千年の誤算
羂索ママシコスレ「いってらっしゃい。仁さん」
こじんまりとした一軒家の玄関で、仕事に向かう夫を見送る女性。
一見してなんの不思議もないような普通の夫婦の姿である。
この家には虎杖仁とその妻である香織、そして既に定年を迎えている仁の父親の3人が暮らしている。
夫婦仲は良く、結婚前から2人の関係は近所の人達にも知られていた。
特に香織は人当たりも良く、すぐに周りの人間とも打ち解けていったものだ。
しかしいつの頃からだろうか、彼女の額の真ん中には横一直線の大きな傷跡が目立つようになった。
普通に考えれば事故か、あるいは大きな手術でもしたのかと思われる所だろうが、何故かこの事について疑問に思う者は近所の人達も含めて誰もいなかった。
家族や周囲の人々は、それまでとまるで変わらない様子で接している。
それだけの傷ができたのは一体いつだっただろうか、それすらも誰も口にすることは無かったのであった。
「うん、いってくるよ」
夫・虎杖仁は軽く妻を抱擁して、いつものように家を出て行った。
微笑を浮かべて玄関で見送ってくれる香織の姿も見慣れたものだ。
その顔に僅かな朱が混じっていたことなど、この時の仁は知る由もなかった。
「はぁっ、はぁっ、うっっ」
仁が扉を閉めてからややあって、香織はまるで走った後のように息を荒げてその場にうずくまった。
震える両手は思わず腹部に伸びようとしたが、背後から近づく気配に全身が強張った。
「やれやれ、仁のやつも鈍いもんだ。自分の嫁がどうなってるかも気付かず行っちまうとは、なぁ香織」
「うっ、仁さんは……悪くないです」
香織は背後から歩いてくる人物に対して気丈に振る舞うものの、その表情は険しく冷や汗を流しながら振り返った。
その人物は仁の父親であり、香織にとっては義理の父でもある男であった。
齢を重ねて皺深い顔の老爺であるが、背筋も綺麗に伸びており見た目だけでは年齢を判断できない。
その落ち着いた佇まいは一見すると好々爺のようにも見えるが、その目の奥には好色な光が宿っているようにも見えた。
「さて、と…いつものようにやってもらおうか」
義父は香織にニヤケ面を向けて、歩み寄ってきた。
その態度にはまるで香織のことを気遣う様子もなく、むしろ卑しい目つきで全身を舐めるように見つめている。
香織はその視線に嫌悪感を覚えたが、やがて観念したように震える手で履いているズボンのチャックを外し、そしてゆっくりとそれを下ろし始めた。
「うっ…うぅ……」
やがて香織の白く丸みを帯びた尻とそれを覆う下着が露わになっていく。
それに伴い香織の顔は真っ赤に染まっていくが、義父はその様子を邪悪な笑みを浮かべて堪能していた。
そのまま手が止められることはなく、むっちりとした太もも、そして更に下まで下がっていき、遂に足の先から全てが剥き出しになり、ほんの数分前まで香織の下半身を覆っていたズボンは床に放り出されることになった。
「今日の具合は、どうだ香織?」
「うぅ……さ、最近ずっと……少しお腹が張っている、かも……」
「ほう、どれどれ」
「ひぅっ!?」
義父が無遠慮に香織の下腹部へと手を伸ばす。
その手は香織のへそから更に下へと降りていき、やがて股の間へと到達した。
そこでは、下着の内側それも丁度股間の割れ目に当たる位置から飛び出すようにして棒状のものがテントを張っていた。
さらに後ろの方からは細いコードのようなものが伸び、先端にくっ付いた小さなリモコンが太ももにテープで固定されている。
しかもそれらは、微弱な振動音を発しながら香織の股で蠢いているように見えた。
にやりと、そんな擬音が聞こえるように義父の唇が吊り上がり、とんとん、とその棒の先を太い指で叩く。
「あぁっ、やっ、やめっ……」
ビクンと香織の身体が一瞬跳ねた。
くっくっと笑いながら義父の見透かしたような声が届く。
「嘘をつくもんじゃない。これが気持ちがいいんじゃろ?」
義父は香織の制止を無視して更に指を激しく動かす。
「ほれほれ」と嬲るような言葉を浴びせつつ、指で香織の股から飛び出す物体を下着の上からぎゅっと握り、上下にしごくように擦る。
「ひぃっ!!?いっ、嫌ぁっ!そっ、そこは!!」
女性にとって最も敏感な部位である女陰への直接的な愛撫に香織は思わず声を荒げた。
「くくく、今この瞬間に仁が玄関を開けたらどう思うか、なぁ香織さんよ」
「ヒッ…」
そんな事はあり得ないと思いつつも、玄関の方を探るように目が向いてしまう。
普段仁は忘れ物などするようなタイプの人間ではないが、万に一つ今扉が開いてしまったら言い訳のしようもない。
年老いた義父に、下半身を晒して大切な所を弄り回されている姿を何と言って弁明すれば良いというのか。
徐々に昂っていく快感の中で、香織はこんな事になってしまった原因を悔やんでも悔やみきれないままに思い返すのだった。
虎杖香織、その正体は1000年の時を生きる古い呪術師だ。
羂索という名をもって、今なお一部の者達には恐れられる平安の昔から存在する伝説の人物。
これまでに何度も顔や名前は変わっており、その本当の姿を知る者は誰もいないとさえ言われている。
そんな彼女がここ、虎杖家に嫁いできたのは理由があった。
一つはこの身体からある目的のための器を出産すること。
もう一つは、ついでのようなものだがこの虎杖香織の身体に刻まれた術式を身につけること。
羂索はある秘術を使うことで他人の身体を乗っ取り、更にその身に刻まれた術式さえも使用できるようになるという途轍もない術式を行使できる。
その術式をもって、虎杖香織の身体と、都合の良いことに結婚相手として申し分のない男も手に入れた。
それまで何度となく男や女の身体を乗っ取ってきた経験はあるが、体感的に男性の方が強い術式が発現する傾向があることもあって多くは男として過ごしてきた。
そのため久しぶりの女性の身体であり、出産のためという目的もあって女として性交を行うことに対する興味もひとしおであった。
幸い夫である仁は男性機能に問題は無く、何度目かの行為の末にきちんと身籠ることができた。
3ヶ月もするとお腹も少しずつ膨らみ始め、後は出産予定まで大人しく過ごしていればよい──はずだった。
それは仁が仕事で家にいない時に起こった。
義父が唐突に一休みしていた香織の身体にのし掛かってきたのだ。
「あ、あのっ……何を?」
困惑する香織であったが、義父は答えずにニヤニヤと笑いながら服の中に手を入れてきた。
「っ!?」
夫との行為で開発されつつあった身体だ。
敏感な箇所に触れられた事でかつてはあり得ないような反応を返してしまう。
だが、心の一方でそれを受け入れても構わないと思う気持ちもあった。
既に子を孕んだ事で当初の目的は達せられているのだから、この家にいる意味はもう無いと見なしてもよい。
虎杖家を離れないのは居心地が良いというのもあるが、下手に動いて呪術界にこちらの存在を掴まれると困るというのが最も大きな理由だ。
羂索がこの身体に入り込んだ時、周囲の人間には最低限の認識を狂わせるだけで済ませたのも同様の理由による。
その気になれば一家丸ごと連れ去ってしまうことも可能だったが、それだけの事件を起こしてしまうと術師や高専の網に引っ掛かってしまう可能性も高まる。
彼女の目的が達成されるには少なくとも腹の中の赤子が成長するまでの十数年はかかるだろう。
それが分かっていたからこそ、今の仮初の家庭が崩れることなく無事に出産を迎える必要があった。
ここ数十年で急速に発達したテレビドラマや小説のような、ちょっとした不倫のようなものだと考えればこの義父に付き合ってやるのも悪くないかもしれない。
夫の仁は優しい男で、香織が妊娠したと分かってからは行為を求めるような事はしていない。
かれこれ3ヶ月はいわば孤閨を囲っていたと言ってもいいだろう。
そして器が産まれた後はおそらくすぐにこの家を離れることになるため、もう男女の交わりを行う事は無いかもしれない。
様々な打算や今後の動きを思い描いたことは確かだが、最終的にはこの方が面白そうだという単純な理由だ。
結局その日、香織は義父の求めるままにその身を差し出し、仁が帰るまでの時間大いに交合を愉しんだのだった。
だが、それが間違いの始まりだった。
義父の年齢は60を過ぎていたがその精力は若い仁と比べても衰えておらず、一度身体を許してからは毎日のように香織を求めてきたのだ。
最初は気の向くままにそれに応じていた香織も、次第にこの関係が続くことへの焦燥感と罪悪感が湧き始めていた。
仁には気付かれてはいないものの、出産まではこの家庭を壊す訳にはいかない事と、なにより胎内で成長する子へ悪影響が出てしまっても台無しだ。
義父はといえば香織が既に妊娠しているのをいいことに、何を躊躇うこともなく膣内に何度も精を吐き出していた。
これから更にお腹も大きくなっていくのを思えば、いい加減にこの関係を絶っておくべきだと考えるのも当然だろう。
だが、その時二つ目の誤算が発覚した。
羂索は今義父に掛けている術式を少しだけ調整して香織への欲情を抑えるつもりでいた。
しかし、呪力というものは腹を起点として発生する力である。
それが胎内に別の命が宿ったことで、呪力の循環がそれまでとは全く異なる形となってしまっていたのだ。
それはつまり今まで使えていた術式が適切に行使できなくなることを意味していた。
もし術式を掛け直そうとして今の認識が狂ってしまえば、それこそ周囲の人間をも巻き込む大がかりな事件となってしまうことは十分に考えられた。
まして高専や呪術界から術師が派遣される事態になれば、まともに戦うどころか逃走すら難しくなるかもしれない。
己の体内の呪力が使いものにならないことに気付いた羂索は愕然となった。
だが既に義父との肉体関係はどうしようもない所まで進んでしまっていた。
日中、仁が家を空けている間は香織の身体で義父の手が触れていない部分は無く、大部分の時間は衣服さえも剥ぎ取られ年老いた身体の上で腰を振ることを強要された。
いくら肉体的な年齢の差があるとはいえ、若い女の筋力では義父の力には勝てず、呪力が使えない時点で香織の身体は解放されるのを待つばかりとなっていた。
それだけではない。
何度も肉の交わりを続けた結果、香織の身体はそれまで以上に刺激や快楽に対する抵抗力を失っていった。
ゴツゴツした手でピンと張った胸の先端を摘まれただけで、或いは股間の割れ目に舌を這わされるだけで、香織の身体はいとも簡単に絶頂を極めてしまう程に蕩けさせられてしまっていた。
今では義父が直接触れることさえせずに玩具のような物に貫かれただけで容易く達してしまうこともある。
仁が家にいる内は手を出してくることはないが、夫婦の営みが交わされていないのはとっくに義父の知るところとなっていて、帰宅する寸前で香織の陰部にディルドやローターを貼り付けて次の日まで落とさないよう我慢する事がまるで日課のようになっていた。
こんな生活が既に一月以上も続いているのだ。
「よし、次は尻を向けろ」
玩具で女陰を責めた後は、最近ではこれがお決まりになっていた。
義父に背を向けて散々嬲られ淫水でしっとりと濡れた下着に手を掛けそっと下ろしてゆく。
艶やかな白磁の丸みが照明の下に露わになっていき、それと同時にその奥の窄まりから垂れ下がるものも明らかになった。
「だいぶこっちの方もほぐれてきたみてぇだな」
義父が香織の肛門から伸びるけばけばしい色の細いコードに指を掛け、そして一気に引き抜いた。
「んんっ、ぁんっ」
ニュポンと腸液に濡れて光る親指の先程の大きさをした楕円形のものが中から飛び出す。
初めてこれを挿入された時のことは忘れられない。
数日前、義父がもう何度目かの射精を行った後、香織はふらふらになりながらも裸のままの姿で義父の前に這いつくばった。
お腹の子供に障るからもうこれ以上は許してほしいと、そのような事を言った。
義父もそれには納得したような態度であったが、香織の耳に入ってきたのは信じられない返事だった。
"じゃあ今後は女陰ではなく菊門で相手してもらおうか"
その後、香織の身体はあっという間に太い麻縄で縛り上げられ、義父の前に恥孔を晒して泣き声が枯れるまで悍ましい排泄の穴を穿られ尽くした。
その日から彼女の尻穴には常にローターが仕込まれており、夫の前だろうが家事の間だろうが容赦なく責められることとなった。
そして今では、後ろの穴で義父の肉棒を易々と受け入れるまでに調教は確実に進行していた。
「ああっ、いっ、いやぁぁ…」
一体のリズムで腰を打ちつける衝撃が肛門を中心として下半身に広がってゆく。
それは歪んだ快楽となって背筋を登り香織の身体を電流となって駆け抜けた。
ヒクヒクと痙攣する肉体を、更に責め立てるように義父の陰茎が閉じようとするアナルを掘り返す。
「あぁぁぁっ、あぁっ、はぁぁっ」
もはや何を口走っているのかもわからない程に半狂乱となった香織の身体がバネ仕掛けのように仰け反り、光る汗があたりに舞った。
「うぉぉっ、いくぞぉ!逝けぇ!」
キリキリと強く締め付ける菊門に、義父の肉棒が一瞬膨れ上がったかと思うと、生暖かいものがじんわりと香織の肛内に広がっていった。
やがて息も絶え絶えになった香織が床に倒れ込むと、満足した義父は縮んだイチモツを引き抜きリビングのソファにドカッと腰掛けた。
「ほれお前もこっち来い」
「は……はい…」
腰への疲労で立ち上がることもできない香織は犬のように四つん這いでのろのろと歩き、そして義父の股間の前で足を止める。
「し、失礼します…」
そう言って萎びた黒光りする陰茎に舌を這わせ、アナルセックス後の奉仕をさせられるのだ。
やがて精力が回復すれば再びその欲望は香織の身体に向けられるだろう。
それが何度も何度も繰り返される。
いずれこっちの穴も開発が進んでいき、指で触れられただけでイッてしまうようになるのかもしれない。
だが出産を終えるまでは、いかに惨めで辛くともこの生活から抜け出すことはできないのだ。
(こんな関係が…あと半年…半年も……?)
「おぉっ、んおおおぉぉっ!」
止まらない涙を溢れさせながらも、香織は全裸でフローリングの床に這いつくばり、股間には性具が取り付けられた無様な姿で、口一杯に義父の肉棒を頬張り舌を絡ませて頭を振り続ける。
悪夢のような生活は、まだ始まったばかり───