地の文に影響が及ぶのが性癖なんですよ
「ダメだよ、こんな女の子同士で……」
「だいじょーぶだいじょーぶ。同級生のおっぱい揉むとかそのくらいの話だよ〜」
寮の隣り合った部屋に住む正義実現委員会の2人は、一通りの仕事を終え帰路に着き、こっそりと同じ部屋に入る。同じ学園に通う同性と、一つの部屋に入る程度のことで人目を気にする必要はないはずだが、これからの行為を意識するとどうしても気になってしまう。
事の発端は、昨日の夜。端的に言えば、自己発散している声を聞いてしまい、それを問いただしたところやってみない?と誘われてしまった。断ればよかったものの昨夜聞こえてきた、普段の立ち振る舞いからは想像もつかないほどの下卑た声に(そんなに気持ちいいのかな……)と興味を抑えられずそのまま流され、今まさにお腹をぐずぐずにされんとしているところだ。
ペットシーツを敷いたベッドの上に後ろから抱きつかれる形で座る。目の前には見つけ出された大人のおもちゃの詰まった箱が置かれている。恥ずかしい。準備しておくね、とは言っていたがまさか部屋を漁られるとは……。
「さてさて……お、年季が入ってますな。いつもこれ使ってる?」
「うん……」
「よしよし、初めからお腹が気持ちいい子なんてそうそういないんだから。まずは奥をコリコリされるのと、気持ちいい感覚を結びつけてあげなきゃね。でもまずは……」
「んむっ!」
口唇をこじ開けられる。口内を舐られる。息が苦しい。顔が近い。いい匂いがする。睫毛長くて綺麗。粘膜がくすぐったい。唇を啄まれる。舌を吸われる。抑えられた両手が振り解けない。
「……ぷあ。ふぅ、どうだった?ちゅ〜、上手でしょ?」
めちゃめちゃなキスをされたと気づけたのは解放されてからのことで、気づいてからも胸の高鳴りを抑えるのに忙しくて。
「はぁ……はぁ……ファーストキスだったのにぃ」
なんてズレた反論しかできない。
「もー女の子同士ならノーカンだって!お堅いこと言わない言わない!」
「もーー……」
「さてお次は」
「まだ、やるの……?」
それからと言うものは酷かった。最低だった。繰り返し唇を重ねられ、内腿を撫でられ、耳を甘噛みされ、首筋を吸われ、やっと触ったかと思ったら弱々しく下着の上からなぞりあげるだけで……とにかく昂るだけ昂らせ、弄ろうとするたびに手を押さえつけられ、下腹部に溜まる欲求に悶えさせられて……。
そうして、とうとう我慢の限界が来た私は泣いた。恥も外聞もなく泣いた。同級生と口付けをしながら泣いた。
「ちゅぴ。ぐすっ……うぅ!んむっ、ぐすん……」
「わっ!ごめんごめん、意地悪すぎたね……わ、もう2時間も焦らしちゃった。やりすぎたな」
そこまで強くない力で後ろ手に握られていた両手が解放される。不思議なもので今すぐぐちゃぐちゃに弄りたいのに、されるがままだった身体は指一つ動き出しそうにない。
焦らされ続け、ぼぅ、っとする頭の中には具体的な思考はなく、悶々とした不満と微弱な快楽に集中し少しだけでも気持ちよくなろうとするばかり。
そんなところにいつも使ってるおもちゃが視界に入ってきたのだから、どきりと胸が高鳴ったのは私が変態だからでは決してない。この子が悪い。
「ごめんねえ。初めからお腹が気持ちいい子なんてそうそういないからさ〜。あれこれ前も言ったね」
「……から」
「ん?」
「いいから、はやく」
「きゃ〜♡かわいい〜♡」
くったりしちゃってるし、脱げなさそうだね。とされるがままにスカートを捲られ下着をズラされる。粘液でべっとりの布が陰核を擦り、不意打ちの快感に腰が跳ねる。
「あれ?あれあれ?」
最悪だ。
「今ので気持ちよくなっちゃったの〜?」
死んじゃえ。
「うんうん、可愛いやつめ。これは期待できますな」
「いいから、もう……!いい加減にしないと、あ……」
おもちゃを入り口にぴたりと宛てがわれ、黙らされる。楽しそうにこちらを覗き込むその瞳に、心まで見透かされているかのように錯覚する。
「いくよ?」さっきまでの小馬鹿にしたような声音の主とは思えないほど、優しく重みのある声にほとんど反射で頷く。先端を二、三回上下させたそれはあっさりと肉を掻き分け、根元まで咥え込まれる。
「あ、あぁ〜〜っ♡すご……ぃ♡」
挿入の刺激だけで軽く達してしまい、その快感の中、ぎゅむぎゅむと奥まで突き込まれる。
「どう?痛くない?変な感じとかしない?大丈夫?」
「あう……わかんない♡あたま、ばちばちして、わかんないよ♡」
「痛くないなら大丈夫。じゃ、お腹こりこりしてくよ?」
丹念に丁寧に膣奥を愛撫され、数分置きに絶頂させられていた。が、10分ほど経った頃だろうか。唐突におもちゃが引き抜かれる。
「ひっ♡」
ずるりと圧迫感から解放される感覚に短く声が漏れる。
「うーむ、奥でイク前にズコズコされて気持ちよくなっちゃってるなあ」
「はーっ♡はーっ♡ふぁ、ん、あの、もしかして……まだ、やるの?もう十分、イッたと……思うんだけど。さっきのじゃ、ないの?」
「うむ、開発進捗は上々。刷り込みは完了してるね。でもねえ、イッたときの感覚って、びりっ!って電気が通った感じでしょ?それって奥だけで気持ちよくなる前に普通の中イキしちゃってる、の、で!」
彼女の滑らかな指が割れ目をなぞり上げる。おもちゃなんかよりずっと細い中指は、それだけで簡単に体液に塗れ、有無を言わさず膣内に潜り込む。
「指で奥の方だけ、コリコリしたげる……♡」
言うが早いか、快感に晒されて降りきった子宮口を、ねちっこく、ゆっくりと上下に揺らされる。コリコリというよりは、ゆさゆさとお腹全体が動く感じで、擦られる感覚もなければ圧迫感もない。
「ん、ふ……なんか、地味な感覚」
「そりゃあまあ仕方ないよ。さっきより刺激はずっと弱いんだから。だからこうやってゆったりまったり……と。おや?なんか締まってきてない?」
「わかんない、けど。くすぐったい、かも」
「おお!それはいいね、くすぐったいところって大抵性感帯だから気持ちよくなり始めてるよ」
5分後。淡々と規則正しくお腹をこねられる。
「あ、まって、なんか変。お腹むずむずする」
「そんなこと言われて〜待つわけないじゃん?」
10分後。変わらずに子宮口を揺すられる。
「あ、やば、大きいのくる。や、まって……ほんと♡まっへ♡」
「〜♪」
20分後。
「おがじぐなる!まっでぇ♡こわい!大きいのきちゃうのこわい!ごめんなさい!やめてください!あ゛っ♡おなが♡ごねごねやめでっ♡♡」
「ダメだよ〜あなたから誘ったんだからね」
さんじゅっ……♡
「……あ」
「ほら、イケ」
「……っ〜〜〜!!♡♡♡」
初めての奥イキ。全身を硬直させ、腹部の奥底からとめどなく迫り上がってくる快感を処理できず、視界は明滅し、叫び声を上げることすらできない。
声を詰まらせて快感の波が引くのを待つ私の奥が再び捏ね回される。一度絶頂したはずなのに快感は再び膨れ上がり、お腹の奥底から気持ちいいのが上がってきて、頭真っ白で気持ちよくて身体の感覚がなくてふわふわしてこれすご、これっすごい♡いぐいっっぐ♡ずっとイク♡あう、イッてるの終わらっ♡ぉ゛あ♡きもぢいいのずっっと♡♡しぬ♡しんじゃう♡しんじゃ……っ♡♡
翌日、私は風邪を引いて休んだ。