卍解歓迎決闘編 決着

卍解歓迎決闘編 決着

稲生・紅衣・メメ・虎屋のスレ主

「あっちこっちに檜佐木がおるのう...」

「なかなかきっしょい光景やわ 同一人物が何人も蠢いてんのはな」

なんだかきっしょいと言われて心なしか檜佐木たちが項垂れている様にも見えたがまあよいじゃろ

「ようやく姿を現したか...稲生五席 平子隊長」

「まぁこの状況ではちまちま妨害しても意味は無いしのう 流石にケンちゃんズも同時に同じ人物を発見した時などという稀な状況での動きは学ばせておらなんだ」

継家の始解の射程は80m程度で方向は自由自在ときている...平子隊長は相性悪いじゃろうから吾が出るしかあるまい

「この前のように多量の縛道で押してくるつもりだろうが...」

「いやそれは無理じゃよ...平子隊長が始解を使えばケンちゃんズも吾も使い物にならなくなるんじゃから」

吾は左手の生皮を剥がす...痛くは無いぞ!単に手袋の上から神経の無い皮膚を重ね掛けしておるだけじゃからな

「『散霊手套』という名を聞いて事はあるかのう...?これは石田が着けていた物を涅が再現したものじゃ これをつけて修行をすることで滅却師の高みへ限りなく近づく」

次は右手を顔に当てて...仮面を出現させる 吾も平子隊長もじゃ

「しゃーーーないから力押しさせてもらおか」

平子隊長が檜佐木達を相手に向き直る

「そしてこれが『虚化』じゃ......吾は虚が先じゃから破面化か?まぁ虚化じゃろう」

吾の虚化は超速再生以外は並の虚くらいの性能じゃし仮面は左目付近だけしか出ぬがな

「随分と大盤振る舞いだな稲生五席」

悠長に説明をする吾に多少警戒をしたのか少し距離をとる継家...檜佐木達とも少しは距離は取れたかの

「最後に『堅獄鴉』...これは吾の持つ力をある程度受け継いでいるのじゃが 卍解の際にはその受け継ぐ割合は大きくなる つまりこうなるのじゃ」

──卍解 黒匣堅獄鴉 『撫逆 ろれ倒』

吾が卍解をした際の隙を突き始解の影にて力を奪い去ろうとした継家は逆撫の影響であらぬ方向へと攻撃を手向けていた


「平子隊長が始解をすればお前も鴉も碌に動けないだろうに」

既に継家は全ての方向へと影を伸ばす準備をしている...確かにこのままならそうじゃな

「『散霊手套』を用いて修行をした者は散霊手套の拡散能力無しには暴走する霊子収束能力を制御できぬ...そして今 黒匣堅獄鴉は『散霊手套』を持たぬのに吾の力を受け継いだ...」

吾の手に乗る白い鴉から5mほどの距離にある土やら木やら有象無象が霊子を奪われ形を失い鴉へと変換されていく

無論 吾自身も継家の影も諸共に変容していく

肉が削がれ鴉へと変わり超速再生にて作られてまた削がれる

「さあ我慢比べといこうかのう!吾は割と我慢強いほうじゃぞ!」

「全くもって面倒極まりないな君は!」

吾はそこまで得意ではないが白打にて継家へと襲い掛かった


継家side

「全くもって面倒極まりないな君は!」

気を抜けば一瞬で目やら刀を握る指やらを持っていかれかねないこの状況には嫌気がさす

私の影が鴉へ変わった後に恐らくあの白い鴉が指示をしたのだろうか破道を出鱈目に撃ってくる

<<ハドウノヨン ビャクライ>>

幸いにもこの5mの空間は平子隊長の始解の影響を受けないようで私が躱すのは問題ないのだが...檜佐木君はそうではない

「くそッ!」

檜佐木君は私の策で20人に分けられ一人一人の戦闘力はあまり高くなく息切れも速いはずだ あの鴉共の攻撃でさえ厄介な物だろう...案の定数体もうやられたようだ

稲生五席が打ってくる白打自体は大したものではないが今更になって万全でない体力が足を引っ張ってくる

「動きが鈍ってきたのう!足の筋でも取られたか?」

今の私のように平子隊長の始解さえどうにかできれば檜佐木君も楽だろうが...

──そういえばなぜ私も稲生五席も始解の影響を受けていない?

稲生五席攻撃をいなし...視野を広くとる よくよく見ると見えぬ何かが変容し鴉へと変わるのが見えた

なるほどどうやら平子隊長の始解が変容し鴉へと受け継がれつつ変わったのだろう

「...ここは檜佐木君に賭けるか 檜佐木君は私に賭けてくれたのだからな!」

影を刃に無理やりに纏わせ平子隊長が元であろう鴉を斬っていく

体のあちこちが分解されているが無視して斬っていく

──卍解 花玻璃ノ外典

私は分解する範囲の外に始解にて奪った平子隊長の分身を放った

平子隊長の分身は思考は出来ないが平子隊長の始解の癖はその身についているだろう

どうやら最低限仕事はしてくれたようで平子隊長に一撃を与え仮面を破壊することが出来た

「刈れ 『風死』!」

短期決戦のために虚化したのが裏目に回ったようで檜佐木君はフリーとなった

十人ばかりの檜佐木君おまけの平子隊長の分身が平子隊長を抑え

本物の檜佐木君は私に差し迫っていた稲生五席を投擲した風死で足切りした

稲生五席は力尽き倒れ平子隊長は降参し...場はようやく静かになった


「やったぞ檜佐木君...!」「ああ...!そうだな継家!」

静寂を切り裂き私たちが喜びあっていると平子隊長が

「すまんな~これ一人用なんや 縛道の八十一 『断空』」

と自身の頭の上に壁を作った...何故だ?

「なーんでまだセンセが終わりやって言わんと思う?」

なにか見落としなどあったか...?稲生五席は倒れて動かず平子隊長は動けるが降参済みだ

すると横で私と肩を組んでいた檜佐木君が口を開けたまま空を指を指している...

<<<<縛道の七十五 ゴチュウテッカン>>>>

上を見ると何時ぞや私が何度も潰されたあの柱達が空で待機していた

「稲生五席の鴉が残っとるでー 今まで待機してた分とさっきの戦いで体分解して出来た分が作ったんやな」

「なあ檜佐木君...今からあれはどうにか出来るか?」「...無理だな!」

私たちはそれから死に物狂いで避けつづけ...どうにか勝利をもぎ取った

無論 腹いせに稲生五席の奢りは却下し私が全額奢っておいた 


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