古龍アルト②
「よし、これで5箇所のサンクトゥムは全部攻略完了!」
「残るはーーDU、中心部の第六サンクトゥムだけ!」
「はい。それでは『シャーレの全戦力を第六サンクトゥムに集結させます。」
「おそらくこれが最後の戦いになるでしょう。第六サンクトゥム攻略の準備をお願いします……!」
破壊された五つのサンクトゥム。残るは一つのみ。しかし…そううまく行くはずがない
破壊された五つのサンクトゥムが復活し、六つ目の守護者が現れる。
「あ、アズサちゃんあれって…」
「ああ。間違いない、あれはーー」
「「ペロロジラ…‼︎」」
「ヒフミ、ペロロジラはみんなの心の中にいると言っていたのはこういう事だったのか?」
「い、いえ……!そんなつもりではなかったのですが…」
突如として現れたペロロジラに困惑するヒフミとアズサ。そうこうしているうちにペロロジラは眼から光線を放ち、暴れ回り、街を破壊して行く。ビルの上から黒い髪をたなびかせ、小柄な体に似つかわしくない巨大な槍と盾を持った生徒が降ってくる。
「よっ、と…ふぅ…あー、あんた達、困惑してるとこ悪いんだが、アレが何なのか教えてもらっても良いか?」
「え、あ、はい!アレはペロロジラと言ってですね…「…長くなるか?」…なります!」
「じゃあ良いや、アレ、倒して良いのかだけ教えてくれ」
「大丈夫、むしろ倒さなくちゃいけないんだけど…今ここにいる戦力じゃ…」
「わかった、倒して良いんだな」
そう言うやいなやその生徒は槍を振りかぶり…
「オラァッ!!!!!!」
槍を凄まじい速度でペロロジラに向け投げつけた。
「「えぇぇぇぇぇぇ⁉︎⁉︎」」
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「オラァッ!!!!!!」
大方そうだろうと思ってはいたが、倒しても良いやつだということなので、様子見がてら槍を投げつける。ノドカやシグレには銃を使ったほうがいいんじゃないかと言われたが実際にはこっちの方が強い、"本来"の力の6割弱だ。その力で槍を投げたほうが弾丸なんぞより余程威力が出る。
「ピギャアアアアアアアアアアアアアアアアア!」
バケモノに槍が突き刺さり、化け物が叫び声をあげる
「うーん……刺さりはしたが倒せないか…」
流石に槍を一本投げつけた程度で殺せるようなサイズじゃないのはわかっていたが…まぁ良い。普通の物理攻撃でダメージが通るなら問題は…
「わ、私たちもそちらに合流します!すみません!そこのあなたもついてきてもらえますか?」
どうやら他の生徒と協力して奴を叩くようだ。ならばそちらに協力したほうが効率的。
「あぁ、大丈夫だ。俺はレッドウィンター1年生,古龍アルトだ。よろしく」
「行くよ!アズサちゃんしっかり捕まって!」「ああ!」
「あなたは…」「走ってついて行くから問題ない。」
「わかりました!」
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ペロロジラの前に美食研究会の面々とヒフミ、アズサ、そしてアルトが集結し、第六サンクトゥム攻略戦が始まった。戦場を弾丸と少女が駆け回り怪獣を吹き飛ばす。
「吹き飛べヒヨコモドキ!」『ペロロジラです〜‼︎』「…吹っ飛べペロロジラ!」
「あの方やりますわね…」「そんなことよりビーム来てるよ!」
怪獣が放つ光線を避け、払い、再度痛撃を叩き込む。弾丸や光線が飛び交う中槍と少女が跳ね回る様子は異様であるが、色彩が再現した怪獣を少女たちが圧倒している事実は変わらない。そのようにしてダメージを与え続けた末に…
ーーーピギャアアアアアアアアアアアアアアアアア!
「やりました!ペロロジラ撃破です!」
1人の欠員もなく、目立った怪我も無く第六サンクトゥム攻略戦は終了した。