【号外】
百獣海賊団 麦わらの一味傘下に
ワの国の支配権委譲 新たなる四皇の前線基地か
(海軍本部)
部下「元帥、元帥!」
サカズキ「何じゃ、騒がしい・・・」
部下「こちら、今朝の号外です・・・・!一面に、」
サカズキ「分かっちょる・・・・ご苦労だった」
部下「は、はっ!」
ボルサリーノ「これは・・・不味いねぇ~」
サ「厄介ごとばかり持ち込みおって・・・・」
ボ「イッショウとアラマキを派遣してまでしても・・・・進撃は止められない」
サ「マリージョア近辺の被害状況調査は進んどるか?」
ボ「世界貴族に関しては被害はなし・・・その代わり研究施設並びに軍事基地、そして本来は本部が保有している戦力も3割弱が死傷・・・らしいね」
サ「よくもやってくれたわ・・・・一度ならず二度までも!」
ボ「例の新兵器は投入するのかい?」
サ「当然じゃ・・・・事ここに至りては奴等もれっきとした「四皇」と見做し、相応の戦略をとらねばならん。奴等は今何処にいる」
ボ「彼等は逃げ足が速いから・・・・」
サ「お主がそれを言うか。見失ったとしても何かしらの手がかりはあろう」
ボ「彼等の逃走経路から見るに・・・・エッグヘッド方面は確かだよ」
サ「・・・ガープさんはどのくらい連れて行った?」
ボ「いつもの船1隻のみ」
サ「・・・よし、エッグヘッド周辺海域の軍艦に伝達、できる限りの戦力を結集せい、今度こそ奴等を仕留めてくれるわ!・・・ボルサリーノ、頼めるか」
ボ「勿論」
サ「此度はあの方も来とるぞ」
ボ「大丈夫だよぉ~・・・・わっしも面識はあるからねぇ・・・それこそガープさんみたいなことはしないから安心してくれて良いよ」
(インペルダウン)
ドフラミンゴ「・・・・?!!!」
おつる「まぁそうなるのも分かるよ・・・私も最初は目を疑ったもんさ」
ド「・・・・誤報じゃねぇのか」
つ「生憎だが、これが現実さ」
ド「そうか・・・そうなのか・・・フッフッフッ、フッフッフッフッフッ!」
「流石“麦わら”・・・・!流石神の天敵!このおれを引きずり降ろしたのだ、これからも暴れてもらわなきゃなぁ!」
つ「・・・・・・」
「これからが楽しみだ・・・・かつての四皇と迎え入れたとなれば世界も大きく動くぞ・・・!良い、良いぞ、これこそが新時代だ!フッフッフッフッフッ!」
「奴等がこの世界を覆してくれる!楽しみになってきたなぁおつるさんよ、まだまだ退屈はしねぇ」
「今奴には古代兵器への手がかり、Dの意志、歴史の真相への鍵、滅んだはずの一族、全てが揃っている。この世界は必ず崩れるぞ、あの台風は誰にも止められねぇのさ!」
つ(付きものが落ちた、とも言えるのかねぇ・・・・)
(海賊島ハチノス)
クザン「ティーチ」
ティーチ「クザン!丁度良かった、この前拉致したコビー大佐についてなんだが」
ク「あー、今それどころじゃなくなってんだわ」
テ「何かあったのか?」
テ「・・・・・・カイドウ?!」
ク「「百獣海賊団」がそのまま傘下になった。今やワの国もアイツらの縄張りだ。少し不味いんじゃないの」
テ「あー、まじか・・・もう暗殺するしかねぇと思ってたのにこんなやり方あんのかよ」
ク「・・・暗殺?」
テ「お前なら既に知ってると思ってたんだがな、海軍大将?」
ク「・・・昔の話だよ」
テ「しかし、逆に好機だな。一戦終わらせた直後だからすぐには奴等も動けねぇはずさ・・・今のうちだ、お前には万国のお土産を任せようか!」
ク「・・・三つ目族、か」
テ「「歴史の本文」獲得に関しては奴等がリードしてるからな・・・ここらで巻き返しの一手を張らせて貰う!殺すんじゃねぇぞ、生け捕りでな」
ク「分かってるよ」
(ワの国周辺海域上空)
リンリン「・・・・・・」
「・・・・・・・・・!!!!!」
「カイドウ~~~~~!!!!!!!」
「このおれを差し置いて勝手に敵と手を結んで余生を楽しもうだなんて随分と偉いご身分じゃねぇかぁ?!」
「同盟に誘っておいて仁義を忘れたわけじゃねぇだろうなぁ!!」
「そしてコイツ・・・・ “麦わら”・・・!」
「忘れてなるものか・・・・・・あの口惜しさ!」
「「四皇」陥落? “麦わら”に二度目の敗北?好き勝手書きやがって・・・・!!!!」
「必ず見つけてぶっ殺してやるからなぁ~~~!!!!!」
「どぉこぉだぁ~~~~~!!!!カイドウ!!! “麦わら”ぁ~~~~!!!」
ナポレオン「ひぃ~・・・ママ怖いよぉ」
(同じく、ワの国周辺海域)
キッド「あ”ァ?!カイドウがあのバカザルに降ったぁ?!」
キラー「「世経」も他の新聞も一面に大きく載せてある・・・どうやらこの前のマリージョア急襲も含め全て本当の出来事らしい」
キッド「何考えてやがるアイツ・・・・仮にも死合った同士だってのによ。カイドウもカイドウだ、いよいよボケてきたか?」
キラー「両人の間に何があったのかは分からないが・・・少なくとも急襲の一件から考えるに、現在アイツらの船で保護されているというあの実験体とやらで利害が一致したのだろう。一体どのような関係があったのかまでは分からないが」
キラー「恐らく、「歴史の本文」に関わっているか、それとも政府の裏側に関わるものか・・・」
キッド「どちらにせよ、先手は打たれたってわけだ・・・・おい、急げ!早くこの海域を出るぞ!」
キラー「負けてられないな、キッド」
キッド「あぁ・・・・これ以上は調子に乗らせねぇ、 “火の傷の男”に最初に会うのはおれ達だ!」
部下「兄貴!兄貴!!」
ジンベエ「む、どうした?」
部下「こ、これ・・・・」
ジ「やはり、か」
部下「知ってたんですか?」
ジ「うむ、ワシと相対したフーズ・フーが言っておった・・・太陽神“ニカ”の話をな。そしてカイドウは強者に限っては勧誘の姿勢を見せる・・・・・・ “ニカ”の力に、何よりもルフィの底力を見て納得したのだろう、己の求めていた人間とは彼なのだと」
部下「もうあの船いつ消されようともおかしくないですよね」
ジ「ウム、そうじゃな・・・政府が隠してきた伝説の実、存在すら否定された一族の末裔、世界最強の男、Dの一族、海軍の裏を知る者・・・益々厄介じゃろうな、政府からしてみれば」
部下「恐ろしい時代になりましたね」
ジ「確かにの・・・だからこそ、魚人島の皆のためにも、エースさんためにも、彼等を死なす訳にはいかぬ」
ウソップ「へぇ~あれがワの国かぁ」
ナミ「どうやら、あの滝が入り口らしいわ。どうやって入るのかしら・・・」
ロビン「・・・・いつも有り難う。はい、お金」
チョッパー「ロビン、新聞か?」
ロビン「えぇ、今日の朝刊・・・・あら」
チョ「ん、どうしたんだ・・・・・え”ぇ~~~~?!」
ウ「どうしたんだよチョッパー、そんな声上げて・・・・ほわぁぁぁぁ?!」
ロ「流石新たなる「四皇」ね・・・・」
ナ「ただの無鉄砲さが出ただけだと思うけど・・・気に入った人を誘うのはアイツらしいわね」
チョ「ルフィもローも、騙されてねぇかなぁ?!」
フランキー「知らねぇうちに凄ぇ大海賊になってるじゃねぇか!負けてられねぇな、船長?」
ウ「いや・・・ここまで競うつもりは・・・・」
(ワの国)
錦えもん「モモの助様、こちらを」
モモの助「かたじけない・・・・フム」
錦「どうやら、うまくいったようですぞ」
モ「拙者の考えも悪くはなかっただろう、錦えもん」
錦「ハッ、その通りでありました」
モ「しかし、お主等が懸念することもわかる。今わが国が労働力として保護している「百獣海賊団」の一部も、決定した当時は強い反発があったからな」
「全てはこれからじゃ。両家の因縁、荒れ果てた国土、帰らぬ人々・・・この国は長らく止まっていた。もう一度、動かさねばならぬ。それこそ、父上やお主達が願い続けてきた平和なワの国に戻すために。この事件はその第一歩となるであろう」
「錦えもん、この国は美しいな。拙者等はこの美しき景色を、国を、人々を。忘れてはならぬ。信じられぬ時もあるであろうが、拙者を信じてついてきてくれるか?」
錦「勿体なきお言葉・・・!この錦えもん、赤鞘の同胞と共に!モモの助様に付き従う所存!」
モ「うむ、大義!・・・・早速で悪いのじゃが、その・・・・うむ・・・」
錦「如何致しました」
モ「・・・・おそばマスク・・・・」
錦「・・・・むむ?」
モ「その、お主の能力で、拙者をあのおそばマスクのような格好に・・・」
錦「サン五郎殿のですか」
モ「えぇい、何度も言わせるでない・・・・その・・・拙者もなってみたいのだ、服装だけでも・・・・」
錦(成程、サン五郎殿の活躍に憧れたのか・・・・朝刊にも載っていたからな)
「その様なことでしたら、いつでもお受けいたします」
モ「さ、左様か!ゴホン、それでは夜になってからで頼む。今は政務があるからの」
錦「・・・・拙者としたことがつい忘れておったわ、モモの助様は未だ8つであった・・・・」
(あのカイドウですらも最後には一人の男として認めていたものだから、拙者も思い込んでおった)
「余り無理をさせるのも良くないな」
「・・・・・拙者はいつだってお主の側におるぞ、モモの助」
(とある海域)
うるティ「あぁ~~、ぺ~たぁ~ん」
ページワン「今度はどうしたんだよ、姉貴」
う「ぺーたん」
ペ「おい、寄りかかるなって、落ちる落ちる・・・」
マリア「フフ、やっぱり寂しいのね」
ササキ「まぁ何だかんだと言って頼りにしてたカイドウさんがあっち行ったからな。警戒心の強いキングも絆されたし」
マ「ホーキンスもお仲間さんと一緒に去って行ったからね・・・」
サ「静かになったな・・・」
マ「カイドウさん、彼等のこと結構気に入ってたらしいわよ?空島に自殺しに行った時に会ったと話していたけど、いずれは私達の席に入れるつもりだったらしいわ」
サ「あー確かに酒が入ってご機嫌の時はそんなこと漏らしてたな・・・「アイツらは必ず大きく成長する・・・いずれはロックスも超えるだろう」って」
マ「そういえば、昔キングも会ってきたらしいわよ」
サ「え、そうなのか」
マ「彼は余り自分の事を話さないから・・・・シャボンディ諸島に視察しに行ったんですって。口では何だかんだと言ってたけど、結構見込んではいたみたい」
サ「あいつは天性の人たらしか?」
マ「そこは分からないけど・・・・・・でも、私達がカイドウさんに未来を見出したように、カイドウさんもまた、あの子に希望を見出したんじゃないかしら」
サ「まぁ溜め込む人だったからなぁ・・・そこは安心してるよ」
マ「というかキングってイケメンだったのね。私マリージョアで始めて見てしまったけど正直アリ」
サ「はぁ」
マ「・・・・あら、そういえばフーは?」
サ「色々と拗らせたくらい憧れてたのに会えたらしくて自室で放心してるよ」
(エルバフ)
ベックマン「お頭、元気そうだな」
シャンクス「聞いてくれよベック、ルフィとバギーがいよいよ「四皇」だ!おれと一緒になったぞ!」
ベ「 “黒ひげ”もだがな」
シ「いやぁ昔から意見は合わなかったが、いずれは一緒に船出したかったんだ。ラフテルにも一緒に行こうって。叶わぬ夢と思ってたが、今なら「四皇」同士の同盟で・・・」
ベ(綺麗にスルーしたぞ)
シ「それにロジャー船長の帽子を預けたルフィもいよいよ海賊王に王手だ!いずれはおれ達とも戦う日もくるだろうが、何処まで成長するか楽しみだぞ!」
ベ「そうだお頭、そのルフィのことなんだが」
シ「どうした?」
べ「これ、朝刊だ」
シ「え?これじゃないのか」
べ「お頭がさっきまで読んでたソレは数日前のヤツだ。まだ酔いが覚めてないんじゃないか?」
シ「・・・ベック」
べ「どうした」
シ「なぁベック、おい、ベック」
べ「聞こえてるよ」
シ「これ、本当か」
べ「マジだ。この前マリージョアまで攻めてきたんたぞ、知らないのか」
シ「知らなかった・・・・・・」
べ「しばらく飲酒禁止な、ホンゴウにも言われてたし丁度良い」
シ「てかそれどころじゃねぇ!カイドウが傘下だと?!」
べ「らしいな。これでルフィ達と戦うとなると一筋縄ではいかねぇ」
・ルフィの傘下の一人がウチの旗を焼いた
→少なくともケジメをつけさせなければならない
・カイドウを頂上戦争で妨害した
→恐らく本人はその報復を忘れてはいない
・今回カイドウが“一味”入り
→ “ニカ”どころか怒れる世界最強との再戦不可避
シ「なぁベック」
べ「?」
シ「そろそろ謝りに行こうか、頂上戦争のこと」
べ「今更遅いんじゃねぇか」
(そして・・・)
キング「しかし、良いのか」
チャカ「何が?」
キ「えらい書かれようだが」
ルフィ「別に間違ってねぇしな。俺等海賊だし・・・」
キ「・・・・そういやそうだったな、全くらしくないが」
ル「にしし、でもこれで全員揃った!」
モネ「そうね、確か10人は欲しいって言ってたわね」
ゾロ「あぁ、しかもまずは、だ」
サンジ「一応「四皇」にもなったし、ようやくスタートラインか」
ドレーク「というか実質負けなしだと思うのは俺だけか」
ロー「俺もそうとは思ってる」
カイドウ「改めて、よろしく頼むぜ?船長さんよ」
ル「おう!海賊王に、おれはなる!」
(完)