効果

効果



※定番続編(特に話の繋がりはない)

※里創設後柱マダ

※配偶者描写無し=捏造

※原作設定との乖離あり

※18禁描写あり

※お口に合わなかったらごめんなさい


部屋に差し込む朝日の眩しさで、火影・千手柱間は目を覚ました。火影の私邸としてこの家を宛てがわれた時から、どんなに疲れていても寝室のカーテンは必ず閉めていたはずだった。浴びることのない日差しに、柱間は朝イチで警戒心を高めていた。

寝台から身を起こし、気配を探る。すると居間のほうから炊きたての飯と魚を焼いた匂いがした。ドッと心臓が脳に、全身に、血を回すのを感じた。異変だった。

念の為、チャクラを練って異変の元へ向かおうとしたが、すぐに寝室のドアが開いた。ドアを開けたのは他でもない、柱間の親友・うちはマダラだった。

「起き抜けにしては中々上出来じゃねぇか」

咄嗟に練ったチャクラ量を、マダラは褒めた。

「本当にマダラなのか?」



ドアを開けたまま黙って居間に戻るマダラを追って、柱間も居間の食卓に着いた。

「……目が覚めたら此処にいてな。玄関からも、あらゆる窓からも外に出られなくて」

「あぁ、それでカーテンが」

「済まんな。それで起こしてしまったか」

マダラは居間と繋がっている台所で、茶碗に飯をよそい、焼けた魚を皿に移していた。

「腹が減っては、なんとやらだ。お前も食べるだろ?」

柱間はマダラに呼ばれて、自分の分の茶碗と皿を受け取った。

ここは柱間の私邸ではあったが、マダラも何度か(何度か、というレベルでは済まないが)泊まりに来ていた。しかし、昨夜は柱間とマダラは異なる任務に就いており、次に顔を合わせるのも3日後のはずだった。

炊いた飯と焼いた魚、それから数種類の漬物という質素すぎる朝食を取りながら、この不可思議で少し幸せなサプライズについて話をしていた。

「……オレはダメだった。あとでお前が試してみてくれ」

「そうだな。だが、鍵は誰にも持たせてないから、オレの力でも開かなければ出られん。壊すわけにもいかんし」

柱間の家が吹き飛ぶところを想像して、マダラは小さく笑った。

「そもそも、前みたいにオレの豪火球でも壊れなくなってるかもしれんしな」

「うーん……それよりもデカい火遁あったろ?それはダメか?」

「お前ん家が吹き飛んでもいいなら、と言いたいところだが滅却でも滅失でも屋内で使ったらオレたちが丸焦げになる」

それは困る、と柱間は沢庵をゴリゴリと鳴らした。



使った食器を洗い、歯磨きをする。柱間は「そういえば」と顔も洗った。ここは柱間の住まいではあるが、マダラの生活用品も置いてあった。

さて、と柱間は玄関扉に手をかけたが、ぴくりとも動かなかった。どんなに力を入れても無駄だった。窓も同様で、怪我を承知でガラス部分に拳を突き立てても、ただ手が痛くなるだけだった。

「……ダメだったな」

2人は朝食を取った時と同じ場所に座った。

「もう、なんなんぞ……」

柱間は頭を抱えた。起きてから続く奇妙な現象に気を取られていた柱間が、ようやく落ち着いてマダラと目を合わせた。

「マダラ……?少し調子が悪いのか?」

弱みを見せない男が、単刀直入に体調不良を問われて眉を顰めた。しかし、柱間の指摘は当たっており、この家に居ると気がついた時から身体中が熱かった。戦闘で怪我をした時のような熱だけが、痛みはなくマダラを襲っていた。柱間と目が合うたび、言葉を交わすたび、この家で幾度も交わした情事をマダラの身体は思い出していた。

「……。お前が起きる前に家中見回したが、以前のような“出る条件”のような奇妙な文言はなかったぞ」

マダラはわかりやすく柱間の言葉を無視した。

「寝室は探したか?」

「いや、お前が寝ていたから、窓を開けようとしただけだな」



柱間が枕の下に手をやると、紙切れの感触があった。取り出して広げると、“媚薬の効果が切れたら出られる家”と書いてあった。

マダラが小さく「マジかよ……」とこぼしたのを、柱間の耳は逃さなかった。

「マダラ、やっぱりお前……」

そっとマダラの前髪をかき分け、頬を撫でた。そのまま頬に手を当てたままでいると、柱間は手のひらにマダラの熱を感じた。

マダラが力無く言う。

「気のせいだと思ってたんだ。しばらく経てば収まるだろうって」

確かに、と柱間は相槌を打った。以前は“目合いをしたら”と明確な条件が示されていたが、今回は“媚薬の効果が切れたら”と、時間の長さがよくわからないものだった。そしてその媚薬はおそらくマダラにだけ投与されているものだった。5分後に切れるかもしれないし、数日間効果が続くかも柱間には分からなかった。赤い顔で絶望を浮かべるマダラにも、自分の身体の変化の持続時間は見当もつかないのだろう。



「放せ!今回の条件読んだだろ!お前は何もしなくていいんだ!」

マダラの声が柱間の寝室に響いた。マダラの両腕をガッチリと掴んだまま柱間が拒否する。

「明らかにつらそうなお前を放っておけるか!一度達すれば落ち着くかもしれんし」

「それならオレだけでいいだろ!あっ!」

柱間はマダラを寝台に押し倒し、その乱暴さの詫びをするような優しく触れるだけの口付けをした。

大人しくなったマダラは、頬と耳まで真っ赤にし、ギリギリ落ちないところまで涙を溜めた目で柱間に訴えた。

「柱間、頼む……」

柱間は平時のマダラからは絶対に引き出せない言葉と表情を見て、マダラには申し訳なく思いつつ嬉しくなった。

「うんうん、いま抱いてやるからな〜」

「ばか、違う。お前だけ普通で、オレだけおかしいのヤダ。見るな。たのむ……」

悪い感情を持っていない者ですら、「プライドの高い男」だと判定されるほどプライドの高いマダラが、自らの身体の変化に混乱し、かつての敵に懇願している。その姿を見て柱間は、じわじわと全身に加虐心が広がっていくのを感じた。



寝室の扉が閉められ、日の光もカーテンで遮られる。部屋の明かりも消したまま。

昼前だというのに、薄暗い中、マダラの苦しそうな吐息だけが聞こえた。その吐息に、柱間、と力ない声も混ざっていた。

柱間は熱く腫れあがったマダラのモノを口に咥え、舌で愛でていた。マダラを一糸纏わぬ姿にすると、苦しそうにビクビク震えていたそれを見た瞬間、柱間はマダラの静止を一切無視して愛で始めていた。

マダラは自分の股間に顔をうずめる柱間の髪をがっしり掴んだ。マダラ本人がそう思っているだけで、掴まれた柱間にとっては子猫の戯れのごとくくすぐったいほど弱々しいものだった。

マダラは一際大きく柱間の名を呼ぶと、そのまま柱間の口の中で果てた。吐き戻せ、と言うマダラの声を無視、というより聞こえていないのか、柱間はごくんと喉を鳴らした。柱間の上下した喉仏に、マダラは色気を感じた。

「大丈夫か?少し性急だったかもな……」

いつのまにか頬を伝っていたマダラの涙を、柱間は指で拭った。口淫をした後はマダラが口付けを嫌がることを柱間も承知の上だった。



媚薬の効果というものを柱間は疑っていたわけではなかったが、いつものマダラとは違うと確信した瞬間があった。

少し準備をして正常位で挿入をされたマダラが、自ら柱間に深い口付けをしてきた。口淫からそれほど時間を置いていないタイミングで、それもマダラから、どちらの舌か分からないほどの激しい口付けは、酒の勢いでの目合いでも絶対にありえないものだった。

それからのことは、柱間もよく覚えていなかった。

「もっと」とも「やめろ」とも捉えられるマダラの声が聞こえた。マダラを案じながらも、かき立てられた欲望に従う柱間だった。

まるで自分にも、マダラの正気を奪った媚薬の効果が出ているようだと思ったのは、柱間がマダラの中で四度達したときだった。

汗も、他の体液も出しきってしまったからそろそろ何か飲まないと倒れてしまうと思った柱間は、そっとマダラから離れようとした。

「はしらま……?」

マダラは寝台から降りようとする柱間の手を引いた。柱間は、マダラの仕草で弟たちの幼い頃を思い出した。

「水を持ってくる。お前もオレも色々出しすぎたからな」

「……うるせぇ」



水の入ったお揃いのグラスを持って、柱間は寝室に戻った。柱間用のグラスには氷が2つ3つ浮かんでいた。マダラは常温の水を好んでいた。

柱間の目に、窓から吹き込む風に長髪を揺らすマダラの姿が映った。

あっ、と溢れた柱間の声にマダラは振り向く。

「なんか分からんが、多分出られる。けど、夜になってるだろ、これ」

マダラの表情には、強い疲労が見えていたが、安心や満足の色もあった。

「ってことは、もう平気なのか?」

氷の入っていないグラスをマダラは受け取り、その水を一口飲んだ。

「ああ。おかげさまでな」

皮肉なのか、本心からの感謝なのか柱間には分からなかった。が、とにかくマダラが己の熱に狂ってはおらず、外出ができるようになったことに胸を撫で下ろした。



翌日、そのまま一夜を過ごした柱間とマダラは、一緒に迷惑をかけたであろう者たちに謝罪行脚をした。

最も迷惑と心配をかけたであろう柱間の弟・扉間からは、雷か拳骨が落とされる覚悟を2人ともしていた。しかしその覚悟に反して、扉間は冷静だった。

「朝から兄者の姿が見えないことはこれまでも多々あった。が、感知をすればどこで寝ぼけているのか分かったから遣いか飛雷神で起こしに行けた」

との証言に、マダラは柱間に「あまり弟に迷惑をかけるな」と小言を挟んだ。

「昨日は兄者だけでなくマダラもどこにいるのかさっぱり分からず、昼前に一度兄者の家に行ってみたが不気味なほどなんの反応もなかったのでな。何かあったのだろうと思ったが、この2人が揃って死ぬことはないだろうと、明日までの兄者の予定は調整しておいただけだ。幸い、火の国の大名が体調を崩されたそうでな、会合も先延ばしになった」

「……ということは、明日までオレは自由か!?」と柱間は目を輝かせた。

「兄者よ、まだまだ里には少しでも前倒しでやらねばならんことがある。マダラからも言ってやってくれ」

「こればかりは扉間が正しい。オレたちの夢のためだ」

マダラがそう言うと、柱間の顔がスッと引き締まった。

「そうだな。昨日やるべきだったこともあるだろうし……だが……」

じっとりとした柱間の目線を感じたマダラは「分かった分かった。元々約束してた明後日は、オレの家に帰って来いよ」と誘った。


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