冒険者と別れ
あるゴブリンたちが滅ぼした都市から徒歩で3日ほどのところにある都市。
そこの中心街にあるそこそこの年季が入ったギルド支部の建物のギルド長室で重鎧を身につけた龍人の女性とコートを羽織った男性が対面していた。
「ねえ?ゴブリン殲滅作戦の中止ってどういうこと?」
「ギルド本部の判断だ。」
「だから仲間を見捨てろっていうの!?」
「例のゴブリンたちはすでに都市を占領するだけの力をつけてしまっていることが判明した。無理に戦って被害を出すよりゴブリン軍団が自然消滅するまで籠城する方が合理的だ。」
「つまりあの子や街の生き残りの人たちにゴブリンの苗床としてさっさと死んでくれって言ってるの?…あんただってあの子のことは可愛がってたじゃないの!!」
「優先順位の問題だ。俺たちはこの都市を守る義務がある。余計なことに構ってる暇はないんだ。」
「あんたね……!!ほんとに…!!」
「話が終わったなら帰ってくれ。まだまだすませなければならない仕事や用事がたくさんあるんだ。」
「…チッ、あんたがそこまでの育児なしとは思わなかったわよ!」
「…一応言っておくがお前一人で行ったところで解決することは何一つないというのを忘れるなよ。ゴブリンの苗床に新しい種類が追加されるのが関の山だぞ。」
「…わかってるわよ!」
彼女は龍人特有の人間離れした怪力で扉を乱暴に閉めると、外にいた軽装の獣人の女性に話しかけられる。
「お疲れさま〜ギルド長はなんて?」
「あのボンクラは仲間の命なんてどうとも思っていなみたい!!」
「まあまあ落ち着いて、あの人も色々考えて決断したわけだし、そんなに責めるわけにもいかないよ。」
「…そうね。少し冷静じゃなかったみたい。下の階のBARで一緒に夕食にしないかしら?」
「いいよ〜もちろんそっちの奢りだよねぇ」
「なわけないでしょ。割り勘よ割り勘。」
「チェッ…けちんぼめ」
ギルドの一階にあるBARで店主からグッログとミートラップをもらい。席に着く。
酒を飲みながら彼女達は会話をし始める。
「大体ね、ギルド側が新米冒険者を騙すようなことしてるのがおかしいのよ!!」
「それは本当にそうと思うよ〜基本的にギルド名義で出される依頼って日常的に使う薬草の採取だったり、街道の見回りみたいな安全だけど報酬が少ない任務か明らかに危険そうな討伐任務がほとんどだからね…」
「そんな中に一見危険はなさそうだけど報酬がやけに高かったり、情報がほとんど書かれてない依頼を混ぜる…冒険者の常識を知っている中級冒険者ではなく新米の子にわざと危険な依頼を受けさせるなんておかしいわよ…」
「まあ上からすれば目的が偵察かつ生存率が低い任務でそこそこの冒険者を失うわけにはいかないって感じなんだろうねぇ〜」
「…ねぇ、私だけなら隠密もできるし、あの子…」
「ダメだよ。絶対に。」
「い…言ってみただけよ…」
「やめてよ?本当に。もし何かがあれば親友としてあなたの母上に申し訳がつかないわ…」
「わかった。わかったわよ。行かないから、もうその怖い顔しないで。」
「ならいいんだけど…」
例のゴブリン軍団が勇者エクス・マキナによって討伐された。そn知らせが届いてからすぐあの新米の子も帰ってきた。
「ただいま帰ってきました!先輩方!!」
「ようやく、戻ってきやがったか!!」
「おう!今日は好きなだけ食いな!今日は全額俺の奢りだ!!」
「本当に皆さん…ありがと…!!!」
「良かった…本当に良かった!!本当に…もう無理だとばかり思ってた…!!」
「龍の姉御…その…もう少し力を緩めないと…」
「無事でいてくれて本当に良かった!!!!」
「落ち着きなさいな。新米ちゃん、あなたに抱きしめられて絞められたニワトリみたいな顔になってるよ。」
「あ‥あれ…もしもし!?大丈夫!?」
「あ〜あ…今日の主役が気絶しちゃったよ。仕方ないから先に私たちで始めるとしますか〜!!」
「いえーい!!」
「今日はあいつの奢りだぁぁ!!」
「…あれひょっとして全員分の奢らされる感じかこれ!?」
冒険者への復帰を祝う会からしばらく経ったある日その知らせはきた。
「はあ…あの子大丈夫かしら…」
「まったく…心配性だね〜あれから色んなことを教えたし、エルフ君もつけたから大丈夫よ…」
「けど…なんか嫌な予感が…」
「おい!二人ともエルフの小僧と新米ちゃんをみてないか?」
「みてないけど…何かあったの…?」
「ふつうの巡回依頼を受けていたはずなんだがもう4日は経ってるのに、いまだに帰って来ないんだ。」
「…どこら辺を巡回してるはずなの?」
「確かこの街道の近くを…ってもういったのか!?」
「ありゃりゃ〜…これは面倒なことになりそうだねぇ…」
走る。決して見逃さないように。走る。決して手遅れにならないように。走る。もう母のような魔物に虐げられる人を増やさないように。
!見つけた。おそらくここで戦闘があった。…そしてどこかに連れ行かれ…いや誘導されてるな。これは…計画的な犯行であると考えれば盗賊の類か?…いや近くのオークみたいな魔族の可能性も…
!?あの畑と洞窟は…もしかしてあの子はあの中に?
警戒を強めなくては…今何か動い…!?!?
「っっ…ハッ!!」
『おい!お前の家畜ゾンビもう一体やられてんじゃねえか!』
『ろくな死体がなかったんだからしょうがないだろ!てかエルフの死体をなんでとっておかなっかたんだ!』
『あの時期まだお前生まれてないからしょうがないだろ!ていうか体はとってたけどいつのまにか消えてたんだよ!』
何かの話し声が聞こえる…そちらに顔を向けた瞬間一筋の光がこちらに向かってくる
「フンッ」
『おい待てコラ。なんであいつワイのビーム叩き切ったんや』
『チッ…奇襲失敗!かかれぇ!!』
『オクニノタメニー』
『バンザーイ』
「…なるほどゴブリンか。変異種や設備をみるに例のゴブリン軍団の生き残りといったところか…」
大剣「落陽」を抜くとおっそいかかってきたゴブリンを迎撃する。
だが最初こそ縦横無尽に駆け回りながら動物のアンデットやゴブリンを仕留めていったものの少しずつ戦場を狭い洞窟内へと移されてしまう。
…やっぱりこのゴブリンたちはふつうのゴブリンとは全く違う。強さも文化も戦略も…それぞれが独自の成長を遂げてきたように見える。ただのゴブリン一匹を見てもふつうの群れのリーダーを務めれるような動きをしている。
狭い洞窟内でも戦えるようサブウェポンの刀に切り替えると再び殲滅を再開する。
切って切って進む。これを繰り返して探す。あの子たちの手がかりを少しでも‥
しかしそこで切る腕がとまる。みるとそこには思わず見上げてしまうほど大きいゴブリンがいた。
…ロード?…いや、ただの巨漢ゴブリンか。だが…その体を切り付けても傷こそできるものの致命傷には至らない。
『痛っってぇぇぇぇぇぇ!?!?脂肪が!脂肪が落ちる!痩せちゃう!!』
こちらを威嚇するかのように叫び声を上げた巨漢ゴブリンはその手に持った棍棒を振り下ろす。それをいなしながら奥からとんでくる魔法や刃に対処しつつ飛び上がり首元にしがみつく。そしてそこに刀を差し込み…
『あ、ちょっと待ってこれ知ってるやt…アガガガガ…』
一気に首を落として殺す。
『巨漢ゴブが忍殺されたぞ!』
『ちくしょう!どうせなら落とされた首持って復活しやがれ!』
『あ、それナイスアイデア。採用するわ。』
次のゴブリンに意識を向けた瞬間背後から物音が聞こえる。咄嗟に避けたると元々体があったところを大きな棍棒が通っていく。
…いやいや嘘でしょ?なんでこいつ首落とされても生きて…いや入り口にいた動物も含めて操っている奴がいるのか…自然発生したのを使ったのかと思ったけど…
こいつら今のうちに潰さないとやばいな…
『多勢に無勢だ!いっけぇ!!』
うん…でもこれくらいならどうにかなる。
走れ。周りの奴らを無視して。
『おい!抜けられてるぞ!』
『いや必死にブロックしようとして…ブベラ!!』
走る。相手の判断が追いつくより先に。
『…ちょっと待て!あいつこっちにきてるぞ!』
『マ?やばいじゃん!逃げないと!!』
走る。相手にその判断をされる前に。
『馬鹿野郎!逃げ切れるわけないだろ!相手にを魔法で迎撃して動きを鈍らせろ!そうすれば周りのゴブリンで仕留めれる!』
『お前天才か?じゃあ早速…あ…』
届いた。ボケた面をしている後衛四匹。
三匹はおそらくメイジかシャーマンだな、見たことがある。そしておそらくもう一匹がネクロマンサーだろう。
まとめて切り裂くと今まで動いていた動物やゴブリンの死骸がその場で崩れ落ちる。
よし!これであとは掃討すれば…
その次の瞬間世界が大きく揺れる。
吹き飛ばされた?一体誰に?
そんなことを考える暇もなく、自分にビームと何か粘液のようなものが発射される。
普段ならともかく一撃をくらい立ちくらみをしていた時にそれを防ぐだけの気力は残っていなかった。
身体中が痛い。立つことですらままならなくなってきた。…しかも刀や鎧が溶けている。
…流石に油断しすぎた。気を引き締めないと。
奥からやってきたのは巨大な肉の塊のような巨体だった。
全身に無数の顔を貼り付けたかのようなそいつは確か肉塊ゴブリンとかいう上位の変異種ゴブリンだったはず…
それとお供に出てきてるのは…え、なにあれ。気持ちわる!
チ◯コじゃん。思いっきりチ◯コじゃん。
…いや聞いたことはあるはずだけどなんだっけ?
思い出したくないからすぐに忘れようとしたんだよな…
『ねえなんで俺ってお前らとペアみたいな扱いになってんの?』
『いや…同時期に生まれたからだろ。』
『訓練も一緒に参加したしな!』
『いや、それで強くなったのお前だけだろ。見てみぃ、あの冒険者を。お前ら見て険しい顔してるぞ。』
『まあここまで奇襲がうまく決まったわけだからな!』
『多分それだけじゃないと思うが…今までは洞窟だと危ないから使わせてもらえなかった火炎放射やビームを使う機会がついにきたわけか。』
『できれば使いたくなかったが仕方ない。本当に仕方ない。』
…鎧はもうダメだ。刀も光線を防いだ時に折れてしまったらしい。
だが相手はこの洞窟内を広げてくれた!なら大剣が使える!
「さあ…こい!」
肉塊ゴブリンから放たれる光線をかわし、相手に近づく。奴の一撃を受け止めてそのままカウンター…は周りの奴らが許してくれなさそうだ。
なら奴の周りを駆け回り、視界から外れる!そして周りの反応が追いつく前に上から奇襲を…!
目の前が白濁した液体で覆われる。
は?ウギャア!!最悪!!目と口に入った!
ベタベタするし、臭いし、痛いし…てかこれまさか…!?
気持ち悪さと吐き気を堪えながら無理やり服の無事な部分で目を拭いて視界を確保すると相手に向き直る。
しくじった!一番警戒しなきゃいけないのはあのチ◯コみたいなゴブリンの方だった!
あいつ…この巣で戦ったどのゴブリンよりも動きがいい…
前衛の肉塊ゴブリンに後衛のチ◯コゴブリン二体…戦場を荒らして前衛と後衛を引き離そうにも周りのゴブリンがそれを許してくれそうにない…
あれ…これ本格的にまずいな…奥の手を使うしかないか…
『こわっ、やっぱこわいって…死ぬかと思ったわ…』
『おう、助けてやったんだから感謝しろよ。…てか相手の様子おかしくない?』
『…全員警戒しろ。やばいのがくるぞ。』
龍人の体に込められた膨大な魔力を手足にこめる。ただでさえ人外に近い怪力を持つ龍人がそんなことをすれば、ただの一振りでも莫大なエネルギーを放つ。
「龍神斬!!!」
『!!全員!回避ぃぃ!!』
その一振りでその場のゴブリンのほぼ全てを消し飛ばすことに成功する。が例の変異種どもは全員避けてしまった…が問題ない。手足に魔力を込めたまま突き進む。その素早さや力は先ほどまでのものとは段違いとなる。肉塊ゴブリンが反応する前に厄介そうな後衛を仕留める。後衛の片割れの首が宙を舞う。
『ああ!ゴブT1が!!◯頭になっちゃた!!』
『言っとる場合か!流石にまずいぞ!!』
そしてそのままもう一匹の後衛に…うん?
え…火炎放射!?加速していた自分はそのまま火の中につ混んでしまう。
「ぎゃ…ぐわあああああ!!」
『あぶねえ…死んだかと…うん?』
でも関係ない!!炎を纏ったままもう一匹の後衛に近づきそのまま首を落とす。
そして最後の…後ろを振り返ると肉塊ゴブリンが私を押し潰そうと力を入れる。
『特に言及なくナレ死する飼主ゴブ…いつのまにか追加される武装…そして何より無から生まれてきた必殺技…どいつもこいつも…私を苛立たせる…!死んで平伏しろ!私こそがゴブリンだ!!』
仲間の仇討ちのつもりなのだろうか…怒りが込められた攻撃が自分を圧迫する。正直魔力の大部分が既に消費されておりかなりまずい‥
このままペシャンコにされてしまうわけにはいかないと一気に力と魔力を込める体制がぐらついた肉塊ゴブリンの口に剣を差し込む!
『そんな…私は…ゴブリンだぞ‥‥ウワァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!』
こいつの最後っ屁なのか突っ込んだ口から極太の光線が発射される。
慌てて手を退けたので自分は無事だったが剣はボロボロになってしまう…
でもこれでようやく…
小石が転がる音がする…物陰から三十匹ほどの数のゴブリンが現れる。
慌てて剣を持とうとするが動けない…
既に先程の強化で身体中の魔力と体力を使い切ってしまったらしい…
…ちょっと待って。もしかして…私今から苗床にされるの…?
いやだ…動いて…お願い!動いて!!
「捕まって!!」
ゴブリンの背後で爆発が起きると同時に親友が入ってくる。
自分を背負うと混乱するゴブリンたちを尻目に瞬く間に洞窟の外へと逃げ出す。
そのまま走り続けて、街道が見えるところまで来てからようやく下ろされた。
「…本当に助かったわ。あなたがきてくれなかったら、どうなっていた…」
「どうしてこんなことしたの!?私がきてなかったらどうなってたか分かってるの!?」
「…ええ、だから本当に感謝して…」
「龍化なんて使ったら身体中の魔力がなくなってあんなふうになるにきまってるじゃない!!バカなの!?アホなの!?死にたいの!?」
「あ…えと…その…ごめんなさい…」
「本当になにを考えてるの!あなたはゴブリンの怖さはあなたのお母様の話でよく知ってるはずでしょ!!」
「ごめんなさい…あ…それとあの二人を見つけられなかった…」
「…ッッッッッッ!そんなことはどうでもいいの!!ねぇ私はね、あなたが無事なら正直な話あの子たちが死んでようがどうでもいいの!!」
「な!?あんた!それはどういう…」
「お願いだからさぁ‥死なないでよぉ…置いてかないでよぉ…私はずっとあんたと一緒に仲良く過ごせるならそれでいいんだからさぁ‥ヒッ、ヒグッ…死のうとしないでよぉ…」
「…本当にごめんなさい。悪かったから…」
「…ハァハァ…帰ろうか…」
「…ええ。」
私がギルドに戻って報告をしていると、緊急依頼が張り出される。
「ゴブリン軍団の残党掃討」
どうやら私でさえ撤退に追い込まれていることを重く見たギルドは相手に立て直す暇も与えずに潰そうとしているらしい。
…確かに畑や兵法という概念を持つゴブリンなんて聞いたことがない。
あいつらはここで必ず滅ぼさないと…
数日後例の洞窟に向かった討伐隊から連絡が来た。曰く敵影なし、既に例の洞窟を放棄して退散した模様であると。加えて捜索中にゴブリンの本体が近くの村を襲撃しているところに遭遇。迎撃し、半数近くまで削るものの捕虜を人質にされ一部に逃げられてしまったこと。苗床の救出にはいまだに成功してないことが書かれていた。
と言った報告内容が書かれていた。
「…本当にあんたも討伐隊に参加するの?いくら龍人の回復力があるとはいえ…」
「ええ。あの村が襲われたのは下手に奴らを刺激した私にも責任がある。替えの剣や鎧も用意できたし、しっかりとけじめをつけないとね。」
「それはあんたのせいなんかじゃない!ゴブリンのせいに決まってるじゃない!自分に何もかもの責任があるみたいな態度を取るな!!」
「かもしれない。けどもう決めたことなの。」
「…私も行くよ。」
「いいの?ゴブリンは苦手だったと思うけど…」
「今回は討伐隊と一緒に動くしね。よほどのことがなければ危険なことは起きないでしょ。」
「迷惑かけるわね…本当に。」
「いいわよ。それが親友ってもんでしょ?」
討伐隊はゴブリンの逃げ出した方向からいくつかの奴らの位置の予測を立てた。そして予測ルートの内の一つ、川沿いから移動しているルートを捜索していた。
ここは元々ゴブリンが生息している地域であり、奴らの隠れ蓑にはちょうどいい。
既にいくつかのゴブリンの巣を発見し、それらを潰しながら捜索していた。
「なんというか…どいつもこいつも普通のゴブリンっスね。先輩が言うような危機感は感じないと言うか。」
「ええ…やっぱりこっちのルートじゃなくて山沿いに逃げていったのかしら…」
「はいそこ〜気緩んでるよぉ〜そこのバカは油断してボコボコにされたわけだし油断しない!」
「正直いまだに龍の姉御がたかがゴブリンなんかにやられかけたってのが信じられないんだがなぁ…」
「てか姉御のふくゴブリンの返り血ですごいことになってんぞ…その汚れ落ちるか?」
「…!?静かに!今視線を感じたわ!」
「!全員警戒体制!!」
即座に集まり陣形を整えるが何も起こらない…
陣形を維持したまま移動を進める。やがてゴブリンの声がかすかに聞こえてくる。斥候が除くとそこには例の新米の冒険者とさまざまな物資を移動用にまとめた5匹程度の群れが確認できた。薬品からして普通の群れではなく、食料や苗床を連れてることから考えて本隊で間違いない。
ハンドサインを使い、後ろの隊員に状況を伝えて一気に…としようところで本体の後ろから5匹ほどのゴブリンが奇襲を仕掛けてくる。
同時に今まで普通に休憩していたように見えたゴブリンが隠してた短刀を取り出して斥候に襲いかかる。
『かかったなアホがぁ!!』
「な!?こ‥こいつら!!」
「まさか…誘い込まれたのはこちらの方!?」
「まずい!!後衛が!!」
「痛っ!て…敵の武器になんか塗ってある!!みんな注意して!!」
「落ち着け!!動きが違えど敵は数も力もないゴブリン!どうとでもなるはずだ!!」
ゴブリンたちは奇襲こそ成功したもののその後は何もできずに瞬く間に殲滅されていった。何人かが怪我を負いはしたものの被害者を出すこともなく討伐に成功。見事に苗床の救出に成功した。
「終わってみればあっけなくなあるが…姉御の言う通り恐ろしい連中だったな…」
「何ヶ所か傷を負ったようだが大丈夫…?後衛から狙われることを考えてなかった私の責任よ。ごめんなさい‥」
「…いいよ別に。…それより少しトイレにいってきてもいい?」
「ええ、わかったわ。周りには十分注意しなさいよ。」
「言われなくてもわかっているわよ…」
若干顔を赤くして彼女はここから少し離れる。…今更トイレぐらいで恥ずかしがる必要はないと思うけど‥
そしてゴブリンの住居の捜索や苗床になってた新米の子への回復がが行われる。
住居をみたかんじだと急ぎで作られた掘立て小屋…雨をかろうじて防げるかどうかぐらいってとこかしら…
次に物資…食料は野菜や魚がメインね。
自分たちでも食べれそうなくら状態がいいわ(食べないけど)
薬品はおそらく自家製ね…野菜みたいな作物だけでなく薬草も作れるとは…
本当に今潰せてよかったわ…
でゴブリンたちだけど動きこそいいものの武器の質は下の中…「回収品」等級ってとこかしら…ゴブリンにしてはそこそこいいのじゃないかしら?
というふうに一通り探索を終えたわけだけど…あいついつまでトイレしてるのよ‥
流石に何かあったのか疑わしくなるわ…
彼女が向かっていた方向に向かうと座り込んだ彼女がいた。
「あ、いた…全く心配かけさすん…」
自分の膣と乳首を激しくいじくり回しながら激しい自慰に耽る彼女が。
「…え…ハ!?何やってんのあんた!?」
彼女は目に涙を含みながら自分に見られたことを怖がるかのような目でこちらに顔を向ける。それと同時に彼女中での何かが欠壊したのか大きく絶頂する。
「あ、ああ…いっんぅっ、ううううぅっ!!!」
「どういうこと!?あんた発情期はまだのはずでしょ!?」
「わかんにゃい! ひうっ…おぉ゛おぉお゛…わかんないよぉぉ!!」
「と…とりあえず一回止めなさい!は?何この力!?」
どうにか彼女を自慰を止めようとするも無理やりそれを逃れ、彼女は手をどんどん膣の奥深くに入れていき既に血を出しながらも手が丸ごと入れていた。
「とにかく…手を抜きなさい!!」
「ヤダッッ!!やめれない!!イギタクナイのにやめれないよぉぉ!!!あ…またイッグッ、ヤダッ…ほ゛ごオ゛ぉお゛ぉォぉ゛お゛オォ…ぉおお!?!?!?!?」
一体何が…?とにかく彼女を背負うと大急ぎで街へと急ぐ。
少し走るとグチュグチュといった水音が聞こえてきたので一旦止まり、それを無理やり中断させる。
「あんたほんとに何やってんの!少し我慢してなさい!!」
「だずけてっっ…お願い!ひぎゅ゛ッ!!なんか抜けてく感じが…ぐひゅッ!!…抜けていッッッッッ!!感じがするンンンッッッ!!」
「落ち着いて今連れてくから!!」
仕方なく彼女にやめさせるのを諦め、再び街へと急ぐ。後ろから聞こえる喘ぎ声と水音は無視しながら…
「じにたくないっっ!!ぐひゅッ!!じにたくないよぉぉぉ!!」
「もうすぐだから!!もうすぐです治療所に着くから!!」
「や‥やだよぉ…もっとみんなたと一緒にいろんなことしたいよぉ…色々なもの知りたいよぉ…あなたと一緒にいたいよぉ…」
「大丈夫!!大丈夫だから!!!一緒にいろんなことまだまだできるから!!」
治癒所は冒険者が揃ってゴブリン討伐に向かってるせいか空いており、急患といえばすぐに通してもらえた。
「この子を!この子を見てやってください!!お願いです!!」
「落ち着いて!これは発情薬か…?いやしか…し……お姉さん、落ち着いてきてください。」
「なんですか!?お金ですか!?絶対払います!!一生かけても払いますから!!それとも必要なものがあるんですか!?すぐにとってきますのでどうか!!」
「そうではありません。落ち着いて聞いてください。…彼女はもう死んでいます。」
「…え…どうして…だって…まだこんなに暖かいのに…」
「おそらく死因は淫毒あたりでしょう。この毒は普通の媚薬と違い、接種すると自分の魔力が体液に混ざって放出されてしまうのです。じわじわ魔力を放出させて、魔力不足が起こさせ死に至らせる。」
「え…あ…そんな…」
「おそらく子宮に近いところに傷を負ったのでしょう。そのためにこの短期間でここまで重病化してしまったのかと。」
「…嘘だ。嘘だ嘘だ嘘だ嘘ダウソダウソダ!!!私はまだこの子に何も返せてないんだ!!こんな私と親友でいてくれたことも…いつも助けてくれたことも…何かあったら私を諌めてくれたことも…まだ何一つ返せてないんだ!!!」
ああ…彼女がこの任務に参加さえしてなければ…
……ちょっと待て…彼女が参加したのは…自分のせいじゃないか…
その日その街にある龍人の叫び声が響き渡った。
最後に言うことがあるとすればゴブリン軍団残党掃討戦は勇敢な一名の冒険者の犠牲をもって終了したと言うことだけだ