回答者あるいは解凍者

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タイトルに困った

本誌が怒涛の展開過ぎて心を落ち着けるために自分が知る限りで一番最悪の展開を思い返し流石にここまではいかないはず…

とか考えてたらいつのまにかその展開をクザンでなぞって妄想していた。

※「無抵抗の人民を一億人虐殺する」というワードで嫌な予感がした人は閉じた方がいい。全方位鬱と胸糞とパロ元に寄せた故のキャラ崩壊しかない。

あとクザンとティーチが一瞬だけそういう仲になったかもしれない仄めかしがある、左右までは考えてないが。

まあ最終的にはみんな死ぬしなガハハ

ガハハ…







前提条件として頂上戦争の後サカズキとの決闘を経て海軍から離脱する所までは変わらない。

でもその後このクザンはまず革命軍に入る。海軍以外で自分なりの正義を模索するならまずはここしかないだろうと。でも最終的には苦悩半分、諦め半分で革命軍を去る事になる。

総司令官ドラゴンの唱えるプラン、世界貴族という制度を廃止するまではいい。でも権力構造を改めようとした所で今の世界政府や海軍に準ずるような巨大な組織や勢力自体は存続するのであればきっとそう遠くない未来に破綻し始めるとクザンは考えてしまう。

性善説を信じるにはあまりにも長い間、特別身近な立場で組織というものの暗部を見過ぎたので。というところで思い至る、この革命軍という組織も例外ではないのでは?

何かのきっかけで今後勢力を増した結果、それこそ革命が成功したらば後は徐々に腐っていくだけなのでは。今の世界政府と海軍のように、と。

ならここにも長くいるべきではない。ましてや、一度は曲がりなりにも大将という権力闘争の座に着き今は力を持て余している自分が組織というものに迂闊に籍を置くべきではなかった。

現に本編では炎帝の騒動が起きてしまった事を思うとあながち的外れでもなさそうなのが世知辛い。

それでもロビンが革命軍に身を寄せる間は共に居続けた。顔を合わせた当初はお互い驚愕したし長い間ぎこちない距離感が続いたけれどそのうちぽつぽつと会話するようになった。

でもきっかけは全てロビンの方から。クザンは今の自分に、彼女に進んで声をかける資格があるのかという気持ちを最後まで拭えなかったから。

おれはおれだと自分に言い聞かせながらも、苦節数十年結局未だに己の正義さえもままならず彷徨っている自分が、自らの生き残った答えに辿り着きつつある彼女に一体何を言えるのだろうか?かと言ってすげなく背を向ける覚悟も持てない。

それで結局、二年後ロビンが革命軍から発って間もなく後を追うようにしてクザンも革命軍を去っていく。その姿がまさに薄氷を踏むようで不安になりながら、ドラゴンもサボ達も引き留める事は出来ない。


こうしてティーチに出会う。出会い方自体は本誌の流れとそう変わらないかもしれない。強いて言うならこのクザンの方がより追い詰められて壊れかけている気はする。革命軍とも反りが合わなくて、いよいよ後が無くて、人間にも世界にも自分にも疲れつつあるので。

ところで、結論から言うとハチノスが加盟国入りした暁には黒ひげ海賊団とその傘下はマリージョアの世界貴族達を虐殺する。恐らくレヴェリーのタイミングなので、他の加盟国の王族達や護衛達も巻き添えになる。

これはもう元の展開になぞらえているので戦力差とかは深く気にしないでほしい。元の展開だと、富裕層が2000万人暮らしてる馬鹿でかい宇宙船みたいなのを1億人分墜落させるだけなので。エンジンを破壊し、鉄の棺桶の中で何の抵抗も出来ないまま地上に墜落死するしかない無辜の民達をぼーっと眺めて終わりという感じ。

じゃあきっと錯乱してマリージョアの領地から逃げ出そうと海へ飛び降りた天竜人もみんなクザンに凍結からの破壊されて根こそぎ死ぬんだろうな。凍らせるタイプの殺虫剤みたいに。悲しい。


そしてこのティーチはどの勢力に対してもやり方がぬる過ぎると思っている。だからクザンにもまず事前にマリージョアを襲撃するから付き合わないかと正直に伝えている。「革命も秩序も、自由も支配も、正義も結局は殺すしかねえのさ」と言う。

どの勢力であっても結局行き着く手段は一つ、殺しだから。ならまだるっこしいのは抜きにして最初からそうすればいいだけの話だった。それでいてこのティーチにとっては殺しそれ自体が目的にすり替わりつつある節さえ滲ませる。

でもたぶんティーチの事だから別に本当に殺すのが楽しいシリアルキラーとかではない気がする。ただ、もう疲れた。もう眠りたい。静かに寝かせてほしい。結局それだけな気がする。手段としての殺しに振り回されるのもかったるいからぶれようのない目的に据えただけで。

それでクザンはティーチの言葉に応じる。結局この世界から導かれる答えはそういう事で、どの立場でどういう思想を持ちどんな事を言おうとしようと終いには殺しに帰結する。殺す理由を考えて殺す。殺し続ければ勢力図が変わるから立場が変わって殺す必要のある相手も変わるから殺しても殺してもキリがない。

なんかもう馬鹿みたいだ。「だろ?」じゃあ全員殺すか。おれも疲れたし、あとで一緒に一寝入りしよう。


それから、数日もしないうちにある加盟国からハチノスへ、黒ひげ海賊団宛に高額な報酬の前払いと共に依頼状が届く。いつぞやの派遣屋と間違えてんじゃないのかなんて笑いあう。

依頼内容は「マリージョア跡地の占拠」この依頼について、詳細な計画などはありません。全てあなた方にお任せします。あらゆる障害を排除して、今回の目的を達成してください。我々は人々の安全と世界の安定を望んでいます。その目的の要となるのが今回の依頼ですので、あなた方からはよいお返事が頂けると信じています。

元から多少言い回しは変えたけど、つまり殺してやるから死ねという事を丁寧に書き連ねてある。無視した所でじきにハチノスに乗り込まれるのは分かっているのできっちり出向いてやる。

その中にクザンももちろんいる。ティーチの隣にいる。たぶん前夜に二人は寝た、そういう意味の方で。最初で最後の共寝をした、かもしれない。してないかもしれない。

この世のものとは思えないほど荒れ果てた聖地に、やはり黒ひげ海賊団以外の人影があった。みんなクザンと同じくらい病み荒んで怒り狂い殺意に塗り潰された顔をして待ち構えている。


「あなた方にはここで果てて頂きます」「理由はお分かりでしょうね」亡国の王女達が似つかわしくない形相をしている。海王類が鎌首をもたげている後ろに、どこから引っ張ってきたのか遺物の戦艦を見てティーチは少しだけこの世界が惜しくなった気がした。でもしただけ。まあこのティーチじゃなければ何か違っていたかもしれない。

「どうせ確信犯なのだろう」「話しても仕方ない」一見非戦闘員めいた怪物的な老人と、わずかばかりのCP達がいる。まあ一本丸のマリージョアがこの有様なのだから世界政府が主導権を握れなくなったのは納得だが、なら海軍は?ともう大した感慨もなく目を向ける。

「所詮は獣じゃ」「人の言葉も解さんだろう」こちらも将校をはじめとして相当な人員を失ったのだろう。マリージョアの目と鼻の先、海軍本部は二度も被害を受けた。世界政府と海軍という二つの組織が破綻した今や辛うじて一番難を逃れられた一加盟国が実権を握り、代表として“依頼”したのかもしれない。

「戦争屋風情が偉そうに」「選んで殺すのがそんなに上等ですか」

なんて考えながら馴染みの船員達がいつものように嘯くのを聞き流しつつ、でも未だに獣の名を冠しているであろう面子に獣扱いされるのは何か面白い。おれもう青キジじゃないんだけどな、なんてこのクザンはぼんやり思う。

「殺し過ぎる、お前達は」そうなるだろうとは薄々思っていたけれどやはり革命軍も来ていた。恐らくレヴェリー当時、暗躍中の同胞が巻き添えを食らったのだろう。というところで、彼彼女らも十中八九ここに来ているというその見立ては的中している。

麦わら帽子を被った青年が見える。その顔はよく見えない。今のクザン達にはもう見せてはくれないだけかもしれない。その隣によく見知った少女の今の姿がある。もう一つの隣には青年の身内が、かつてのクザンの師が立っている。

「殺す事だけを覚えたか」と師は言う。「あなたとはもう、一緒に生きてはいけない」と彼女は言う。クザンは何も言わない。殺すのに言葉は必要ない。

こうして冬は夜闇の中で眠りにつき、沈黙と共に春が目覚める。春眠暁を覚えず。


クザンひいてはティーチ達黒ひげ海賊団が勝てるかと言われると、こんな劇場版みたいな取り合わせに?と思うけど元の展開に沿うなら…勝っても負けてももうこの世界は滅んでいくだろうから別にいいか。

でも覇気は意志の力、悪魔の実は人々の願いで、迷えば弱くなるともいうし、なら殺すという意志、死ねという願いで、殺意一色に染まり切ったこのクザンがこと殺し合いにおいて他より劣る道理もまあないかな、とも思う。対抗勢力みんな弔い合戦とか今後の尻拭いとか、下手すると次の権力の座を巡る水面下の争いとか雑念混じってそうだし。

現実的には実力差や戦力差があるから善戦も無理だろうけど。イム様はどうしてるんだろうな。いつかはこうなると薄々思ってたからもう見過ごしたのか。結局彼・彼女も疲れたからもう寝たいだけなのかもしれない。

まあ勝ったとして、ティーチ達が生き残っていようといまいとクザンは黒ひげ海賊団を離れる。やっと迷いが無くなったので、以前のようにチャリンコ漕ぎながら全海各地で殺して回る。

もうまともに止められる人員もこの世に残っていない。いやシャンクス達とクロスギルドがいるか?なら最終的には黒ひげ達とも殺し合うオチの方がいいか。

何にせよ勝った所で、もはや海軍でも海賊でも何者でもないたった一人の男によって世界はより深刻な出血を強いられるというだけの話。人類種の天敵とすら呼ばれた彼は、この海で最も多くの人命を奪った個人とされる。


蛇足。

クザン、そしてティーチ達黒ひげ海賊団亡き後もわずかな人員と資源を巡ってくだらない殺し合いは続いた。無駄な殺戮の末に人々はもう未来のないこの海を捨ててまだ見ぬ新天地のために空を目指そうと思った。

互いに協力しようとかいう発想はなかった、そういう考えが出来る人間はとうに死に絶えていたし、だからかの天才科学者ベガパンクが遺したとされる空に向かうための船の情報がどこからともなく各勢力に伝わった時も、それを巡って余計に血を流した。

やがてエッグヘッドが主戦場となりせっかく発見されたその船も巻き込まれて破壊された。全ての勢力が故意に巻き込んだ節さえあった。みんな、先を越されたら権力争いに負けると思ってよその足を引っ張りあう事を優先したから。

混乱に乗じてその船を含む設計図や仕様書の類、各種発明品や兵器そのものも各勢力へ流出した。結果軍需を中心にごく短い期間だけ各地の文明レベルは飛躍的に向上した。

画一的で替えが効く、それでいてこれまでとは比べ物にならない戦力を才能や経験や運関係なく個人レベルが所有出来る時代だった。覇気の使い手や悪魔の実の能力者は組織立って制御出来ないイレギュラーとして迫害と弾圧を受けるようになり、歴史の裏側へと隠れていった。

とはいえ結局資源は頭打ちだし、わずかな資源を奪い合う闘争のためにその資源が投入され、もはや空飛ぶ船を作るだけの余力はどこにもなかった。

ベガパンクの理論に追いつけるほどの天才が現れる下地もこの世界にはもうないので、他勢力への示威と牽制のためだけに飛ばす気もなければ飛ぶ訳もない見せかけだけの歪な船が各地に建造された。

そうして権力者達はいつまでも旧時代の遺物にしがみつき無辜の民達はその巻き添えを食らい、みんな疲れ果てて衰退する一方。

もう疲れた。もう眠りたい。限られたごく一部の人間達は最後の資源をかき集め、現存している数少ないベガパンクの発明品によって凍結保存され長い眠りにつく。最低限世界が回復しているだろう時代まで。

各地に点在する人民達は文明を失いながらもようやく訪れた平穏な世界で夜闇を迎え、安らかに眠る権利を得られた。

それから長い長い時が経って世界が回復し始め、冬は春になり、眠りについていた生き物達は朝の訪れに目を覚ます。殺し合いを伴い、生と死を繰り返す中で世界は徐々に活気を取り戻していく。

そして今は何もかもが長大なこの円環の島で、麦わら帽子を被った青年と凍てつく壮年の軍人が相対している。お互い、この戦いの向こうに答えはあるのかとこの世界に問い続けるために。

それでこのお話はおしまい。

ここまで概ねパロディ。

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