叫び
だいすき
だいすき
あたたかくてだいすき
おなかが突き破られるような痛さだけど気持ちよくて
とても嬉しくてみんな褒めてくれるんです
それが僕にとっては嬉しくて
たまに………おくすりとか………使ってきましたけど
でもあの人は僕を優しく扱ってくれた
歴史の話とかまだ話し足りないことたくさんあるんです
愛をくれたんです
だいすき
だからお願いします
僕からあの人を引き離さないで
四皇黒ひげがとある島でつかまりまた何処から漏れたのか捕虜として捕まっていたコビー大佐も無事解放され、そのニュースは瞬く間に全世界に広がった
次の四皇が誰になるのか、海軍も緊張感が走っているし海に大量にいる海賊共もその座を狙っている。
また黒ひげが捕まったことに対しては民衆は酷く安堵し、大佐はご無事かと、元気かととても心配している
それに対しての海軍の答えは「健康状態には問題がない為安全が確認され次第職務に復帰する」の返答を出した
確かに健康状態には問題は無い、見た目にはなんの問題もないのだこいつは
問題は、心の方だろう
現に
やめて、あの人は悪くないの
お願いします
僕は大丈夫だから
あわせて
ティーチにあわせて
だなんて診療に来た軍医と取調べにきた少将に泣くように訴えてるがこいつにくだされた結果は「長期間監禁されたストレスからくるストックホルム症候群」と判断され、当たり前だが黒ひげとの面会もそれに関する手紙のやり取りも却下された。
短かったはずの髪の毛は腰の近くまで長くなって丁寧に手入れがされ「あの人に撫でられるのが好きだったんです」と愛おしそうに見る目はまるで王子様に恋する人魚姫のようで。
それならそれを邪魔する俺や海軍はこいつの心を奪った魔女なのだろうか
黒ひげは相変わらず黙秘を貫いている
コビーが何かしら不利にならない様にする為なのか
愛してたから、純粋無垢で真っ直ぐなこいつを
このままだと完全黙秘を貫いたまま処刑されてしまうしあいつは余計塞ぎ込んでしまうだろう。
同行付きの面会も申請はしているが案の定却下される。
極悪人に会うとは言語道断と
だからせめても
「あそこにいた時何してた?どんな話してた?」
と黒ひげとの思い出話をさせることによって一瞬の寂しさを紛らわせる事ぐらいしか俺には出来無いのだ
こいつの悲しい顔は出来れば見たくないのだから。
そうやって話を聞きつつヘルメッポの隠れた片手に持っているのはどこかに通話がつながれた状態の超小型の電伝虫があった
(ヘルメッポさんが持ってる電伝虫は黒ひげの所には繋がっておらず「大事な副官の前ならなにか吐くだろう」って持たされた上層部の所に繋がっている。流石に少佐ににも面会の許可は降りなかった)
(だったらせめてこいつの叫びを聞けっていう小さな抵抗)