勇者アリスの冒険はまだ終わりません

勇者アリスの冒険はまだ終わりません

RD:ケイ生存ルート

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【もしアリス脱走失敗ルート突入時点で、幸運ステータスが1000以上の場合、BADENDの後特殊なルートに入ることが可能となります】

【その際はBADENDの演出が無くなり、更にゲームが続きます】

【というわけで、脱走失敗ルートへ分岐した時点で[幸運1000]を何とか稼げた場合の特殊ルートを見てみましょう】

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アリスが壊れてしまった以上、先生達に勝ち目はありません


キヴォトスの命運は尽きました

勇者アリスの冒険はここで終わりです


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──ここは、何処でしょう

確か私は…フィギュアの中で、辛うじて存在を残せていたはず

方舟を撃ち、反動で消滅しかけたアリスの代わりに消えようとして…

そして先程…私を瀬戸際のところで繋ぎ留めていたフィギュアは、砂狼シロコがアリスに握り潰させ──



ケイ「…っ!?」

目を開けると、そこはアリスと対話した精神空間でした

何故ここに?アリスがあのフィギュアを壊した時点で、私はもうこの世から永久に消えたはず…



いえ、これはまさか…

アリスはアリス自身の手でフィギュアを破壊しました

その時私の情報が、握った際に元々同質の存在であるアリスの手から吸収され、アリスの深層で再度形作られるまで存在を維持できたということでしょうか



…あの大人、先生が行使する奇跡に近い幸運です

しかしアリスの精神空間であるはずなのに、アリス自身はどこにも居ません




「っ!アリス…!?」

私は急いでリアルタイム視点へ接続し、今アリスが行っていることを確認する事にしました

そこには…



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反アビドス連合A「な、なんだ!?流石に馬鹿力が過ぎるでしょ!?ぎゃあああああ!」

B「あんなのに勝てっこない!早く逃げなきゃ…うぐあっ!?」

C「仕方ない…この拠点は捨てるしか…戦闘員は、拠点を捨てて後方へ退避してくださいっ!」



アビドス兵A「ひゅ〜!やっぱ終末装置は格が違うな!」

B「全くです!【アビドスの終末装置】ことアリスさんの活躍には、シロコ様やノノミ様も大喜びだとか!」

A「ああ、確か『自分達の手でお仕置きと再教育した甲斐があった』って仰ってたよな!敵の拠点なんかあっという間に潰せるし、えーっとなんだっけ…?あのレールガンの名前」

B「かつては光の剣(スーパーノヴァ)とかいう名前だったけれど、エンジニア部の方達が大幅改造して今は…

【壊滅の剣(スーパーブレイカー)】

とかいう名前だったはずですよ」

A「なんか心くすぐられるネーミングしてんな!いいぞー終末装置!もっと暴れて反アビドス連合をぶっ壊せー!」


アリス「はい、アリスはアビドスに反抗するすべてをはかいします」


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──私が見たのは、破壊の跡

それはまるで、ミレニアムにてDi:Visionを目覚めさせアリスの意識を乗っ取った際の私と同じような姿でした




アリス貴女は…ミレニアムの仲間が拷問され、挙句私を失ったことで壊れてしまったというのですか?

彼女のバイタルを確認しようとしても、何故か閲覧制限がかけられて確認が全く出来ない状況でした






アリスの自由意志は消えてしまい、今はただ反アビドス連合を倒すための傀儡にされているという現実

私は深い悲しみを覚えると共に…


怒りに震えました



アリスを【終末装置】などという蔑称で呼び、あれほど大事にしていた光の剣をただ破壊し尽くすための武器へ変えた事

勇者の心を潰し破壊者にした事


このような所業…絶対に許しません




アリスは勇者なのです


【名もなき神々の王女】でもなければ

【アビドスの終末装置】でもありません



私は

ケイ「アリスの心を取り戻します…!」






バイタルへの接続が不可能という事は、何者かがアリスの身体を蝕んでいるという事に繋がるはずです

私がこうして形作られる前に、何者かがアリスの中に侵入して正常な思考を奥へ閉じ込め、ただの傀儡にしている…そう考えるべきでしょう


アリスの精神世界から、更に奥へ繋がる道を検索…

くっ!?やはり妨害が…アリスの体内に巣食う何者かの仕業ですね

ならばこちらに誘き寄せるまで…!



相手はアリスの中に謎の反抗分子が居る事に驚いている様子と見ました

ならばこのままアリスのあちこちに接続を試み、精神世界へ引き摺り込めた所で【プロトコル ATRAHASIS】を応用した浄化プログラムで追い出しましょう


アリスには苦しい思いをさせるかもしれませんが、薬のようなものです

どうか耐えてください…アリス…!


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アビドス兵A「…あれ?なんか終末装置の動きおかしくね?」

B「本当ですね、もしかしてガタが来たのでしょうか…リオさん達に相談した方が良さそうです」

A「歩くのやけに遅くなってるし…おい終末装置、大丈夫か?」

アリス「…はい、アリスはせいじょう…です。バイタルももんだいありません」

A「なら良いけどよ。うーん帰るの時間かかりそうだなこの調子じゃ…」

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数分ほど経った頃

遂に私のいる精神世界へ、アリスを蝕む標的が現れました

ケイ「…あなたが、アリスに巣食う病巣ですね」

????「何者だ…?この身体は砂糖を殆ど受け付けぬ故に、わざわざ此処まで来るのは大変だったぞ」

「私はケイと言います。元々はアリスを名もなき神々に変貌させるための「鍵」でしたが、現在はアリスの心を支えるために存在しています」

アポピス「ふっ、ならば名乗るくらいはすべきかな…我が名はアポピス。砂漠に住まい、砂糖を蔓延させ、キヴォトスの全てを掌握する新たな主である」

「…随分と理想が高いのですね。しかしここは、既に私という先住人がいます。どうかお引き取りを」

「無名の司祭が残したオーパーツとやらの力を見せると?…だがそのような弱々しき身体では、存在維持するのも厳しいのではないか?それに、精神世界で我を滅ぼす程の威力を放てばこの身体は」

「いいえ、威力は関係ありません。ただあなたをアリスの体内から浄化する程度なら、容易に出来ますので…

プロトコル【ATRAHASIS】稼働

浄化用プログラムを実行

対象、アポピス及びサンド・シュガー」

「なっ…!?浄化だと!?ようやくこの身体を操れたというのに、こんなところで追い出されてたまるものか…!」

「そう来ると思っていました。この精神世界は今外に出れぬよう封鎖済みです。あなたが私を消滅させられるなら話は別ですが、逃げようとした時点であなたの敗北は決定しました」

「なにぃっ…!?貴様、よくも…!」

「消えなさい毒蛇。この神聖な領域は、お前のような者が入る場所ではない」

【浄化プログラムを実行します】

「おのれぇっ…!我が本体が復活した暁には、貴様をいの一番に消し去ってや…あ゛ぁぁぁぁぁっ!─────」




「…アリスのように言うならば、それは噛ませ犬な敵キャラのセリフというものですよ。アポピス」

アリスの身体に巣食う毒蛇を浄化した私は、体内全てに接続できる事を確認した後アリスの心の場所を検索し…


それなりに予測していましたが、かつて私がアリスの人格を隔離する際使おうと考えていたデータベースの最深部で発見に成功しました








私は鍵の権限を使って、封じ込められたアリスの心へたどり着く


かつてアリスと対話し、先程アポピスを滅した精神世界より更に深い場所にある殺風景な精神の最奥地にて

膝を抱え俯いているアリスが見えました


ケイ「…アリス」

アリス「………」

「もう大丈夫です、貴女の心に巣食っていた毒蛇は退治いたしました」

「…け、い…?」

「私はここにいます」

アリスの身体を抱きしめる

「なぜ、ですか…?だって、ケイは」

「…私にも全て把握できているわけではありませんが、恐らくアリス自身の手で破壊されたことで手を経由してなんとか存在をアリスの体内に移せた…といったところだと予想します」

「…よかった、です…けれど、アリスはもう、戻れません」

「何故ですか」

「…アリスはもう、勇者ではないので…ヒマリ先輩が捕まって酷い目に遭ったのも、リオ先輩達がお仕置きされたのも、ケイを壊してしまったのも…挙句の果てに、反アビドス連合と敵対して、多数の被害を出したのも…」

「全てアリスの責任だから、ですか?」

「はい…たとえ先生達に敵対した原因がアポピスに身体を操られたからと言っても…こんな事態を招いたのは、アリスが勇者でもなんでもない、救うことなんてできないザコキャラだったから…」

「目を覚ましなさい!勇者っ!!!」

「っ…!?」

私は一喝する

「貴女がかつて言ったセリフを忘れたのですか!?ヒーローは最後に世界を救いハッピーエンドを迎えるのだと!」

「…世界を、救う…」

「私を精神世界で倒した時も、赤い塔が降ってきた時も、本船に乗り込み方舟のバリアを私と一緒に破壊した時も!貴女が勇者として戦った記憶は、もう残っていないのですか!?」

「勇者として…」

「ミレニアムの仲間達に攻撃され、強大な相手に敗北し、あまりの絶望で勇者の資格がないと感じる気持ちも…今の私であれば少しは理解が出来ます。ましてや終末装置などと呼ばれ、正義の側と敵対したのであれば尚更です。しかし…」

「…しかし、なんでしょうか…?」


深呼吸をした後、言葉を紡ぐ

「勇者は、道を違えたとしても、どんな窮地に陥ったとしても、それを乗り越え再び正義のために戦ってこそ…勇者なのでしょう?」


「!」

「これは全て…アリス、貴女に教わった事です。まさか教えた本人が、その事を忘れたとは言いませんよね?」

「…そう、です…困難も、窮地も、道を違えても…!勇者は、それを乗り越え、正義のために戦うものです…!」

私は微笑みながら手を差し出す

「さあ、勇者よ。貴女はまだ完全に敗北したわけではありません。今こそ、正義のために立ち上がるのです!」

アリスはその手を取った

「はい!ありがとうございますケイ!」

曇り一つない素敵な笑顔を向けるアリスは、立ち上がり本来の精神世界へと戻る


今度は2人で一緒に

「世界を救いましょう!アリス!」


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アビドス兵A「ちょっと、なんで急に、動かなくなったんだよっ!運ぶの凄いキツイんだけど…!」

B「これは…早急に、治さないと…いけませんね…!」

突如立ち止まって無反応になったアリスを頑張って運んでいくアビドス兵達

するとその時

アリス「…パンパカパーン!」

A&B「「うわああああっ!?」」

「アリスは 勇者の心を 取り戻した!

もうアリスは負けません!今度こそ正義のために戦います!」

A「え、ちょっ…なんだいきなり…」

2人が見たアリスは、不思議なことに光を取り戻した青色だけでなく、左目が紫色に変化しており、何故か口調も安定していなかった

ケイ「アリス、改造されてしまった武装は先生に相談するとして…本当に大丈夫なのですか?今反アビドス連合へ向かうと、これまで破壊者として見ているはずの人達から憎悪を向けられるかもしれません。」

「大丈夫です!ユウカやモモイ達、先生がいるのなら、きっと説得が可能なはずですし…たとえ恨まれたとしても、これから貢献して信頼ゲージを貯めれば良いだけです!」

「…そうですね。それでこそ勇者です」

A「おい終末装置!さっきから急に饒舌になって何の一人芝居してんだ!?早く帰投しないとシロコ様達に怒られるじゃんか!」

B「そうですよ!もう動けるならさっさとアビドスに…ぎゃあっ!?」

A「うげっ!?」

私は煩い2人の首へ素早く手刀を叩き込み昏倒させる


「…アリスは終末装置ではありません。アリスは勇者なのです」

「あわわ…ケイ、少しやりすぎでは…」

「これまでアリスを間違った方向に担ぎ上げた報いです。それと、砂狼シロコを筆頭にアビドスの中枢を担う者達へは、それ相応の仕返しをする予定です」

「うわー!そこまでしないでください!確かにアリスは辛かったですが、仕返しは憎しみが憎しみを生むだけです!」

「…アリスがそう言うのなら、デコピン程度で済ませましょうか」


私たちはアビドスと反対方向へ向かう

今攻撃した拠点に近いであろう、連合の拠点へと…



一時は道を踏み外したとしても


勇者アリスの冒険はまだ終わりません

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[パンパカパーン!]

[【アリス&ケイ脱走成功ルート】へと進行しました!]

[反アビドス連合側のユニットとして、【アリス&ケイ】が追加されました!]

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