冬河家の日常

冬河家の日常


「おえっ…ぉぇ…」

今日も親父の吐く声が聞こえる


親父が吐く声で目が覚めた俺は再び眠りに着こうと目を閉じて思考の世界に閉じこもる

親父はいつも通り、悪夢に魘されていたんだろう

親父は、いつも夜の3時に目を覚まし胃の中のものを吐いてから、誰かへ向けた懺悔の言葉を繰り返す

親父は、誰かに話しかけられたり一定の時間が過ぎると、そのことをすっかり忘れる

俺の両親の関係は歪だ


親父は上辺はお袋を愛しているように見えるが、きっとそれは本人も気づいていない本心では違うのだろう

親父の心の中にはいつも、誰かが強く残っている。親父は多分その人を心の底から愛しているのだろう

俺は親父が心の底から笑っているのを見たことがない


お袋は親父を愛している。だけど、親父に本心から愛されていないことを知っているんだろう

俺はお袋から後悔と悲しみ、そしてどこか恍惚とした感情が剥がれるのを見たことがない


きっと2人が今のこの関係になるまでに色々とあったのだろう

俺が何をしても、これは変えられないのだろう

ああ、胸糞悪い

そう考え、俺は隣で寝ている妹を抱き枕にして眠りにつく

















(ヤバいヤバいヤバい!お父さんの吐いてる声で目が覚めたと思ったらお兄ちゃんに抱きしめられちゃった!!

これってもう相思相愛で良くない!?

これはもう【自主規制】されても文句は言えないよね?お兄ちゃん!?)


何だかとてつもなく嫌な予感がしたが、俺は眠りについた


(あーーーーー!もう我慢できない!!)


__この先はご想像にお任せします

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