可愛いそうな虎杖くん

 可愛いそうな虎杖くん


(宿儺様あまり出てこない/時系列は宿儺様が好感度爆上げした孤児院の後/他の人も可哀想/会話ばっかり)




 (ほう。随分小僧には "大切な人" が多いのだなぁ……)

「は……?え、どういう意味だよ宿儺!」

(さあな。その足りない脳で考えてみたらどうであろうなぁ?)

「っ……まさか……お前……」

(なんの話やらわからんが、小僧 " は "大切だぞ?)

「まさかっ………」



 次の日

「おはよう、虎杖。」

「ん、あぁ……ひょろひょろが一丁前に挨拶?ウケんね。」

「………は?」


「よう。」

「真希せ……顔しか取り柄がないくせに、どうしてこの学校にいるんですか?AVの方が稼げそうだけど?」

「おい虎杖!さすがに今のは…」

「ハハッ、ぬいぐるみの分際でしゃべってるとかウケんね。しかもナルシストとじゃキモいし。」

「昆布!」

「いやいや、ちゃんと話してくれなきゃわかんないって。…あ、そうか話せないんだったww」


「よう、釘崎……って、どうしたんだ?」

「真希先輩!虎杖が私のこと、/大した術式でもないくせに口と態度だけはデカイ小娘/って!」

「ああ。俺も言われたぞ、ナルシストでキモいって。」

「パンダ先輩も?」

「おかしくないですか?」

「恵もそう思うよな。」

「しゃけしゃけ。」

「狗巻先輩も?」



「もうアイツらは大切な人でもなんでもない。だから、もう……」

(ああ。大切でないなら、死んでも構わぬよなぁ……)

「え……違うなんでなんでなんで……」

(蟻が死んだところで誰も悲しまぬだろう?)

「違う違う違う違う……」


 違うんだ。コイツが、小僧の意識を削く相手は邪魔だ、とか言ったから……だから関わらないようにしただけなのに……


 骨で作られた社の奥、パーカーを着た少年は今も眠り続けている。

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