嘘のようなほんと
モテパニ作者四月一日、年度が明けた最初の1日目。
様々な始まりの季節であり、年明け以上にスタートにふさわしい日だ。
それと同時にこの日の有名なイベント、それはエイプリルフール。
とはいえ…
拓海「あいつそんなの知らないだろうし、わざわざ騙さなくてもいいだろ」
拓海が思い浮かべている人物、それは同居人ダークドリーム。
四月一日という日を初めて迎える彼女の一日を嘘で出迎えるほど拓海は意地悪ではないつもりだ。
ダークドリーム「拓海ー」
そんな事を考えているとダークドリームが顔を出す。
拓海「どうした?」
ダークドリーム「拓海に伝えとこうと思ってたけど忘れてたことがあって」
拓海「なんだ?」
ダークドリーム「私に妹ができたの。この子が妹になったまなつ」
まなつ「よろしくー!」
ダークドリーム「ほんとうはみんな揃った時紹介したかったんだけどね」
拓海「みんなってことは他にもいるのか?」
ダークドリーム「他にはみなみ、のどか、亜久里がそうよ」
拓海「あー。みなみはともかく最近花寺や円が一緒なのってそういう事か」
一見エイプリルフールにかこつけた嘘のような報告。
しかし拓海にはわかる。
ダークドリームの様子に嘘はないと。
ならば事実関係がどうあれ当人達には本当なのだろう。
拓海「だったら夏海もおやつ食って行くか?」
まなつ「食べるー!」
ダークドリーム「"も"ってことは私も…」
拓海「そりゃもちろん」
ダークドリーム「やったー!」
嘘で飾らなくとも、このように愉快な現実があるのだからそれでいいのだ。