堕ちた太陽と天女は、彼の者のみを照らす

堕ちた太陽と天女は、彼の者のみを照らす


「おねーさん達、今暇?」

「一緒に遊ぼーぜ? 良い穴場知ってんだよ、俺ら」


水着霊基の玉藻の前と鈴鹿御前が、いかにもな外見をしたチャラ男五人組に声をかけられた。

彼女達はマスターである藤丸立香と共に、南国の微小特異点にレイシフトしている真っ最中である。

何やかんやで事件を解決した後、三人でビーチに赴きバカンスを楽しんでいる最中だったのだが……まあ、二人の美貌的に案の定と言うべきか、チャラ男達にそれを邪魔された格好だ。


「「……」」


チャラ男達はまだ一声かけた程度だったが、それでも玉藻と鈴鹿の(ライバルが横にいることすら許容できる程に)高かったテンション下がりきっていた。チャラ男達の視線的に、彼らが身体目当てであることは分かりきっていたからだ。

立香の存在を知らないのか、立香が海の家へと買い物に出た隙を狙ったのかはこの際どうでも良い。夫との逢瀬に水を差す不届き者に、容赦や動機の追及など必要ない。


「触れないでくださいます? 私(わたくし)達には想い人がいますので」

「バカメス騙くらかしてレイプしてやろうー、なんて魂胆が見え見えだし。アンタ達に興味なんかないからどっか行ってくんない?」


殺気すら込めて睨みつけながらの、刺々しい罵倒の言葉。私達は身体目当てのヤリチンなぞが手を出して良い存在ではない、触れれば殺すぞと誇張抜きで脅した。

そのあまりの殺気にチャラ男がたじろいだ直後…。


「ちょっと、どうしたの二人とも?」

「あ、ご主人様♥」

「リッくん♥ もー、待たせすぎだし♥」


───立香が戻ってきた。玉藻と鈴鹿の愛する旦那様が。

立香は玉藻と鈴鹿、そしてチャラ男達を見て事情を察したのか、両者の間に割って入りつつ堂々と宣言した。


「オレの連れに何か用ですか」

「リッくん〜……こいつらがねー、しつこくナンパしてきてマジウザかったの! ほんと空気読めてないって感じ!」

「私(わたくし)達にはご主人様がいるというのにそれでも言い寄ってきて、本当に迷惑してたんです〜、よよよ…」


…一部は捏造だろうが、状況を見るにほぼ本当なのは間違いない。立香の表情に険が混じる。


「やめてくださいよ、人の連れにそういうの…」


立香は苛立ちを顕に玉藻と鈴鹿の肩を抱き寄せ、見せつけるような形で玉藻と鈴鹿の胸を揉み始めた。


「ぉ、おお…」

「やっべ…」

「こいつマジか…」


ビーチでも早々見ない光景に釘付けのチャラ男達。それを尻目に、立香は更なる行動に出た。玉藻と鈴鹿のふりふりと揺れる尻を鷲掴みにし、さらに強く抱き寄せたのだ。二人が横からすり寄るようになっている関係上、立香が尻を揉んでいるのはチャラ男達に丸わかりだ。

…認識阻害で彼らには見えないが、二人の尻尾が千切れんばかりにフリフリ揺れているのが立香には分かる。狐は尻尾で感情を表すことが少ないらしいが、それを超える程嬉しかったのだろう。


「…じゃ、そーいう訳だから♥ 私達、下等生物のゴミとつるむ気なんかないし♥」

「ええ♥ ですから、もう二度と視界に入らないでくださいましね、粗チンさん♥ もし忠告を無視したら、うざったすぎてその粗末な汚物を蹴り潰してしまうでしょうから♥♥♥」


玉藻と鈴鹿がチャラ男達に勢い良く中指を立てる。…と同時に、チャラ男達が玉藻の呪術で拘束された。

…鈴鹿は言葉だけだったが、玉藻は本気だ。なんなら「去れと言ったのに去らなかったから潰す(※呪術で縛られてるので去れない)」とか言いかねない。

自分の女に手を出されてご立腹だった立香も流石にまずいと感じ始めた。チャラ男達から玉藻と鈴鹿を引き離すべく、二人の手を引いてその場を去った。

彼らは、追ってこなかった。呪術での拘束以上に『恐れ』をなしたのだろう。


「うふ♥ あの場を穏便に済ませるとは、流石ですご主人様♥ ご主人様がいなかったら、私(わたくし)達連中を殺してたかもしれません♥」

「やっぱりリッくんかっこいい〜♥ さっきのゴミ五匹なんて比べ物にならないし♥」


身体を擦りつけながら、滅茶苦茶に立香を褒め称えてくる玉藻と鈴鹿。立香としても、手ずから寝取った極上の美女二人に媚びられて悪い気分はしない。というか…。


「…おやおや♥ 私(わたくし)達の身体を堪能したせいで、ご主人様のチンポが破裂しそうじゃないですか♥」

「ホテルまで保たなそー♥ リッくん、ここで一発パコっちゃう?」


鈴鹿の提案に対し、立香は言葉ではなく行動で答えた。

二人を荒々しく抱き寄せ、適当な路地裏へと歩を進める。その横暴な行動に益荒男ぶりを垣間見た玉藻と鈴鹿は、触れられてもいない股間をビショビショに濡らしてしまったのだった。


───


「野外セックスとか割と久しぶりな気がするけど、どうかな鈴鹿?」

「あっ♥ はっ♥ イイっ♥ 外でチンポするのイぃぃッ♥♥」


玉藻の手で人避けの結界が張られた路地裏に、いやらしい熱気が漂っている。それは先程まで立香とセックスしていた玉藻の淫臭と、今立香とバックでハメている鈴鹿から放たれている淫臭が混じり合ったことで生まれたものだ。

なお、この淫臭の原因その1と言える玉藻だが、彼女は立香と鈴鹿の隣で膣からザーメン垂れ流しのままM字開脚でへたりこんでいた。壁に押し付けられながらの駅弁キスハメで失神したまま放置されているのだ。

ヤリ捨てにも等しい仕打ちと言えるが、立香が玉藻を捨てることがあり得ないからこそ出来るプレイの一環なので問題はない。

そうして被虐的快感に身を震わせる玉藻を尻目に、立香と鈴鹿のセックスはヒートアップしていた。


「ねえ鈴鹿、オレと田村麻呂どっちが良い?」

「リッくん♥ リッくんの方♥♥ あんなニセオスと違ってリッくんの方が、心も身体も、なんならチンポもすっごいしぃっ♥♥♥」


肉と肉のぶつかり合ういやらしい音の中、ノータイムどころか食い気味で返される。


「そんなにオレのチンポ良いの? オレ昔、田村麻呂だー、なんてふざけたら本気で鈴鹿に怒られたような記憶があるんだけど!」

「もう、リッくん察し悪い♥ あれは、あの時の私が底抜けのバカだっただけだしっ♥ こんなガチ恋勝負水着で生パコしてる時点で、他の男とかマジ論外だって察するし♥ ああ、それ、それサイコーっ♥ あのショボチンが届かなかったとこに♥ 届く、ぅっ♥♥♥」


かつての鈴鹿からは決して出なかった、田村麻呂を真っ向から否定する言葉。それが出ただけで、立香は満足だった。


「リッくん♥ リッくん♥♥ 私のダーリン♥♥♥ ゴミクズと違って私のこと信じてくれるリッくんが大好きぃッ♥♥♥」


鈴鹿が立香の腰に尻尾を巻きつけてくる。鈴鹿の獣耳や尻尾が後付けである以上、これは田村麻呂が味わったことのない感触だ。優越感が半端ではない。

では、あのゴミクズから坂上田村麻呂の名前を返してもらうとしよう。そう決めた立香のピストンが激しさを増した。


「ァアッ♥♥ イケチンすっごく膨らんでるぅ♥ イイよっ♥ 私のナカにぶちまけて良いからぁっ♥ ニセモノに穢されたマンコ浄化してぇぇッ♥♥♥」

「ッ…! 鈴鹿、ァ…!!」

「イッグゥゥゥウううッッ♥♥♥♥」


…鈴鹿は、盛大に舌出し仰け反りアクメをキメたこの瞬間まで田村麻呂をひたすら罵倒し、立香を褒め称え続けた。スリリングな野外セックスということもあってか、射精の瞬間立香が感じたエクスタシーはいつもの5倍以上だった。


「ァは…♥ はひぃ…♥」


尻尾を立香の腰から離し、壁伝いにずるずるへたりこむ鈴鹿の姿は、とても第四天魔王の娘とは思えない。が、立香としてはこういう姿も興奮するので無問題だ。


「…あは…♥ これ、二人目デキちゃうかも…♥」


…水着鈴鹿の腰にあるハートマークは、ただのハートマークではない。これは妊娠した子供の数をハートマークで示す、ライフマークと呼ばれるものだ。

大きい方が受肉した鈴鹿、小さい方がカルデア人妻勢で育てている子供。人理のあれこれが落ち着いたら、ガンガン小さいハートマークを増やしていく予定だ。


「リッくん、キスしよー…♥」

「ふふ、はいはい」


身体を立香の方に向け、力なく両手を伸ばす鈴鹿。それに応えた立香が鈴鹿の唇にキスを落とすと、彼女は花開くように微笑んだ。


「リッくん…♥ 私ね、リッくんのことが世界でいっちばん大好きだよ…♥ いつかリッくんに……坂上田村麻呂の名前、ちゃんと返してあげるからね…♥♥♥」


夢見心地の鈴鹿はそんなことをうっとりと呟き、そのまま失神した。

その言葉を聞いて心底満足げに頷いた立香は、並んで失神する玉藻と鈴鹿のの頭上で男らしいオナニーを開始した。

そうして立香は征服者として、二人が起きるまで思うさまザーメンぶっかけによるマーキングを楽しんだのだった。


───


…生前や未来の想い人。玉藻や鈴鹿にとって、それは確かに存在するが、しかし今隣にいる訳ではない。つまり、二人はカルデアにおいて宙ぶらりんの状態と言える。

そんな二人にとって、立香から注がれた愛は劇薬だった。

人妻であろうと虜にし、破竹の勢いで女を寝取りまくる極上の雌殺し。二人もまたその毒牙……というよりチンポにかかり、まず玉藻が、次に鈴鹿が堕ちた。

堕ちた二人が出した答えは───鈴鹿としては業腹だが───同じものだった。…『あれ程凄まじい寵愛を受けておきながら、この場にいない者に操を立てて愛を返さない。それは恥知らずにも程がある最低の行いだ』と。

…口では耳障りの良い言葉を並べ立てる玉藻と鈴鹿。しかし、その脳みそに『生前や未来の想い人』とやらが跡形も残っていないのは明白だ。

立香に叩きつけられた愛は、他の男を綺麗さっぱり忘れさせる魔性のそれだった。そこに、催眠や洗脳などという手段は介在していない。玉藻と鈴鹿は、自発的に過去と未来の男を捨てたのだ。───取るに足らないから。

玉藻と鈴鹿の中には、既に藤丸立香という唯一の雄しかいない。


───


後日…。


「ところでリッくん、通常霊基の方の私もスキルとか変えとく?」

「いや、無理に変える必要はないんだよ? 水着霊基の胸元とかに、オレの令呪型タトゥーシールでも貼ってもらう的なので構わないんだから」

「へー、いーじゃんいーじゃん♥ その案もーらいっ♥ 絶対消えないようにタトゥー彫ってもらうし♥」

「え、後悔しない?」

「しなーい♥ リッくんの令呪なら、愛しのダーリンとペアタトゥーってことで大歓迎だし♥ …あ、なんなら♥ ニセ田村麻呂の素早丸(そはやまる)……は本来リッくんのものだからナシとして、アレとの思い出が詰まった私のかんざしをリッくんのチンポでへし折るタトゥーとかどう? 本当の愛が勝つ! みたいな感じでエモくない?」

「…なら、令呪型タトゥーを胸元と下腹部に彫って、鈴鹿が提案したタトゥーは尻にデカデカ彫れって命令するけど。…良いの?」

「うんっ♥」

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