初夜(成功)R18

初夜(成功)R18


「……脹相。」


低く欲が込められた声で名前を呼ばれて、脹相は皿を洗っていた手を止めた。腹に太い腕が回って背中にぴったりと体温が感じられる。

同棲が始まって三日目から、東堂は脹相の身体が完全に回復したことを知り毎晩ゆっくりと脹相の肛孔を指で解していた。人並みよりも大きい物を異物を受け入れたことがない場所に入れるのだ。その上、万が一裂けてしまったら脹相の身体も心配なことはもちろん毒が含まれた血液が(避妊具があるから大丈夫だとは思うが)愚息に触れるかもしれないという恐ろしさもあった。これも一応粘膜で警戒するに越したことはない。


これに参っているのは脹相だった。毎晩、食事を終えると触られるために風呂は食事前とその後に二回入らなければいけなかったし、何より夕食後にそういう事をすると身体が覚え始め東堂に名前を呼ばれり触れられたりするだけで腹の奥が疼くようになってしまったのだ。


(説明も受けた。解さなければ入らない、必要なことなんだと。だから最初は一本でもきつかった指が、今は段階を踏めば三本は入るようになった。葵のはでかいから、念入りに解さなければいけないことも聞いている。いや、しかし、毎日しなければいけないのだろうか…。)


決して嫌な訳では無かったが、脹相は自分の身体が他人によって作りかえられることに少しの恐怖を感じていた。それもベッドに入ってしまえば捕食者の顔をした恋人が愛しくてたまらなく思えて薄れるのだが。


「脹相…、寝室行くぞ。」

「皿洗いが、途中だ……」

「残りは後で俺がやっておく。」


項や首筋に唇が寄せられ、身体の疼きに耐えかねて脹相は観念し泡まみれの手を一度流してタオルで拭いた。途端に身体の向きを返され、深く口付けられる。舌で口内を擽られると腰が抜けそうになり、もはや東堂に触れられて感じないところがあるのだろうかとどこか遠くで考えた。


抱き上げられベッドへと降ろされると、東堂はまた首筋に吸い付いた。大きな身体をした恋人が背中を丸めて身体中に吸い付いてくる姿は何だか乳を求める子犬のようで可愛らしいと脹相は感じていたが、それと同時にいつか食べられてしまうんじゃないかという危機感にも似た興奮が煽られる。外に出ることが無くなったのをいいことに、東堂は脹相の白い肌にいくつも痕を残すようになった。おかげで風呂に入り鏡を見る度、脹相はベッドの上でのことを思い出してしまう。


「は……、……」

「…脱がすぞ。腰上げろ。」

「ん、分かった……」


あっという間に一糸まとわぬ姿にされ、手馴れたものだと感心した。東堂は新しく買ったボトル型のローションを手に取って、粘ついた液体を体温に戻している。こういった些細な気遣いが出来るところを脹相は愛しく思っていた。


「…脚、広げてくれ。」

「……ん……」


晒された性器と肛孔をじっくりと見つめてから、東堂はゆっくりと指を挿入した。一本は余裕で受け入れられるようになったその場所に、些細な達成感を得る。ぐちぐちと音を立てながら弱い場所を掠めると、脹相の体が跳ねた。


「ぁ、あっ……うぁ、…ッ」

「…大分、感じるのが上手くなったな…。」


(上手くなったどころか、意図せず気持ちよくなってしまうことだってあるんだぞ…!)


脹相が涙を溜めた瞳で恨めしそうに睨んだところで東堂には伝わらなかった。円を描くように指の腹で前立腺をこねくり回され、気付く間もなく指を増やされる。恋人が腰をくねらせて感じる姿に東堂は既に上限を超えるほど興奮していた。


「あぁッ…、あっ、あ"っ……!」

「ふー…、堪らねえな、おい…。」

「や、あ"っ…♡ふ、ぅ"……!」


指が4本入ったところで、東堂は手を引き抜いた。脹相の陰茎からは勢いもなく精液が垂れている。中だけの刺激でイけるようになった恋人が愛しくなり何度も口付けてから避妊具を手に取って既に刺激なんてなくても臨戦態勢をとっている自らの陰茎に嵌めた。念の為とローションを足して肛孔と避妊具を被った陰茎へ擦り付ける。


避妊具越しに肛孔へと押し当ててずりずりと先端を擦り当てれば脹相が体を強ばらせた。それを察して東堂は口付けを深くし安心させようとし、脹相もその意図を汲んで全身から力を抜いていく。タイミングを見計らい、腰を進めれば脹相が背中を反らして息を詰まらせた。


「あ"、あ……っ!ぅ、お、っきい……♡」

「…煽ってくれるな……、加減、出来なくなるっ……」

「うあ、あーー……っ♡いや、だぁ……っ♡」

「嫌じゃないだろ…、なんて言うんだ?」

「きもち、いっ…♡あお、いっ…♡」


教えこんだことを素直になぞる脹相が愛しくてたまらなくなり、腹側の前立腺を押し込むと腸壁がキツく締め付けられた。イったのだと理解すると同時にその締めつけで達してしまわないように東堂は奥歯を噛み締めて息を吐いた。


「はっ……きっついな……、気持ちいい…。」

「あぁあっ…♡ぅ、ぜんぶ、入ったか……?」

「……まだ…半分ってところだな……」

「むりぃ…っ♡むりだ、も、おなか…いっぱいだ……ッ♡」


自らの白い腹を撫でながら厭らしい言葉を無意識に並べる脹相に、東堂の理性がはち切れる音がした。薄い腰を掴み直してからどちゅん、と音を立てて根元まで嵌め込む。途中で行き詰まるもそれすらも強引に押し進めれば、脹相が目を見開いて腰をガクガクと震わせながら精液を飛ばして達した。


「あっ、あ……?は、ッ……♡」

「ゆっくり、息しろ……くそっ、締め付けすぎだって……」

「え、ぁ"っ……♡あぁあ"っ……♡」

「……脹相?」


黒目を半分瞼の裏側に隠しながら真っ赤な顔で浅い呼吸を繰り返しては涎を垂らす姿に、思わず心配になって頬をぺちぺちと叩いてみるも返答はなかった。完全にトんでしまったと察するも、ここまで来てしまえば中途半端に止めてやることは出来ない。膝の位置を脹相に近付けて長い脚を肩に乗せてからゆっくりと引き抜けばそれすらも快楽になるのか脹相は弓形に身体を反らした。ひとつ呼吸を置いてから、深いストロークで肉同士がぶつかり合う音を響かせる。


「あ"っ、あぁっ!♡ッーー……っ♡」

「は、ちょうそ……ッ、可愛い、好きだッ…」

「イ、ってる、イ"ってる……!♡」

「もう、少し……耐えてくれ……っ」

「っっ……♡お"っ…、ッ♡」


脹相の足がピンと伸ばされたかと思えば今までで一番きつく締め付けられ、うねる様な腸壁の動きに思わず東堂も追って絶頂を迎えた。長い射精を終えてから余韻に呼吸を荒くするも、最早何が起こっているのか理解出来ていない様子で眉を垂らしながらちかちかと弾ける視界に混乱している脹相を見てはゆっくりと陰茎を引き抜いた後に正面から抱きしめた。


「はっ…、……気持ち、良かった…。…どうだった?」

「ぅ、あ……っ、?……よか、った……♡」

「そうか……何よりだよ……、……脹相…愛してる、好きだ、…ずっと、俺だけのもんでいてくれ……」

「っ…、う、わかった……、はっ……♡まだ…入ってる、感じがする……♡」

「……風呂、浴びるか?」

「あびる……」


何度か口付けを繰り返した後に、ベッドから降りさせようとするも床に足を付けた途端崩れ落ちた脹相の身体を抱き上げた。愛しさのあまりに浴室へと向かうまでの間も何度も口付けて、東堂は脹相が自分のものであるという実感をひしひしと噛み締めていた。


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