司と類が出会い直す世界線(高速詠唱)

司と類が出会い直す世界線(高速詠唱)



 類から音楽を消したら大人しくて頭がいい普通の人になったから、クラスには馴染めるし変人扱いもされなくて、三宅くん達にも遠慮されずに声をかけられて仲良くして友達グループになってる類。

 普通から見たからそれが良いし友達にもなってるからこそ、危険を伴わせてまで音楽を思い出させるのを躊躇する司…でもその子貴方と出会うともっと本来の自分を取り戻して更に楽しくなるんすよ…。

 移動教室のたびに窓から見える教室の中の楽しそうにやってる類を眺めて笑顔ヨシ!しては声をかけずに行ってしまう司に何か言いたげなシャルル。

 しかし三宅くん達とお話ししつつ映画の話になったりするとふと、僕ならもっと……という考えが頭によぎりぼんやりしてしまう類がいて、でも司は声をかけないから気づかない。三宅くん達が心配して声をかけるといつも通りになる一幕。

 そんなある日三宅くん達と話してる時廊下に目をやると、見慣れない子がこっちを見て笑ってたかと思うとそのまま廊下を歩いていってしまうから、誰だろうあの人って感じにドローンで観察してみる。

 天馬司と言うらしいと知りしばらくドローン越しに見てると、放課後に路上で身振り手振りの大きな朗読劇(音楽を伴わない)ショーをする司を見つけて目を惹きつけられる。でもなんだか物足りないな…となった類が、もし自分なら…と司のショーを眺めながら考え始め、手慰みにノートへ書きつつ見続ける。

 そしていつの間にかノートは演出で真っ黒になった。それでもショーは終わらない。

 予備のノートも学校のノートも引っ張りだしてショーを見ながら演出を書き続けフィナーレを迎えると同時に書き終わる。

 でも更に更にアイデアが溢れてくるから紙が無くなっても裏が白いチラシの裏側を見つけ出して書き込んで寝食を忘れ夜が明ける。

 チュンチュン聞こえる鳥の囀りを聞きながら急いで真っ黒にしたノートをカバンに詰め込んで学校へ登校し司を探すけどそんな時に限って司が多忙ですれ違う。なので移動教室の日なのに司が廊下を通らず声をかけられない。

 休み時間のたびにドローンで探しては見つけしかし声をかけ損ねあちこちの人から声をかけられては仕事を頼まれたり楽しげにしてたりでタイミングがこず、でも演出は溢れてくるから自分はノートと机から離れられず置き勉用のノートも演出で真っ黒にする。

 その日は学校で授業中でもニヤニヤブツブツし続けその日の授業がやっと終わるとノートを詰め込んで司を探しに行くが丁度ドローンの電池が終わる。

 そのため最後に姿が確認できたところへ行くが、天馬?ああそれなら図書室に…、司先輩ですか?それなら職員室に…、天馬くん?嗚呼それなら学級委員の集まりが…といった感じで放課後の校内を奔走。

 最終的に屋上で何やらしてるらしいというのを聞きつけ、階段を駆け上がると確かに漏れ聞こえる声。その声に向かってドアを勢いよく開けたどり着くとそこにはショーの自主練中の司。

 それを見て開口一番、天馬司くん…!キミ、こんな演出に興味は無いかい…!って文字を書きすぎてクタクタになったノートと更にたくさんのノートを持って差し出す類。あのガンギマリ目をしてる類に詰め寄られプレゼンされる司は戸惑いながらも泣きそうな顔で笑いながら、是非聞かせてもらおう!と応える世界線を幻視した。


 尚様子がおかしくなった類(平常)を見て最初はびっくりするけど、どこかぼんやりすることもなくなって更に楽しそうになったから、まあ楽しそうならいいか!それに今でも仲良くしてくれるし!で幸せならOKですしてくれる三宅くん達。

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