたびに身体が熱くなり子宮が疼いていく。


「ごきゅっ♡……んんんっ♡♡」


丁寧に一滴残らず飲み込むと同時にみっともなく絶頂を迎えてしまう。

私は完全に大切な人々を裏切り啜る背徳の蜜の虜になってしまっていた──……


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