前スレまでのまとめ3
「ハッ!」
迫りくるクダック軍団。それらを腕の一振りで時間ごと制止するのは――仮面ライダーツクヨミ。
「デェヤアア!」
[ゲイツリバイブ・疾風!]
時の止まった軍団の中へと突入し、超高速で斬り付けてゆく青き残像――仮面ライダーゲイツリバイブ・疾風。
「ゲイツ君、それでは手間だろう?私に任せたまえ」
[ファイナリービヨンドザタイム!水金地火木土天海エクスプロージョン!]
そしてそれを高台の上より俯瞰し、ビヨンドライバーを操作する仮面ライダーウォズギンガワクセイフォーム。
すると、流星の如くエネルギー弾が軍団の頭上より降り注ぎ、爆発を起こす。
[ゲイツリバイブ・剛烈!]
そしてその中から無傷で立ち上がる、剛力の戦士――ゲイツリバイブ・剛烈。
「ウォズ……お前ぇ!?」
「すまないねゲイツ君。だがこれぐらい君なら平気だろう?」
「だからと言って躊躇なく巻き込む奴があるか!」
「ハイハイ二人とも、ケンカしないの」
言い争う二人を、いつものことだと諫めるツクヨミ。
「ふ、ふざけた奴らだ……だが今のうちに逃げーー」
そんな様子を物陰より伺っていた影がひとつ。敵幹部が一人、バードトピアの軍師オウルだ。
元より直接戦闘の得意でない彼は、この隙に逃げてしまおうと画策していたのだが――
「ヒィッ!?」
しかし まわりこまれて しまった――彼の背後には、いつの間にか仮面ライダージオウ オーマフォームが立っていたのだ。
「ねぇ知ってる?魔王からは逃げられないんだってさ」
そう言いながら彼はサイキョージカンギレードを構え、振り抜く。
[キング!ギリギリスラッシュ!]
「ワッ……ぐぁぁぁぁーッ!」
『ジオウサイキョウ』の文字が記された巨大な光刃が、オウルを切り裂き仕留めた――
「シッ!シッ!シッ!」
ワン。ツー。ストレート。鋭いパンチを繰り出すのは――クマトピアのボクサー、パンチャム。
「……」
その連撃を黙って受けているのは――仮面ライダーエグゼイド ムテキゲーマー。
「オラオラどうした?俺様の強さに手も足も出ねぇか!」
何の動きも見せないエグゼイドに対し、調子のよい言葉を吐くパンチャムであったが――
「もう気は済んだ?」
それは大きな間違いであった。何もできなかったのではなく――何もしなかったのだ。
はぁ、とため息をつき吐き捨てるエグゼイド。
「なっ……何を強がりを!」
あまりにも冷淡なその口調に少し委縮しつつも、彼はまたパンチを繰り出す――
「ぶげっ……!?」
が、それが当たることはなく。彼は逆にエグゼイドの右ストレートを顔面に喰らい、ゴロゴロと地面を転がっていた。
「どうした、来ないのか?」
そんなパンチャムに対し、両手を広げてのしのしと歩み寄るエグゼイド。
彼は大切な担当――トウカイテイオーを危機に晒し、仲間である九条貴利矢を一度その手にかけたブンプクら首謀者に対し、内心はらわたが煮えくり返っていたのだ。
「調子に乗るなよ……!ただのやせ我慢のくせをしてーーっ!」
尚エグゼイドに向かってゆくパンチャム――そんな彼に対し、
「これで終わりだ……!」
[キメワザ!]
エグゼイドは淡々と必殺技の発動体制に入る。
そして全身が黄金に輝いたかと思うと、瞬時にパンチャムの視界から消え――
[ハイパー!クリティカルスパーキング!]
目にもとまらぬ連続キックが、ありとあらゆる方向から浴びせられた。
しばらくして元の位置に戻り、パンチャムに背を向けるエグゼイド。
「な、何のこれし、きっ!?ぐ、うわぁぁぁぁーっ!」
少し経ってから、《Hit!》のエフェクトが無数に出現し、彼の身体が宙に浮いてゆく。
《Perfect!》が表示されると共に、パンチャムは敗北――爆発四散した。
[究極の一発!完全勝利!]
「くっ……!」
そして一方、仮面ライダーリバイ。
「ほらほらどうしたのぉ?威勢がいいわりには随分弱っちぃじゃないの!」
現在シャムダンと交戦する彼であったが、苦戦を強いられていた。
それもそのはず。今の彼は本来の実力が発揮できないのだ。
「大丈夫か?」
そんな彼のもとに、ビルド ジーニアスフォームが援護に入る。
ダイヤモンドのような障壁を展開し、シャムダンの放つ光弾をことごとく防ぐビルド。
リバイの不調の原因――それは相棒であるバイスの不在にあった。かつての戦いを経てバイスが消滅してしまった今、リバイは本来のスペックの半分の力も出すことができないのだ。
それを歯がゆく感じ、拳を握りしめるリバイ。そんな時――
「しょうがないなぁ、一輝くんは」
彼にとって聞き覚えのある陽気な声が聞こえた。
「バイス……!?」
それは紛れもなく、あいつ……仮面ライダーアルティメットバイスであった。
「ヘッヘッヘー!呼ばれてないけど飛び出しちゃいました!」
「お前、何でここに……?」
「あ、聞きたい?実はさ……あっ、回想入りまーす」
「あれ?ここどこ?」
――気が付くと、バイスは真っ白な空間の中にいた。周りを見渡しても、何もない。
「おーい、誰かいませんかー?」
彼が試しに声を上げると――
「こっちだよ」
なんと、返事が返ってきたではないか。
「わぉ、バイスちゃんビックリ!」
そこからともなく聞こえたその声は、彼を誘うようであった。その言葉に従い、歩き出すバイス。
「こっちこっち」
そうしてしばらく経つと、景色が変わった。そこには、無数の惑星が泡のように浮かぶ空間が広がっていたのだ。
「ワハハーっ!なにこれスッゲー!」
「ほら、こっ……えっちょっ、あ……こらっ、触らないの!」
「え?アラ、アラララーっ!?」
興味本位でその中の一つに触ってしまったバイス。すると眩い閃光が巻き起こり――彼は消えてしまった。
「あっちゃあ……ええと確か、あそこは……」
声の主は奔放な彼の行動に驚きつつ、そう呟く――
「……知らない天井だ」
そしてバイスが再び気が付くと、彼はどこかの店の椅子に座っていた――
「……ご注文は?」
そんな彼に対し、カウンター越しから短く問う店主。
「え?ほんじゃあねー……えーと、おっ、これで!」
バイスが指差したのは、《きびだんご 時価》の文字。
それを見た店主は短く、
「いいよ」
と返す。
しばらくして、きびだんごが出される。
「いっただきまーす!」
マスクを外し、きびだんごにありつくバイス。
彼がそうしている中、店主はおもむろにテレビの電源を入れた。
瞬間、映し出される映像にバイスの眼はくぎ付けになっていた。
「えーっ!ちょっとナニコレ!?あれ一輝じゃん!?何で!?」
そこに映っていたのは、苦しい戦いを強いられる仮面ライダーリバイの姿。
「やばいやばい、苦戦してんじゃん!俺っちも助けに……行けないんだった!」
そう、彼は既に消滅した存在――手を出そうにも出せないのだ。
バイスが一人騒ぐ中、店主が呟いた。
「行けるよ」
「へ?」
「助けに行けるよ」
「ウソでしょ!?」
「ホント」
「絶対ウソ!」
「ホント」
「あっち」
しばらく問答を繰り返したのち、店主は奥にあるドアを指差す。
「えっマジで……なら早速!」
こうしちゃいられないとバイスは立ち上がり、そこへ向かう。
「あ、どもー」
途中ですれ違った女性店員に軽くあいさつし、横を通り過ぎるバイス。
そして彼はドアを開き――眩い光の中へ消えていった。
「……え、何今の。着ぐるみ?」
そんな彼を見送った店員は呟く。そして次の瞬間、その瞳が光り輝き――
「ふふ、どうもありがとう。僕からじゃ直接、手を出せないからさ。助かったよ」
「いいよ」
「――と、いうことがありまして」
「ええ……?」
そして現在。一輝へ経緯を説明し終えたバイス。そのあまりに荒唐無稽な内容に困惑する彼であったが、すぐに気を取り直し、拳を突き出す。
「とにかく、今は一緒に戦えるんだよな」
「おうともよ!」
「へへ……よーし、沸いてきたぜ!」
「ちょっと、さっきから何無視決め込んでんのよ!」
同時に、すっかり蚊帳の外となっていたシャムダンが叫ぶ。放たれる光弾。
が、最早彼らにそんなものは通用しない。
「「一緒に行くぜ!」」
何故なら二人は――揃えば最強なのだから。
同時に駆け出し、シャムダンへ強烈な一撃を浴びせるコンビ。
そんな光景を見ていたビルドは彼らへと駆け寄り、言う。
「お前ら、最っ高だな!」
「ヘヘッ!あったりまえだろ?俺と一輝はベストマッチなんだぜ!」
「ベストマッチ、か」
その言葉を受け、ビルドは「まるで俺とば……」とまで言って咳払い。
「とにかく、勝利の法則は決まったみたいだな!一気に行くぜ、リバイス!」
言葉を濁し、音頭を取った。
「ああ!」
「おうよ!」
そして三人は各々のドライバーを操作、必殺技を発動する。
[ジーニアスフィニッシュ!]
[リバイギファードフィニッシュ!]
[バイスギファードフィニッシュ!]
ビルドを中心に放たれたトリプルライダーキックはシャムダンを貫き、撃破した――
そして、ブンプクとロー率いる軍団を相手取っていたのは――ギーツを中心としたデザイアドライバーを使うライダー達とゼンカイジャー、神代兄妹という面々。
[Bujin Sword Victory]
[Fantasy Strike]
[Tactical Break]
「ぐぅおおおお!?」
「ろ、ローっ!」
彼らは終始優勢に立ち回り、ローを撃破。ついにブンプク一人となるまで追い詰めていた。
「さて、後はお前だけだな」
「ぐむむ……おのれ!ならばこうだ!いでよ!ニュークダイテスト軍団よ!」
「おいおいマジかよ!」
凄まじい地響きが鳴り、姿を現した巨大な影――トジテンドの巨大兵士、ニュークダイテストである。
「どうだ!かつてイジルデですら成しえなかった量産型ニュークダイテストだ!我々の資金力を舐めていたな!ポンポコポコポコ!」
腹を抱えて高笑いを上げるDr.ブンプク。しかし、そんな彼に対し――
「どれだけ来ても同じだ!俺たちは負けない!皆行くぞ!」
[ゼンリョクゼンカイキャノン!]
そう言ったゼンカイザーは、キカイノイドの面々へ号令をかける。
「「「「「全力全開合体!」」」」」
五人の力がひとつとなり――巨大なロボットが誕生した。
「完成!ゼンリョクゼンカイオー!」
そして一方、クロコダイオーに乗り避難したウマ娘達とセッちゃん。
フリントの操縦の下次元を超え、トレセン学園上空まで帰ってきていたのだが――
「ウールフルフフ……!まさかここまで気が付かれないとはなぁ!」
そこで問題が起こった。クロコダイオーの中に密航者が――敵幹部が一人、ウルフトピアの犯罪者、ワルーフがいたのだ。
姿を現した彼は、爪をカチカチと鳴らしウマ娘達へとにじり寄る。
しかし、そんな彼に対し黙っている彼女らではなかった。
「おいおい、そっちこそアタシらを一斉に敵に回して勝つつもりかよ。ちょーっと舐めてかかりすぎだな」
「ただの女子供やと思ってたら、痛い目見るで?」
この戦艦内には、十名以上のウマ娘が同乗している。いくら怪人と言えども、人間を優に超えた身体能力を持つ彼女らに複数でかかってこられれば勝ち目はない。
「ククク……確かにそうだな。が、これならどうだ!」
そう言って、彼はジャケットを投げ捨てる。その下には――
「正気かよコイツ……!」
なんと、大量の爆弾がその身体に巻き付けられていたのだ。
「流石にお前らと言えども、これだけの爆弾を前にすればどうすることもできまい!さぁ大人しく人質になれ!」
瞳をぎらつかせ、再び彼女らへと歩みを進めるワルーフ。
だが、少しすると――その動きは止まった。
「ウッ……あぁ!?何だこのメロディは……!頭が……!頭が割れる……!」
突如として船内に響いたハーモニカの音色。
頭を抱え、苦しみだすワルーフ。
「綺麗な音色……」
しかし、一方で彼女らには何の異変も起きない。
そうしているうちに、船の奥から人影が現れる。
その姿を見たゴールドシップは叫んだ。
「え……?ラムネの兄ちゃん!?」
・
「ったく。気になって乗り込んどいて正解だったな」
「あんたも密航してたのかよ……」
物陰から現れたのは、つばの広いハットと皮のコートを身に着けた男--ゴールドシップとゾックスと焼きそば対決を繰り広げたあの男であった。
そんな彼の発言に呆れたように返すゴールドシップ。
「でもどうすんだ?あいつ体に爆弾巻いてやがるぞ」
「俺に任せときな」
そう言うと、男はステップを踏む。すると人間とは思えぬ速度で移動し、瞬時にワルーフの眼前へ近づいたではないか。
「そらっ!」
そして困惑するワルーフへ、肘による一撃。もろに顔面へそれを受けたワルーフは苦痛にのたうちまわる。
そしてその隙に、彼は体中の爆弾をむしり取ってしまった。
そして男は呟く。
「ん?こいつは……はっ、何だただの花火じゃねぇか」
「え?マジかよ!」
「ああ。ほれ」
「わとと」
男がそれをゴールドシップへ投げてよこすと、彼女は急いでそれを見る――確かに、それは筒形花火のガワを精巧に爆弾へと偽装したものであった。
「嘘をつくのは得意ってか?オオカミさんよ」
男がにやりと笑い、言い放つ。
「うるさいっ!」
煽りが頭にきたワルーフは、爪による一撃を試みる。が、それはあっさりと防がれ彼は取り押さえられてしまった。
「界賊の姉ちゃん、ハッチ開けてくれ!こいつを蹴り出す!」
「あいよ!」
フリントはその言葉通り、ハッチを解放。現在トレセン学園の遥か上空を飛んでいるクロコダイオーから突き落とされれば、さすがのワルーフと言えども命の保証はない。
それを理解していた彼は、最後の抵抗を行った――
なんとその右腕の肘から先が分離。ワイヤーを伴って飛んでいくそれは、後方にいたゴールドシップへと巻き付いたではないか。
「こうなりゃ道連れだぁ……っ!」
「ゴルシ!」
「やっべ……!」
そしてそれを見た男に生じた隙を突き、ワルーフは二人を巻き込んで共々クロコダイオーから落下し始めたではないか。
「ルフルフルフ!ざまぁみやがれ!」
勝ち誇った笑い声をあげるワルーフ。
「ふざけやがって!」
体勢が変わり、ワルーフの背が地上側に見たその時。男は彼の腹を思いきり蹴りつけ、少しばかり上昇。
そして右腕に繋がれたワイヤーを手繰り寄せてゴールドシップを受け止めると、
「ゼロさん!お願いします!」
一枚のカードによりワイヤーを切断。ワルーフとの繋がりを絶つ。
「う、嘘だろ……ちくしょおおおおおおっ!」
目論みを砕かれた彼は叫びを上げながら落下してゆき――地面へ激突。そのまま絶命した。
「で、でもどうすんだよコレ……このままじゃゴルシちゃん達もやべーぞ」
いつになく焦りの表情を見せるゴールドシップ。男は少し考えこむと――
「背に腹は代えられねぇか……ゴルシ、掴まってろ。ここからは他言無用で頼むぜ!」
そう呟き、羽根の付いたリングのような物体を前方へかざした。
すると光が溢れ出し――ゴールドシップは目を瞑る。
そして、再び目を開くと――
「……助かった、のか?」
彼女は、トレセン学園の屋上に寝転がっていた。自らの無事を確認すると、声が聞こえる。
「ゴルシィーっ!」
先陣を切って突っ込んできたのは、トウカイテイオー。ぴわわっ、という擬音が似合いそうな表情で彼女に抱き着くと、
「ねぇ大丈夫!?生きてるよね!?」
早口にそう言った。
「おう、バッチリ生きてるぜ」
にっこりと笑い、返すゴールドシップ。そんな二人のもとに、後から他のウマ娘達とフリント、セッちゃんも駆け付けた。
「よかった、無事みたいですね……」
ほっと胸をなでおろすキタサンブラック。そして彼女らは皆、一斉に目線を上に向ける。
つられてゴールドシップがその方向を向く。
そこには――優しく彼女らを見守る巨人の姿があった。
彼はゴールドシップの無事を確認すると彼女に目線を送り、頷く。
そして立ち上がり、振り向くと――学園を背に飛び去って行く。
「……あんがとな」
それを見送ったゴールドシップは、静かにそう呟いた。
そして、戦場では。
「ちょあーっ!」
ゼンリョクゼンカイオーが、ニュークダイテストの軍団と交戦を続けていた。
《ゼンリョクゼンカイソード》の一振りでニュークダイテストを次々に撃破してゆく彼ら。
「んだよ、見掛け倒しじゃねぇの」
「量産型の宿命ってやつっすね」
余裕綽々、といった様子のゼンカイジャーら。
そんな彼らを見て、ギーツは言う。
「もう勝ち目はないぜ、タヌキさんよ」
「ま、まだだ!策ならまだ……!」
狼狽するブンプク。だが、彼に秘策があるというのは本当であった。
彼は印を結び、何やら呪文を唱え始める。
「ブンプクチャガマ、カチカチカチ……狸秘術・死霊降霊!」
彼が叫ぶと、空間がひずみ――何かがそこから飛び出してくる。
狐、牛、猫、鳥、狼、熊の面――Dr.イオカルをはじめとした、死者たちの顔である。
それらはブンプクの周囲を飛び回ると、禍々しい光を発し――
「未練尽きぬ我が友らよ!今こそ一つとなるとき!狸秘術・混然一体!オール!アス!ワァァァァーン!」
なんとブンプクを中心に一つへ融合した、100mを優に超える巨大な怪人が誕生したではないか――
・
「グハハハハ!恐れろ!竦め!貴様らもここまでだ!」
「クソっ、無駄にでかい図体しやがって!」
超巨大化したブンプクに立ち向かうゼンリョクゼンカイオー。
しばらくの内は攻撃を打ち合っていたものの、次第にサイズ差ゆえか押されてゆき、ついには倒れ込んでしまう。
その光景を見ていたギーツはというと――
「お、おいギーツ……?」
「うっわぁ……英寿、めちゃくちゃ怒ってる……」
「あの時以来かも……こんな怒り方してる英寿」
近くのバッファらが引くほどに、無言の怒りに身を震わせていた。
そして間髪入れずブーストⅨレイズバックルのレバーを2回操作。
[Dynamite Boost Time!]
倒れ込んだゼンリョクゼンカイオーの前へ瞬間移動すると、ギーツⅨはその背から九つの尾のようなオーラを放ち、一撃をもって放たれた追撃の光線を相殺する。
ぶつかり合うその余波は空間にヒビを入れ、崩壊させるほど。
急いでギーツが手をかざすと荘厳な鐘の音が鳴り響き、空間が修復される。
が、それは完全ではない――
「何……?」
ギーツが呟く。
「グフォフォ!貴様が創生の力を用いるのはこの戦いでわかった!ならばこちらは全てを破壊するのみ……恨み骨髄、破滅の力を思い知れぇ!」
「早いとこ倒さないとマズそうだな……ったく、厄介な力に目覚めやがって」
「く……我々に為す術はないのか!?」
人知を超えた戦いを目にし、柄にもない弱音を漏らすデュランダル。
「いたいた!おいお兄様よ!こいつを受け取れ!」
そんな時、彼を見つけたゾックスが、何かを投げ渡した。
受け取るデュランダル。彼が手を開くと、そこには――
[キングオブアーサー!]
キングオブアーサーワンダーライドブックが握られていた。
「お前……まさかまた!?」
「勘違いすんな!そいつは預かりもんだ!あのソフィアとかいう女、この俺を使い走りにしやがるとは……全く面白れー女だぜ」
「そうか……すまない。感謝する」
以前凌牙の持つワンダーライドブックを盗んだ前科のあるゾックスを疑うも、ソフィアという単語を聞くと誤解を謝罪し礼を送る。
彼が時国剣界時へそれを装填、刃を操作すると――
[界時別冊!界時逆回!ワンダーライダー!時は来た!]
音声と共に、デュランダルとサーベラの姿が消えた。そして二人が着いたのは――
「大丈夫か?」
「凌牙?どうしてここに」
ゼンリョクゼンカイオーのコクピットであった。
同時に、セッちゃんからの通信が入る。
「介人!侍戦隊シンケンジャーのギアを使うっチュン!」
「了解……ぐっ!」
しかしダメージがあるのか、ギアを落としてしまうゼンカイザー。
それを拾い上げ、サーベラは言う。
「ここは私たちが。お兄様」
「ああ」
そう言ってデュランダルはギアトリンガーを手にするとシンケンジャーギアを受け取り、セット。能力を発動する。
すると、[双]のモヂカラが空中に出現し、キングオブアーサーワンダーライドブックへ取り込まれてゆく。
そして――ワンダーライドブックは二つに分身。サーベラの手元へ転送された。
彼女はそれを煙叡剣狼煙へと装填。
[狼煙別冊!狼煙開戦!ワンワンダー!ワンダーライダー!]
すると、ゼンリョクゼンカイオーのモニターにあるものが映る――それは、超巨大なキングエクスカリバーであった。
その光景を見ていたギーツⅨ。そして彼は何かを思いつき、意識を集中。
瞬間、全戦士たちの脳裏に声が届く。
「ゼンカイジャーたちを援護する。……力を貸してくれ、皆!」
「ギーツの奴……」
「よっしゃ!ありったけ持ってけ!」
「協力プレイってことか!」
ヒーロー達は皆天に手をかざし、各地から光が送られてゆく。
ついにそれが溜まりきると――一層大きな鐘の音が鳴り響く。
「よし……受け取れ、ゼンカイジャー!」
そして出現させた暖かな光を、ギーツはゼンリョクゼンカイオーに向かって投げ渡す。
それを受け取ったゼンカイザーは、手を開く。
そこには、仮面ライダーセイバーとゼンカイザー、そして握手をする手が描かれた真っ赤なギアが。
「よーし……!」
それを裏返し、セットするゼンカイザー。サーベラがその肩を支え、デュランダルがハンドルを回す。
[ビーックバーン!ゴー!ゴー!ゴゴッゴー!機界戦隊ゼンカイジャー!仮面ライダーセイバー!]
音声と共に、ゼンリョクゼンカイオーのコクピットが光り輝く。そして――
「ステイシー!?父ちゃんまで!?」
なんとツーカイザーにステイシーザー、ハカイザーまでもがコクピット内へ転送されてきたのだ。
そして――
「何あれ、でっかいキツネ!?」
ギーツの姿がマグナムブーストフォームへと変わり、《レジェンドキュウビ》が巨大化してゼンリョクゼンカイオーの頭上に飛び上がる。
「そういうことか!よーし皆、行くぞ!」
「超!全力全開合体!」
立ち上がるゼンリョクゼンカイオー。その胴体部にレジェンドキュウビが変形したアーマーが被さると、胸部にハカイザーの武器、《ブイメラン》が装着される。
左腕にはバトルシーザーロボの盾、《ステイシールド》が装備され、キングエクスカリバーを右腕に握る。
そしてマントを翻し、頭部の《45》の数字が、《SuperHero》を現す頭文字、《S》《H》
へと変化する。
ゼンカイザー。
ゼンカイジュラン。
ゼンカイガオーン。
ゼンカイマジーヌ。
ゼンカイブルーン。
ステイシーザー。
ハカイザー。
ツーカイザー。
仮面ライダーデュランダル。
仮面ライダーサーベラ。
十人が乗り込みし新たなるロボ。その名は――
「完成!ゼンリョクゼンカイオーⅩ≪クロス≫!」
「な、何だと……!?」
現れたその姿に驚くブンプク。
そして、さらなる援軍が訪れる――
「どうやら間に合ったみたいだな!」
そう言って降り立ったのは、光の巨人。その名は――
「俺の名はオーブ!ウルトラマンオーブ!闇を照らして、悪を討つ!」
その光景に、モニター越しのセッちゃんが叫びを上げる。
「キタキタキタアァァァ!仮面ライダーにスーパー戦隊、ウルトラマン!三大ヒーローの並び立ちっチュン!」
巨悪を見据え、構えを取るヒーロー達。
さぁ、最後の決戦の幕開けだ!