北の海海賊団　航海日誌

海円暦15xx年x月x日　22:00
気温23℃　雲量2晴　静穏　鏡のよう
設備その他を点検、帆下部の裂け目と食料保存庫の保冷機能の不調を確認、その他は良好

本日15:00頃に●●島の南の港へ入港。
襲ってきた海賊団から奪った金品の換金を4人で済ませた後自由行動、18:00に港に集合し夕食の予定だったがホーキンスが戻らず。探しにいくとマーケットの入り口で島民に囲まれ動けなくなっていた。だから無闇に占ってやるなといつも言っているのに。
ホーキンスを確保した足でそのまま近くのレストランに入った。気の荒い漁師に混じって海賊が多く出入りする島だからだろう、こちらを見て露骨に態度を悪くする店員や客はいなかった。しかし女性店員の服装がやたら薄いことは風紀的問題を起こさないのだろうか。
ログが溜まるまで一週間ほどかかる。その間何事もなく過ごせればいいのだが。

海円暦15xx年x月x日　15:00
気温27℃　雲量4晴　南西の軽風　さざなみ

帆はローが修繕中。食料保存庫は修理業者の査定待ちだが、良い機会だからもっと大型で高機能のものに買い換えてしまいたい。あの偏食家どものせいでこっちは毎日悩まされてんだ、それくらいいいだろう。
『人の相をみるとおれ達の運気が上昇する』らしくホーキンスはまた占いをしに出ていった。今度は面倒が起きないようにドレークがついた。帰り際に修理業者に結果が出たか聞いてくるそうだ。

良い時間なのでローに紅茶を持っていってやろう。そうか、保存庫が戻ってくるまで船で満足に料理出来ないのか……。

海円暦15xx年x月x日　10:00
気温25℃　雲量6晴　南の軟風　小波
12:00～24:00の降水確率37％

今日も誰一人死相は見えない。
食料保存庫は買い換えることにした。ついでに他のキッチン設備も変えたらどうだと提案したらサンジが驚いていた。うお座にとってここ最近の星の並びは変身・心機一転を暗示する。模様替えにはうってつけの時期だ。叶うならおれも配置に口出ししたい。
占いついでに街の情報も集めておいた。世のご婦人達はなぜああも噂話が好きなのだろうか。薬問屋の店主に気に入られたのは大きな収穫だ、医薬品の仕入れはどうしても金が掛かる。

一つ、気に掛かる予感がある。まだ厳密に成文化できないほどに薄く、それでいてはっきりとした質量のある予感だ。できればさっさとこの島を出たいがそうもいかない。大事にならなければいいのだが。

・
・
・

海円暦15xx年x月x日　13:00
気温26℃　雲量0快晴　南の雄風　波がやや高い

帆の修繕が終了。掛け直しているとニュース・クーがやってきた。近くの島で揉め事を起こして逃げた海賊団を海軍が追跡中とのこと。詳しい素性は掲載されていなかったがとんだバカがいたもんだ。

……なんてことを考えていたら水平線の向こうから呑気なライオンが顔を出してきやがった。それとほぼ同時にホーキンスが青い顔で甲板に出て来た。珍しくおれが見つけるのが先だったな。全然嬉しくない。
仕方なしに北の港へ船を移動させた。サンジは買い出しに行っていたため電伝虫で連絡。マリモの顔なんざ見たくないだのレディ達にはご挨拶しないとだの忙しい奴だ。
ログは夕方には溜まるはずだ。気づかれないように出るべきか、いっそ堂々と振る舞うべきか。ドレークは半分諦めたような顔してやがるが、おれはお前らの自業自得に巻き込まれるなんて二度とごめんだからな、麦わら屋！