吹っ切れる?
この話は「口岡吹っ切れる」のIFです。IFのIFを作ってます(笑)
口岡くんがお亡くなりになります。見たくない人は戻ってください。
晴「宿儺…私、見えるわ!貴方が見える!そうよ…呪印まで全部」
宿儺「ケヒッ…そうか!やはりお前は俺の嫁に相応しい!」
二人は自室で、唇を交わしベットに倒れ込もうとした______その時だった。
晴「?!待って!なんか来る!」
咄嗟に晴が結界を張る。これだけ早く反応できるのは、晴が盲目だったから。もう過去形になってしまったが、目が見えない彼女にとって、目の代わりにとして鍛え上げられた耳と呪力感知は誰よりも優れている。そして『死ぬから、結界を誰も破れないようにして』という縛りをつけた。次の瞬間、周りは炎に包まれる。犯人は明人だった。宿儺と晴は無事だったが、部屋は無事ではないかった。そして次に『死ぬから外に出して』という縛りを追加。二人は寮の屋根の上に。時間がない。明人が来るまでそんなに余裕はない。
宿儺「どうする、今の俺では彼奴に勝てんぞ」
晴「宿儺…私を信じて、くれる?」
宿儺「ケヒッ…あぁ、もちろんだ」
そして、明人が天井を突き破って出てくる。明人がまた二人に術式を放とうとした時、新たなる縛りが追加された。
『禪院晴、両面宿儺は死ぬから、口岡明人の呪力、術式、現在行っている縛りを全て剥奪して』
明人には術式が効かない縛りがついている。当然、他の術式は通用しない。だが、縛りならどうだろう?明人の縛りと、晴が行った先程の縛り。どちらが通用するだろう?答えは簡単、代償が重い方だ。たかが二級術師の明人の命と、特級術師である晴と宿儺二人の命____天秤は傾いた。
明人「(体の力が、抜けて…!)」
明人の力は全て消え失せた。今の彼は一般の非術師と同等だろう。その後、五条悟が現れた。遅いと言えば遅いのだが、衝撃すぎて動けなかったのだろう。
五条「晴!怪我は?ごめんねすぐ行けなくて…」
晴「平気よ、縛りでなんとかしてるし」
晴は戦闘中も絶え間なく縛りを追加していた。体力や呪力の増加や他の術式に干渉されない縛りなど、様々な縛りを僅かな時間で考えついていた。神童とも言われた彼女の知能は明人をも上回り、平安の世で歴戦の猛者に揉まれた彼女の高い戦闘IQにより明人を超え、脱縛術式を使いこなしていた。
晴「さてと…明人くん、貴方は素晴らしいわ。あの時盗めていなかったら私達は死んでいたでしょう。貴方のことは忘れない。そしてこの術式をくれた貴方とそれを与えたであろう神とやらに______ただ、感謝を」
「魂霊呪法」を晴は発動させた。そして破壊…ではなく晴は明人の魂を取ると嚥下し、魂を吸収した。そしてたちまち座り込んでしまった。
五条「晴?!」
晴「…不味い」
宿儺「…無理して食べんでもよかろう」
晴「だめよ。もし魂を残しちゃったら転生されちゃう。術式とかを剥奪したとは言え、それが来世まだ続くとは思えないわ」
魂を吸収するということはその魂は呪力に還る。輪廻に還ることはできない。明人の魂は影も形も無くなってしまったのだ。肉体=魂。それが晴の世界。魂の無い体は形を成せなくなる。
明人「禪院晴ぅぅ!!」
明人の体は内から破壊されて、明人がいた場所には血溜まりができただけだった。
以下、呪術上層部に提出された報告書である。
京都校姉妹交流会で起きた禪院晴・両面宿儺・
口岡明人の騒動について
京都校姉妹交流会団体戦で禪院昴除く京都校生徒ならびに口岡明人が両面宿儺とその器の殺害計画を立てたことが判明。命令をした楽巌寺嘉伸は両面宿儺と器の虎杖悠仁を危険視していた。そして、虎杖悠仁と両面宿儺が分裂した今こそ、殺害のチャンスだと主張。上層部もこれに賛同していたが、五条家当主五条悟の一存で死刑は執行されていない。
また、禪院晴が両面宿儺と虎杖悠仁分裂を企てた可能性があると、両面宿儺、禪院晴を呪詛師として送還しようとした。しかし、禪院晴は現禪院家当主、禪院直毘人との縛りがあり、しかも証拠がないとして無実を証明。結果証拠不十分としてその話は見送りとなった。しかし、口岡明人はその後両面宿儺、禪院晴の殺害を強行。その時に寮を破壊した。口岡明人はその時、禪院晴、五条悟により死亡が確認されている。
後日、上層部の会議により禪院晴を呪詛師として認定すると多大な損害が発生し、呪術界に大きな影響をもたらすことを五条家、禪院家が主張し、禪院晴を特級呪術師、高専教師として続投することが決定された。