千年決戦編前夜 捜査編
紅衣・メメのスレ主「思うとったよりけったいな壊れ方しとるなぁ」
『一体何があったらこんなことになるんですかねぇ平子隊長』
平子はある事件現場に来ていた。くせっ毛の副隊長を連れて現場を見ているが…とある貴族の家屋がサイクロンでも沸いてでて消し飛んだように倒壊していた
「証言を元にした流れはこうや、まず紅衣の奴がナンパした。そのナンパを本気にしたある貴族の娘が強硬手段で婚姻を結ぼうと行動に出たんや。奇特なことにな」
『...言ったら失礼かもですけどアレと恋仲になるってどうなんですかね』
「まぁ世の中色んな奴がおるからなぁ...まぁそれでこの家屋の中で無理やりに婚姻を迫ったわけなんやけどな。そこでこの家屋に事実上の弾道ミサイルが撃ち込まれた。」
空を見上げてみると雲一つない青空に一つの飛行機雲が千切れて飛んでいた。現世では見たことは何度もあるが尸魂界ではまず飛行機雲は出来ないものである。
「それを察知した紅衣が卍解でミサイルごと押し返して人のいない所まで風で吹っ飛ばした。家屋はその卍解の余波で破壊されてしもうたわけやな。人的被害はなしで倒壊したのは紅衣が自腹きって直すと聞かんらしい。」
『しかし、問題はそこじゃないですよね』
平子でも副隊長でもない声がかかった。三番隊の吉良である。
「そうや。一番問題なのは..."誰もミサイルに対して気づけへんかった"コトや。映像庁の監視もなんもかも改ざんされとったらしいからな。」
『あっ!真子さんも来ていたんですね!』「おぉ棗ちゃんか。破片の方どうやった?」
三番隊はミサイルの破片の回収をして十二番隊に届けてきた後にこちらに来たようだ。
『破片は現在涅隊長が見てくれています。棗ちゃんも今は仕事中だから気を引き締めてね。』
『わ...わかっています』
吉良に少し小言を言われてシュンとする棗ちゃんを堪能していると吉良から質問が飛んできた
『今日は雛森三席はいらっしゃらないんですね。今はどこに?』
「九番隊の例のアレを鎮静化するために女性死神部隊として向かったとこや」
『あぁメスイキの...』
遠い目をしながら吉良が黄昏ていると平子の伝令神機が鳴る。涅隊長からである
『あのミサイルの事について分かったことがあってネ。』
「何が積まれていたとかか?」
『違うヨ。エンジンだが...あれの燃料は"人や虚の魂"そのものを燃料にして飛ぶエンジンだったヨ...しかも燃焼効率は最悪極まる。悪趣味なことだネ?私ならこんな半端な仕事はしないヨ』
「思うとったより面倒そうな相手やな。」
『犯人候補はすでに上がっているようだが...証拠が不自然に"一つも"ないからネ。そちらも頑張ってくれたまえヨ。』
ブチッと返答を待たずに電話を切られる。色々と不穏なこの時期に面倒が重なり平子はため息をついた
『あんまりため息ばかりついてると口から髪の毛が逃げますよ、ハゲ隊長』
「まだハゲとらんわ!いや...まだハゲんわ!」