勝手にSS-嫁実家にて-
「……〜てな感じで、お姉ちゃんお義兄さんと両想いになりたくてずーーーっとお祈りしてたんですよ〜!」
「ご利益があったのねぇ!」
居間に家族の笑い声が上がる。
正月に旦那と一緒に帰ってきたら妹があたしの昔話をした、しかも初詣の時に、当時担当トレーナーだった旦那と両想いになりたくてお祈りしていたことを。
あたしは恥ずかしくて恥ずかしくて、顔が火鉢の箸を当てられたんじゃないかってくらい熱くてたまらない。
妹はまだ何か喋ろうとしていて、これ以上旦那にあたしの黒歴史を知られる前に妹をぶん殴って止めようと立ちあがろうとした。
「……俺も、実家の近くにある神社にお祈りしてたんですよ、エースとずっと一緒にいられますようにって」
しかし、旦那の言葉で動きを止めた。
ついでに家族の笑い声も止まった。
「当時学生だったエースに対して、教育者としてはあるまじき事をしていた自覚はあります。
…けど、エースが居なくなった日常が思い浮かばなくて…だから、エースとずっと一緒に…許されるのなら、エースと永遠を誓う間柄になれればと、彼女と夫婦になるまで、ずっと神様にお祈りしてきました。
だから、エースも俺と同じことをしてくれてたと知って…恥ずかしいけど、凄く嬉しいよ」
思わぬカミングアウトと、ふんわりと笑ってあたしを見つめる旦那に心臓を射抜かれて、あたしは見事旦那に惚れ直してしまった。
「エース、こんな旦那は嫌になっちゃったかな?」
「い!嫌なワケない!!……あたしも…嬉しい……」
「よかった、じゃあこの後、俺達を結び付けてくれた君の神様の所にお礼を言いに行こうか」
「おおお…おぅ…」
あまりにも嬉しく恥ずかしく、あたしの所だけ夏になっちまったんじゃないかと思うくらい、全身熱くなっちまった。
その頃、一部始終を目の当たりにしたカツラギエースの両親と妹は……。
「ちょっとお姉ちゃんを揶揄ってやろうと思ったのに…なにこの……っ空気があまぁぁぁぁあい!!!」
「カァーー!これが都会の惚気かぁ!こっちが恥ずかしくて仕方ねぇや!!」
「寝床は枕だけ2つで布団は1組だけ用意しとけばいいわね」
終わり