吸血鬼パロ②
吸血鬼ルフィさん可愛くてえっちだな...からうまれた吸血鬼パロディです。
https://telegra.ph/吸血鬼パロ-09-07とリンクしています。
ルフィさん視点は難易度鬼なので、語り手として「私」(性別は不明)が出てきます。オリキャラ要素が苦手な方はご注意ください。
また、版権キャラとオリキャラが絡む以上、夢小説に分類されると自分は解釈しています。
前回は注意をつけ忘れて本当に申し訳ない。こちらについてもご自衛ください。
ルフィさんのエミュ難しすぎる...地の文の多さから逃げが見えますね。違和感を感じた人は脳内変換をお願いします。
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荒天が引き起こした偶然により、何者にも代え難い友人を得ることもある。この“何者にも代え難い”というのは唯一無二という意味合いが強く、存在自体がとてつもなく稀少で──つまり私の新しい友人は“吸血鬼”だった。
創作物の読みすぎだと笑われるかもしれない。しかし私はこの目で見た、というより今も見続けている。目の前で骨つき肉を頬張っている青年こそ、かの有名な吸血鬼! 伝説は実在していたのだ!
彼の名前はモンキー・D・ルフィ。私はルフィさんと呼んでいる(様付けで呼んだらすごくイヤそうな顔をされた)。
ルフィさんは、広大な土地を所有するやんごとなき身分の方でありながら、善き自由を体現したような人柄で、己の地位をひけらかすこともしなかった。現に私という客人がいながら、彼は晩餐前の“おやつ”を楽しんでいる。吸血鬼界ではおやつに肉が入るのだろうか?
ただし例外もあり──
「うちのコックはすげェんだ! ゾロは剣術を使えるし、ナミは......」
迅速かつ優美な包丁さばきや、日々鍛錬を怠らない勤勉な姿を思い出しているのだろう。目を閉じ、指を折り曲げて一つひとつ数えながら、ルフィさんは“彼ら”へ目一杯の称賛を送る。
ルフィさんの口から出る自慢といえば、彼に仕える使用人たちへの褒め言葉くらいなものだ。大事な宝物が自分の傍にいるか、それを丹念に確かめるような手つきや表情はひどく優しげで、つられて私も温かい気持ちになる。
総勢9名の使用人たちは、間違いなくモンキー・D・ルフィの“何者にも代え難い唯一無二の人”なのだ。
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海の一流コックことサンジさんのフルコースを平らげ、応接間へと繋ぐ回廊を歩いている最中のことだった。
至る所に刻まれているロココ調の装飾も素晴らしいが、常人の私には素晴らしいことしか分からない。ゆえにその一箇所──赤いカーテンに隠された“なにか”に疑問を持つことは、極々自然なことだった。
“なにか”は5×3メートル程の大きさで、カーテンに関しては周りの意匠と調和が取れていない。明らかにインテリア・建築様式に暗い人物の犯行だ。
「あ〜......それか? それはだなあ......」
加えてルフィさんのバツが悪そうな顔。「見ていいぞ」の了承がなかなか得られず、私は焦ったくて、勢いよくカーテンを開け放った。
──肖像画。ルフィさんの肖像画だ。弾けるような笑顔を写実的に表している。素人目で見てもこれは名画だ、と胸を張って言えるような出来栄えであった。
対して本人は──
「じっとできたら肉を100人前食わせてやるって言うからよ......でも流石にデカすぎるぞ......」
ジト目で唇を尖らせながら、笑顔を絶やさない“自分”を睨んでいた。
「あいつら威厳があーだこーだ言うから、おれは仕方なくジョウホしてるんだ」
「もういいだろ」とカーテンを閉めるルフィさんの横顔は、少し嬉しそうだった。