全てを終わらせた日

全てを終わらせた日





小鳥遊ホシノが、自決した。

連合軍との決戦に勝利し、砂祭りが盛大に終幕したその次の日の朝、突然の訃報は私たちの持つ特性「ヘイローを破壊する爆弾」を通じて届きました。電波通信により使用状況を共有するその爆弾の機能によって、私たちはその内の1つが正確に役目を果たしたことを知ったのです。爆破時刻、8時52分46秒。保有者、小鳥遊ホシノ。

すぐに生徒会室に向かうと、ヒナさんはすでに到着していました。一緒に鍵がかかっていない扉を開けて立ち入ります。部屋の中央で満足げな顔で倒れ伏すホシノさん…もちろんヘイローはありません。実は寝てるだけじゃないか、そう信じたい一心で脈を取るヒナさんを見つめていましたが…彼女は静かに首を振りました。

「そうですか…。私たちも私たちのやるべきことを終わらせましょうか」

机の上に目を向ける。手書きで書かれているそれは、明らかに遺書と呼ばれるものでした。1番上はホシノさんが担っていた仕事の引き継ぎに関する書類。その下には各個人に宛てられたものが続いています。対策委員会の皆さん、ヒナさん、私、ミヤコさん、そして…"先生"。

ヒナさんと私の分を残し、残りを封筒に詰めて部屋を出ました。階段を降り、地下に向かいます。そこには呼びつけておいたミヤコさんが背筋を伸ばして待っていました。

「ハナコさん、一体何が起こったのですか?急に『此処に来い』なんて…」

「これから指令を下します。この書類を持って『最後の指令』を実行しなさい。以上です」

「『最後の指令』!?それってあの…」

ミヤコさんが言い終わる前に直ぐに立ち去ります。もう…一刻も早く全てにけりをつけてしまいたいから。

生徒会室に戻ると、ヒナさんも全ての後始末を終えたようでした。

「外に見せられない書類は全て燃やしてきたわ。じゃあ、そろそろ逝きましょうか」

「そうですね♡」

きっとホシノさんはこれを望まないだろう。だけど許してください。これはあなたを救えなかった私たちができる最後の償いだから。2人で横たわったホシノさんの手を取ります。私は右手。ヒナさんは左手。同時にホシノさんの手の甲に口付けすると、反対の手で起爆装置を作動させました。

3時間後、偶然生徒会室の前を通りかかったハナコ親衛隊の1人が発見したのは、穏やかな顔で眠る3人の死体であった。


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