哀惜
ユッダが出てくるイベントのお話
黒幕との対話
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ユッダ
「……やっぱりそうだったんだな」
???
「へー俺がこの特異点を作っていたって気づいてたんですねユッダ義兄さん。それとも義姉さんと言った方がいいですか?」
ユッダ
「好きにしろよ。性別なんてどうでもいい」
アシュヴァッターマン
「どうしてだ?なぜこの特異点を作った!……ジャヤドラタ!」
「ジャヤドラタ?」
「確かドゥフシャラーの……」
ジャヤドラタ
「そうそう。俺の名はジャヤドラタ。カウラヴァに味方したシンドゥ国の王であり、君もご存知であろうドゥフシャラーの夫さ」
ビーマ
「……お前はクルクシェートラの戦いで死んでいたハズだ。なぜ生きている」
ジャヤドラタ
「決まっているだろうがビーマ、コレだよ。偶然拾ってな。そのお陰で生き延びたのさ」
「聖杯……」
「じゃああなたがカリを……」
ジャヤドラタ
「そうだ。俺がカリを聖杯で呼んで民衆を襲わせていた、」
ユッダ
「嘘だろ」
ジャヤドラタ
「……」
「嘘?」
「……ジャヤドラタがカリを呼び出したわけじゃない?」
ユッダ
「お前は確かにこの特異点を結果的に作り出した。お前が聖杯の力で生き残ったことで大地の上の人数がギリギリ規定人数をオーバーしてしまった。それがこの特異点の原因だ」
アシュヴァッターマン
「それじゃあカリを出していたのは……まさか!」
「人口調整機構?」
「百王子の誰か?」
ビーマ
「……そういう事かよ」
ユッダ
「なんで私はこの姿で派遣されたのか、ずっと考えていた。ドゥフシャーサナでもヴィカルナでもなく、なぜこの姿なのか。……同じ姿にすることで同一存在だと世界に誤認させるためだったんだな」
ジャヤドラタ
「そうでしょうね。お陰で気づくのが遅れましたよ」
「そうかこの特異点で機構になったのは……」
ジャヤドラタ
「ああそうだ。俺の妻、ドゥフシャラーが機構になった!」
「あの優しい妻がカリの姿になり、人を襲いはじめた!」
「ふざけるな、ふざけるなよ!そんな事あっていい筈がない!」
アシュヴァッターマン
「……一つ聞かせろ」
ジャヤドラタ
「なんですか?アシュヴァッターマン」
アシュヴァッターマン
「お前はユッダのことを知っていたな。この世界にユッダがいたのなら、本来ならドゥリーヨダナが……ユッダが機構になっていた筈だ。それなのになぜドゥフシャラーが機構になった?」
ジャヤドラタ
「ああそのことか。お前のせいですよアシュヴァッターマン」
アシュヴァッターマン
「……は?」
ジャヤドラタ
「この世界のアシュヴァッターマンから聞きました。ドゥリーヨダナ義兄さんに魔尼の宝珠を渡していたらしいですよ。お守りとしてね」
ユッダ
「なるほどな。それなら私は表に出てこれなかっただろう」
ビーマ
「……この世界のアシュヴァッターマンは?」
ジャヤドラタ
「死んだよ。……ドゥフシャラーの攻撃から俺を庇って」
アシュヴァッターマン
「……」
ユッダ
「なあお前はドゥフシャラーが機構になっているのが嫌なんだろう?なぜ聖杯で人間に戻そうとしない?」
ジャヤドラタ
「戻そうとはしました。しかし、戻せませんでした。正確に言えば人間に戻しても、すぐに機構の姿に戻るんです」
ユッダ
「薄々気づいてたがバグってるなドゥフシャラー。規定人数まで減っているのに暴走しているっぽいし」
ジャヤドラタ
「なのでドゥフシャラーを機構にした神々を殺すことで、ドゥフシャラーを止めることにしました」
アシュヴァッターマン
「……は?」
ビーマ
「正気かお前。そんな事出来るわけがねえ」
ジャヤドラタ
「正気だが?いろいろ作戦も考えてきたんだぜ?まあ多分俺は死ぬし、人間もほとんど死ぬだろうがまあ妻を助けるためには必要な犠牲だろ?」
ユッダ
「……ドゥフシャラーはそんな事望んでねえよ」
ジャヤドラタ
「そうでしょうね。それでも俺は妻を守りたい」
ユッダ
「そうかよ。……バカ義弟が」