吸血鬼パロ
週刊少年ジャンプ47号(2014)の吸血鬼ルフィから着想を得たものです。
ルフィさん視点は難易度鬼なので、語り手として「私」(性別は不明)が出てきます。オリキャラ要素が苦手な方はご注意ください。
ルフィさんのエミュ難しすぎる...違和感を感じた人は脳内変換をお願いします。
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暴風でガタガタと揺れる扉を背に感じながら、肩や太ももについた雨粒を払う。
夜分遅くに突然の豪雨、駆け込んだ館は私よりもずっと“年上”のようで、歴史を感じさせる造りであった。
ぐるりと辺りを見回す。曇りひとつないアンティークの数々、踊り場の大きなステンドグラスは荘厳な美しさを湛えており、職人の技巧に感嘆の声が漏れる。
館の主人はかなりの有力者だろう。そうと分かれば自ずと鼓動が激しく脈打ち、勝手に入った無礼を詫びようと口を開いた──次の瞬間。
「ようこそ我が館へ」
力強く、とても耳触りのいい声が私の鼓膜を震わせる。音の方向へ目線を合わせると、“彼”は独特の雰囲気をまといながら、踊り場に佇んでいた。
彼の表情はよく見えない。背後にある太陽を模したステンドグラスも、この悪天候では暗い表情のままであった。
黒い影がゆらゆらと階段を降りてくる。足音が大きくなるたび、気持ちのゆとりも擦り切れていく。
「あっ」
──ゴロロ...!!! ズドドドドォン!!!
雷が落ちる轟音と、先程より数段高い彼の声はほとんど同時だった。
また、稲妻が光った刹那、彼の全貌が見えた。
左目の下にある傷、人のものとは思えない長い犬歯、首に巻いた白のフリルタイ──十中八九、手持ちのワイングラスから溢したのだろう──は広範囲に赤いシミを作っている。もはや白い部分の方が少ない。
彼はフリルタイとワイングラスを交互に見ると、瞬く間に青ざめ、額に脂汗を滲ませ、「ああああ〜っ!!?」と一際大きな声で叫んだ。
「こ、こぼしちまった!!! “高いから汚すな”って昨日言われたばっかなのに!!!」
“ようこそ我が館へ”と言っていた数分前の威厳は消え失せ、彼はドタバタと焦っている。
見え隠れする鋭い牙に一抹の不安を感じつつ、私は彼のそばへ駆け寄るのだった。