前スレまでのまとめ2

前スレまでのまとめ2


「さぁついに幕を開けました《トジテンド杯》!世界の命運を懸けたこのレース、勝利の女神がほほ笑むのはいったいどちらになるのか!」

 

「なーにがトジテンド杯だ、最悪な名前つけやがって」

 

そして一ケ月後。

関係者、そして観客でにぎわう特設競技場。レーサーワルドの能力により作られたこの場所で、今まさに世紀の戦いが始まろうとしていた。

 

(カレン……)

 

カレンチャンと目線を合わせる凌牙。その数秒間の最中、彼はある出来事を思い返していた――

 

「カレン、折り入って話がある」

「もう、改まってどうしたのお兄ちゃん?……わかってるよ。ウマスタもそれで持ち切りだし」

「そうか……」

彼女の言葉に、遠くを見やり目を閉じる凌牙。そして息を大きく吸い込み、憂い気に言った。

 

「参加は自由意志だ。が、正直なところ……お前に出て欲しくないと思っている俺がここにいる」

「……どうして?」

「お前はもう、俺にとって玲花と変わらぬほどかけがえのない存在だ。そんなお前を、あのようなふざけた輩の仕掛けるゲームなぞに巻き込みたくない。剣士として、トレーナーとして恥ずべきだとはわかっている。だが……お前に何かあったらと思うと、俺は」

「……お兄ちゃん」

「すまない。少し頭を冷やしてくる。……答えは急がなくていい。よく考えてくれ」

それだけ言い残すと、凌牙は逃げるようにトレーナー室を後にした。

 

Dr.ブンプクにより発せられた声明より開催されることが決定したレース。その名を《トジテンド杯》。それぞれのトレーナーは、担当ウマ娘と参加の可否の確認を行っていた。

神代凌牙もまた、その一人。

彼は対策会議で話された、《ある可能性》について悩みを抱えていた。

それは――

 

「妨害は視野に入れておいた方がいいでしょう。最悪、直接攻撃を行ってくる可能性も大いにあります。担当の方とは、よく話されたうえで臨んでください」

 

対ワルドアドバイザーとして招かれたステイシーの言葉。元トジテンド所属であり、ワルドという存在についてよく理解している彼の言葉は、各々に深く突き刺さった。

 

「俺は、どうすれば……!」

かつてはマスターロゴスの側近を務め、他の剣士を粛正する立場でもあった男、神代凌牙。彼はここに来て、大いなる迷いの中にいた。

過去の自分であればただ冷淡に大義のため、彼女を出走させていたであろう。

だが多くの出会いに触れ、彼は変わっていた。

実の妹である玲花と同じくらいに、カレンチャンという存在は凌牙の中での比重を占めていた。

あえて剣士と言う道を選び戦いに身を投じた玲花とは違い、彼女は――カレンは競技者である。

仮面ライダーとして。そして何より一人のトレーナーとして、彼女らを危険に巻き込みたくはない。

しかし保管所の場所すらわかっていないこの状況。下手に動けば、人質の命は保証できない。

彼女らが挑まなければ、奴らの思い通りとなってしまうのが現実だ。

歯がゆさに拳を握りしめていたそんな時――彼に声がかかった。

 

「よっ、お兄様。怖い顔しちゃってどうしたの」

 

それは、ジュランの声であった。

 

「お前は……入院していたはずでは」

「俺だけ寝てるわけにいくかよ。気合で治してきたさ。それより……ちょっと顔貸せよ」

 

そして、彼らは学園の屋上へと移動する。夕日を背に、佇む二人。

 

「随分悩んでるみてぇだな……はは、図星って感じ。ホント妹想いなアニキだよ、あんた」

優しい口調で語るジュラン。その言葉に、凌牙は何も返せないでいた。

 

「けどよ……」

 

そう言って、彼は凌牙の肩を掴む。そして続けた。

 

「妹ちゃんのこと、もうちょっと信じてやれよな」

「なっ……俺は別に、カレンのことを信じていない訳では……!」

「なら、大手を振って送り出せるはずだろ」

「ぐっ……」

「心配する気持ちはわかる。けど、前に介人も言ってたろ?失うことより助けることだけを考える、ってさ。それと同じだよ。妹ちゃんも、場所が違うだけであんたと同じように自分の意思で戦ってる。あの子もただ守られるだけの存在じゃねぇんだよ」

「……」

 

ジュランの言葉に、暫し押し黙る凌牙。そして――

 

「すまない、感謝する」

 

一言だけ言い残し、足早にその場を去っていった。

うんうん、と頷き、それを見送るジュラン。

 

時は経ち、翌日のトレーナー室。カレンチャンと凌牙、そして玲花は面と向かい合い、互いに頷きあう。

そして、カレンチャンが先に口を開いた。

「レース、カレンは出るよ。自分だけ逃げるなんてカワイくないし、何より……お兄ちゃんにあんな顔をさせたことが許せない」

 

いつになく真剣なその眼差し。それを目にした凌牙もまた――心を決めた。

「お前が望むのなら……俺はどこまでも付き合おう。玲花はどうだ」

「私なら、とうに覚悟はできています。カレンの思いは、かつての私と似ていますから」

そんな妹二人の姿に、凌牙は思わず笑みをこぼし呟いた。

 

「強いな、お前達は。俺が思っていたよりずっと。どうやら俺は過保護になりすぎていただけのようだ……すまなかったな、カレン」

「ううん。それよりほら、計画立てなきゃ。もう時間もないんだから」

「そうだな。よし、ならば始めよう。覚悟しておけ。やるからには徹底的に行く」

 

――そして彼の感覚は現在へと戻り、強く頷いて一言だけ投げかけた。

 

「行ってこい」

「うん、お兄ちゃん」

 

 

「クソっ、アイツら卑怯な真似しやがって……!納得いかねぇ!」

そして始まった《トジテンド杯》。

一戦目を終え、その内容に苛立ちを見せていたのは五十嵐一輝――またの名を仮面ライダーリバイ。アストンマーチャンのトレーナーである。

 

結果で言えばマーチャンの敗北となってしまった訳だが、問題はその内容だ。

レース中、いきなり彼女の周辺コースだけが巨大な迷路へと変化し――レーサーワルドは何食わぬ顔で完走したのだ。

 

「落ち着いてくださいトレーナーさん。妨害は最初から織り込み済み。悔しいですが、今は後続の方たちに託す番です」

 

――トジテンド杯には、いくつか特殊なルールが存在していた。

 

一つ、最終的な勝敗について。これは一人でもレーサーワルドに打ち勝てばライダー側の勝利となり、全員の敗北が確認できた時点でブンプク側の勝利となる。

 

二つ、コースについて。これは出走するウマ娘の得意距離や得意なバ場に合わせられる。

 

三つ、人数について。これは一戦につき一人ずつになるものの、ライダー側は計何人でも出走可能。対するブンプク側はレーサーワルドのみである。

 

これだけ羅列していくと、ライダー側に圧倒的有利な条件が揃っている――が、知っての通り、これは妨害込みで出されたものであった。

故に決して負けはしないという尊大な自信からくるのが、上記のルールであった。

 

ライダー達とウマ娘達は、それを逆手に取ることにした。とにかく情報を集め、持ち帰る。普段のレースとは違い、この場にいる全員が一丸となってレーサーワルドを打倒することを目的としたのだ。

 

「……あぁ。わかってる……!」

 

しかしそうとは言え、個人としては敗北に変わりない。ギリギリと拳を握りしめる一輝。

そんな彼を見ていたマーチャンもまた、無意識に拳を握っていた。卑劣な手段によってレースそのものを汚したレーサーワルドらが許せないのは、彼女も同じであったのだ。

そして彼女は言う。

「後は頼みましたよ、皆さん」

 

そうして迎えた第二戦目。次に挑むのはタマモクロス。

そしてレースも中盤に差し掛かった時、再び迷路が現れた。

 

「もう同じ手は喰わへんで!」

「あ、あれ?何で進めてるでレーサー!?」

 

しかし――タマモクロスは迷いなく迷路を攻略してゆくではないか。

困惑するレーサーワルド。

アストンマーチャンのレース中、タマモクロスのトレーナーである桐生戦兎は迷路の構造を暗記することに全力を注ぎ、彼女へ伝えたのだ。

破られない限り、おそらく全く同じ手段を使ってくるはず――だってワルドは基本アホだし、とはジュランの言である。

彼の言う通り、迷路の構造は先ほどと全く同一。レーサーワルドが困惑している隙に脱出し、タマモクロスは再び通常のコースへと戻っていた。

 

「ええぃこうなったら!」

「気をつけろ!何かするつもりだ!」

その直後、戦兎が叫ぶ。レーサーワルドが何やら自身の肩に手を添えていたのだ。

そして――

 

「……は?」

 

何も起こらなかった。

実際、彼女には傷一つない。が――彼女は気づけば、開いた直後のゲートの中にいたのだ。

 

「お先にレーサー!」

 

困惑する彼女へそう言い捨て、レーサーワルドは駆けてゆく。

はっと意識を戻した時には、すでに遅し。すぐに追いかけるも、レーサーワルドはゴールへと辿り着いてしまっていた――

 

一部始終を見ていた明光院ゲイツが呟く。

「ツクヨミ。今のは……」

「ええ。今、確かに時間が戻った」

彼の意見に同調するツクヨミ。

タイムジャッカーやクォーツァーといった時間にかかわる存在と戦ってきたが故の推測である。

 

「トレーナー、何かわかった?」

宝生永夢へと尋ねるのは、その担当トウカイテイオー。永夢の手には、一枚のメモが握られている。

そこには――《バテさせろ》、と短く記されていた。

 

「いや、まだ……。貴利矢さん、一体何を伝えたかったんですか……?」

そのメモは、九条貴利矢――仮面ライダーレーザーが残したものであった。

騒動が起きていた際、彼もまたレーサーワルドへと挑み、敗北。その現場付近にこのメモが残されていたのだ。

 

「……ねぇ。アイツ、なんか違う感じしない?」

悩む永夢へと声をかけるのは、トウカイテイオー。

「違うって、どこが?」

「アイツの腕、見える?あの数字」

 

そう言ってテイオーが指差したのは、レーサーワルドの右腕。そこには見えにくいものの、《03》という数字が刻まれていた。

「アレ、さっきまで4だった気がするんだけどなー」

「でも、確かめようが……」

「ふふふ、このテイオー様に任せておきたまえ!」

 

そう啖呵を切り、挑んだのはトウカイテイオー。

なんと宣言通り時間を巻き戻す能力を発動させることに成功。

先ほどまで3と書かれていた右腕の数字は、2となっていた。

 

「そうか……!バテさせろ、ってそういうことか!」

貴利矢が残したメモの意味を理解した永夢。

「あの数字はゲームで言えば《スタミナ》!あれを使い切らせれば!」

 

「ならば、後はボクらに任せたまえ!」

「勝手に一括りにしないで頂戴……けど、今回ばかりは同意見ね」

「勝ちましょう、みんなの力で!」

「はいぃ……!」

 

そうしてオペラオーら4人は先ほどまでとは別種の妨害を受けたものの攻略に成功。

その活躍により、ついにレーサーワルドのカウントは0となる。

 

「ままま、マズいでレーサー……!もう後がないでレーサー……!」

 

絶対と自負していた能力を打ち破られ、見るからに動揺し始めるレーサーワルド。

そして迎えた最終戦――挑むはカレンチャン。

 

「く、くそっ、待つでレーサー!」

 

情けないセリフを吐き、距離をどんどんと離されるレーサーワルド。

実は、レーサーワルド自身の実力は大したことが無かったのだ。

これまでの勝利は、閉鎖空間で行われる初見殺しという要素が全てであった。

しかしそのタネも割れた今、彼がウマ娘と走って勝てる要素など一つもない。

そしてゴール前に、カレンチャンは差し掛かる――誰も勝利を確信した瞬間。

 

「もうこうなったら勝敗なんてどうでも構わんでレーサー!消し飛ぶでレーサー!」

レーサーワルドはその腕からミサイル弾を発射――カレンチャンを狙ったのだ。

 

「カレン!」

瞬間、デュランダルがコースへ躍り出た。が、いかんせん距離が離れすぎている。

ライダーのスペックと言えども、普通に走っていては着弾に間に合わないほどの距離だ。

そんな折、セッちゃんがジュランへと指示する。

 

「ジュラン!急いでキラメイジャーのギアを使うチュン!」

「おうよ!」

 

[44バーン!キラメイジャー!]

ジュランは《キラメイジャーギア》をギアトリンガーへセットし発動。現れた5人の幻影の内、キラメイグリーンのみがデュランダルと被さると――彼は突如として、驚異的な速度で駆け始めたではないか。

 

「魔進戦隊キラメイジャーのキラメイグリーンはスプリンターっチュン!」

 

[界時、抹消!]

そしてその勢いのまま、デュランダルは時国剣界時の能力『界時抹消』を発動。時の流れが異なる空間へと潜航し、その中を駆け抜ける。

そしてミサイルの眼前へと辿り着き――

[再界時!]

通常の時の流れへと浮上し、ミサイルを一層した。界時抹消による負担が跳ね返り、膝をつくデュランダル。

「行け……カレン!」

 

そして――ついに勝敗は決した。

 

膝から崩れ落ちるレーサーワルド。さながらその姿は、慢心により敗北を喫した『うさぎとかめ』の兎のよう。

湧き上がる歓声――しかし、長くは続かなかった。突如として、空に巨大なビジョンが投影されたためだ。

そこに映っていたのは、トロフィーたちを背にするDr.ブンプク。その手にはリモコンが握られている。

「あれだけの力がありながら負けるとは何と情けない!こうなれば、こいつらだけでもーー」

彼が起爆スイッチを起動しようとしたその瞬間。

 

「んなっ!?」

突如として煙幕が辺りを覆ったのだ。そしてどこからともなく飛来した一枚のカードが、その手に突き刺さる。

リモコンを思わず手放してしまったブンプク。宙に放り出されたそれは――

[Tactical Blizzard]

冷気を纏った音により凍り付き、粉砕せしめたではないか。

 

「り、リモコンが……!おのれ何奴!」

彼が叫ぶと、暗闇の中より声がする。

 

「キタサンブラック!」

サーチライトに照らされ、最初に現れたのは、指を狐の形に作ってから鳴らすキタサンブラック。

「シュ……シュヴァルグラン……」

「サトノダイヤモンド!」

「サトノクラウン!」

 

そして三人が続いて名乗りを上げ、その全容が明らかになる。

 

一番手前のセンターにて腕を振り上げるキタサンブラック。

左サイドにはバッファに肩車をされるシュヴァルグラン。

右サイドには片膝でしゃがみ込むサトノダイヤモンド。

中心から少しだけずれた位置でポーズを決めるサトノクラウン。

そして一番奥で夜景の背景が描かれた垂れ幕を下げるタイクーンとナーゴ。

 

「我ら、お助けウマ娘隊!」

「予告します!あなたのトロフィー……全部いただきます!」

 

 

「……は?」

思わずあっけにとられ、口を開いたまま黙り込むブンプク。

そしてハッ、と気を取り直すと、叫ぶ。

 

「な、何故貴様らがここに!?この場所は我々以外知らないはず!それにどうやってあの扉を突破したというのだ!」

 

狼狽するブンプク。瞬間、足音が響いた――

 

「知ってるか?ヒーローには時間なんて関係ないんだぜ?」

通路の遠方より悠然と登場したのは、浮世英寿――キタサンブラックのトレーナーである。

 

「ギーーツ!お前このヤロ……一人だけ逃げやがって!?」

「オーララ。ミッチー、落ち着いて?ね?」

 

「ここからは種明かしと行こうか?」

 

そう言って英寿が見せたのは、小型の携帯電話――《ファイズフォンX》。

 

「つながった!」

「どうやら、上手くいったようだね」

 

そのスピーカーからは、ウォズと常盤ソウゴの声が響いた。

彼らは一体、どこから電話をかけているのか?

 

「お前さ、俺たちを舐めすぎだよ。確かに《今》から場所は探せないけどさ……《過去》に戻れば探し放題じゃん」

「君たちが保管庫を一つにしてくれて助かったよ。おかげで容易に追跡できた」

 

「例え勝ったとして、素直に人質を解放すると思う?しないしない、だって俺がアイツらなら負けた瞬間爆破するよ」とは、涼村暁の言。

実際それは大当たりであり――こうして間一髪であった。

それを受けた常盤ソウゴはウォズと共にタイムマジーンで過去へ跳び、保管庫を捜索していたのだ。

 

「し、しかしあの扉をどうやって突破した!あれはタヌキトピア独自の言語を使っている、貴様らにわかるはずがない!」

 

「キタ。見せてやれ」

「はいっ!ふふん、これです!」

 

そう言ってキタサンブラックが見せたのは、小さな赤い飛行機。その名を≪ダイヤルファイター≫。ダイヤたちもまた、違う色のそれを持っている。

 

「ヒーローの歴史は芳醇だ。探せば案外、ピンポイントな用途のアイテムが出てくるものさ」

 

「と、いう訳だ。もう観念しろ」

 

「そ、そんなぁレーサー!」

 

レーサーワルドが手を突き、情けない声を上げて地面を叩く。すると彼の力が弱まり――トロフィーから光が放たれる。

 

「復、活!ゼンカーイ!」

「永夢のやつ、やってくれたな」

 

そして一斉に、犠牲者たちが元の人間へと戻ったのだ。

 

「おのれ……!こうなれば武力行使だ!出会え出会え!」

 

ブンプクが叫ぶ。するとローとワルーフと言った武闘派のメンバーたちが大量のクダックを引きつれてきたではないか。

英寿が言う。

 

「キタ!皆を連れて先に行け!あとゼンカイザー!これを受け取れ!」

彼は鐘の音と共に、何かを介人へと投げ渡す。

 

「これって……ギア!?」

 

彼が手を開くとそこには、スペシャルウィーク、トウカイテイオー、キタサンブラックらのシルエットが描かれたセンタイギアのようなものが握られていたのだ。

 

「ありがと!よーしまずは脱出ゼンカイだ!ちょあーっ!」

そう言って、介人らは人質と共に脱出を始める。

それを阻まんとするローだったが、バッファをはじめとしたライダーらが止めにかかる。

 

「邪魔させねぇぞ。……最悪なモチーフ被りしやがって!」

「俺の知ったことか!」

 

そして介人らが出てきたのは、競技場の真ん中。どうやら地下空間を作ってあったようだ。

 

「介人!ガオーン!マジーヌ!ブルーン!」

「ジュラン!お待たせ!」

 

ハイタッチを交わす彼らゼンカイジャーたち。そして介人は早速、英寿より受け取ったギアをギアトリンガーへとセットする。

そしてハンドルを回し、読み込みが完了すると――トリガーを引いた。

 

『特別バーン!ババン!ババン!ババン!ババン!ババババーン!スペシャル!』

 

そして現れたのは、巨大なトレセン学園の校章の幻影。それは競技場をすっぽりと覆い、眩い光に包まれる――

 

そして光が収まると、その場にいたヒーローたちは……

 

「椅子?」

「何か薄暗いですねぇ」

 

何処か薄暗い、前方にステージがある大きな部屋に集まっていた。

 

「皆、もうすぐ始まるっチュン!席に着くっチュンよ。ほら、これ持つチュン」

どこからともなく飛んできたセッちゃんが、そう言って何かを手渡す。

 

「これって……サイリウム?」

首をかしげる介人らに、セッちゃんが言う。

 

「ウマ娘と言えば、外せないものがあるチュン!」

 

その言葉と共に、何かの曲が流れ始め――ステージが照らされた。

そこに立っていたのは、トジテンド杯に出場したウマ娘たち――と、レーサーワルド。

 

「ウマ娘と言えば、ウイニングライブっチュン!」

 

そして、ライブが始まった――楽曲タイトルは……『全力全開!ゼンカイジャー』

 

 

<<キカイセンタイ! ゼンカイジャー! ゼンリョクゼンカイ!

 

それから数分後。会場は割れんばかりの歓声に包まれていた。

その一員として踊っていたレーサーワルドはステージで手を振り、叫んでいた。

 

「ありがとう!ありがとうでレーサー!」

 

瞬間、ギアの効果が消え空間が歪む。そしてその場にいたライダー達とウマ娘の面々は採石場に移動しており――

 

「尊み、大!爆発!……レェーーーサァァアア!」

 

同時にレーサーワルドは火花を上げ、爆発四散。

トジルギアが地面へと落下する。

 

「ぐおああああ!」

 

そして、Dr.ブンプクら残りの6人も採石場へと吹き飛ばされてやってくる。

ソウゴらもタイムマジーンで過去より帰還、共に並び立つ。

いざ、決戦の時――ヒーロー達は各々のアイテムを構える。

 

[ハイパームテキ!]

[グレート!オールイェイ!]

[オーマジオウ!]

[オーシャンヒストリー!]

[昆虫大百科!]

[ギファードレックス!]

[Mark Ⅸ]

 

「変身!」

 

「介人―!来たぞー!」

「父ちゃん!よーし皆行くぞ!」

 

[16バーン!]

[25バーン!]

[29バーン!]

[30バーン!]

[45バーン!]

[邪バーン!]

 

「チェンジ全開!」

「暗黒チェンジ!」

 

「燦然!シャンバイザー!」

 

ヒーロー達がずらりと並び経つ。その中で、ゼンカイジャーらが名乗りを上げた。

 

「スピードトレーニングのパワー!ゼンカイザー!」

「パワートレーニングのパワー!ゼンカイジュラン!」

「根性トレーニングのパワー!ゼンカイガオーン!」

「スタミナトレーニングのパワー!ゼンカイマジーヌ!」

「賢さトレーニングのパワー!ゼンカイブルーン!」

「暗黒のパワー……ステイシーザー!」

「機械のパワー!ハカイザー!」

 

「機界戦隊!ゼンカイジャー!」

 

「俺は神代凌牙……またの名を、仮面ライダーデュランダル。俺を怒らせたな……!」

「神代玲花。仮面ライダー……サーベラ!」

「おっ、今回は自分からノってくれんのか!いいね!」

「フン……」

 

「よし行くぜ!全力……全開!」

 

介人の号令と共に、ヒーロー達が一斉に駆け出す。

 

そして、ウマ娘達はというと――

 

「ヨホホイ、ヨホホイ、ヨホホイホイ♪俺は界賊、面白そうならどこでも参上~」

突如上空に現れ、降りてきた戦艦クロコダイオー。そこから降り立ったのは金色の界賊、ツーカイザーことゾックス・ゴールドツイカ―。

セッちゃんが叫ぶ。

「ゾックス!来てくれたっチュンね!……でも、今までどこに?」

「別にどこでもいいだろ。それよりほら」

「こっちだぞー!早く乗りなー!」

クロコダイオーのハッチが開き、ゾックスの妹フリントとコパノリッキーが手を振る。

「彼女たちを避難させてくれるっチュン?」

「フッ、ただの気まぐれだ」

そしてウマ娘たちはクロコダイオーへと退避。

 

「お姉さーん!俺頑張るからねー!」

ツーカイリッキーが叫ぶと、コパノリッキーが手を振り返しハッチが閉じられた。

 

「リッキーお前……フッ。じゃ、オーレンフォームで行くか?」

「おう!」

 

[チョーリキに!レボリューション!]

 

「「熱血超力!オーレン!フォームだ!」」

 

「海賊のパワー、ツーカイザー!痛快に行くぜ!」


今、戦いの火ぶたは切って落とされた――



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