再開(ぜつぼう)
「だ〜か〜ら〜!俺は興味ねえって!」
既に2店もはしごして既に出来上がってるサンジとウソップに絡まれながらルフィはうんざりしながら付き合っていた。
最終決戦から既に半年世界は新たな体制の下復興は順調に行われていた。
かつてフーシャ村で出会った幼馴染と共に約束した『新時代』を作るその戦いで多大な貢献をした海賊である自分達が表沙汰になることはなかったが面倒な式典に出る羽目になるのは新政府のトップに祭り上げられたバギーに押し付けサニー号で仲間たちと共に盛大に祝ったのはいい思い出だ。
今日はまもなくルフィが始める『夢の果て』への航海の前祝いとしてウソップが計画したもので残念ながら二人を除くとサンジしか予定が空いてなかったためいい機会とばかりにキャバクラなどの遊び場をルフィに紹介して今に至る。
「おい!ルフィ!サンジ!今度はここにしようぜ〜!」
ウソップは千鳥足になりながら明かりが灯った店の玄関を指差した。
『人魚姫』と書かれた看板が貼られた扉を開くと薄暗い店内は空いていた。奥に小さなステージがあるのかどこか懐かしさを感じる歌声が流れていた。
「俺は可愛い娘ちゃんがいれば酒の肴にゃ十分さ♪」
サンジは特に気にすることなく奥の団体席を指定して柔らかなソファに座った。
既に食うだけ食ったのでゆっくり落ち着きたいと思ってたルフィは飲み物を飲みたくなった。相変わらず酒は嫌いだったのでメニューを見ながらジュースはあるだろうか?と探していた。
「ソングちゃーんお客さんのお相手お願〜い!」
「はーいママ!」
奥から歌い終わった店の商売女がやってきた。
「こんばんはソングでぇす。お仕事終わりですか?」
彼女は慣れた感じで接待する。
ややこしい名前が乱立するメニューと格闘していたルフィは直接聞こうとして顔を上げる。
「あぁッ!ちょうどいいや!なぁこの店にジュース…え?」
目の前の『ヘッドフォン』を付け『紅白に別れた髪』の女を見てルフィは絶句した。
「お客さん?」
そんな様子に女は困惑する。
「ウタ?」
「え…⁉︎」
そこにいたのはかつて夢を誓い合った幼馴染だった…
「ルフィ…なんでここに…?」
彼女の声は震えていた。
終