光の空のクオリア

光の空のクオリア




「せ、先生!?」


思わぬ来訪者に乙骨はあわあわと狼狽える。

いまこの状況を見られるのは非常にマズイ。乙骨がリカと惚気ているのは周知の事実だ。しかし、幼い里香にちんぽをしゃぶらせ、あまつさえトイレプレイをしているのを見られるのでは話が変わってくる。


(と、とりあえず今は誤魔化さないと...!)


乙骨は里香の口からちんぽを抜こうとするが、しかし里香は離れない。どころか喉奥にまでしっかりと咥えこむ。


(ちょ...里香ちゃ...吸いつく力が思ったよりも強い!!)


「どうしたの憂太?ウ⚪︎コのキレが悪い?」

「そっ、そうなんですよ!ずっとお腹が痛くて...」

「座りっぱなしだったからね〜。薬でも持ってこようか?」

「だ、大丈夫ですよ!もうすぐ終わると思うので!」


五条にバレてはいけない緊張感と下半身にもたらされる快楽に乙骨は冷や汗をかきながら応答する。

そんな乙骨を、里香とリカはジッと見つめていた。


「ならいいけど。あっ、そうそう。さっき管理人さんから面白い話を聞いてさぁ」

「な、なんです?」

「この宿舎、『さとこちゃん』が出るらしいよ」

「さ、さとこちゃん?」


聞き慣れぬ名前に、乙骨は快楽に悶えながらも首を傾げる。


「ここ数年で管理人さんの前に現れるようになった子らしくてね。寂しくなった時にたまに亡くなった奥さんの姿で会いに来てくれるらしい」

「亡くなった奥さんって...」


乙骨はチラ、と自分のちんぽを咥えている里香に視線をやる。里香は特に反応を示さずジッと乙骨を見ている。先ほどまでは愛おしく思えたその姿が、乙骨には不気味に思えてきた。


そんな彼の心境を察するかのように五条は続ける。


「何度か会う中で管理人さんは不思議に思ったんだ。どうしてこの子は私の妻の姿どころか記憶まで持ってるんだろうって。で、昔の伝承なんかを調べてるうちに一つの可能性に思い至ったそうだ」

「妖怪・さとりって知ってるかい?人の心を読む猿のような妖怪だ。管理人さんは思ったんだ。ひょっとして彼女は、さとりのように自分の心や記憶を読んで、自分の欲しがっている時間を作ってくれてるんじゃないかって。だからさとりの名前をもじって『さとこちゃん』とその子を呼んでるらしいよ」


五条の解説に、乙骨は確信を抱く。なぜ、いま自分のちんぽをしゃぶっていふ子が、『祈本里香』の姿をしているか。彼女は読み取ったのだ。自分の中にある里香の姿を。つまりこの子は里香ちゃんじゃない。


「先生。その子と会ったらどうすればいいですか?」



出した声は自分でも驚くほど冷たかった。この子が里香でないならば、既に祓う準備はできている。自分と里香の愛を穢そうというのなら誰であろうと容赦はしない。それが乙骨憂太と祈本里香の純愛だ。


「...管理人さんはその子と会って心が救われたらしい。それにその子は呪霊じゃない。残穢も無かったしね。どうやら彼女はそういう生き物で、悪意があってやってるわけじゃないらしい」

「つまり?」

「その子は敵じゃない。せっかくの機会だし、憂太達が満足するまで遊んであげたらいいよ。...用件はそれだけ。じゃ、僕は戻るね」


扉から離れていく気配に、全部バレてたのかな、と乙骨は苦笑いする。


「あっ、そうそう。ついでだけど」


トイレから出る寸前、五条は足を止めて告げる。


「もしもさとこちゃんが憂太の考えてもいなかったことをしたら、もしかしたらそれは憂太じゃなくて『リカ』ちゃんの望みかもしれないね」

「えっ」

『あ゛っ゛』

「じゃ、そーいうことで」

今度こそ立ち去った五条。残されたのは、未だに乙骨のちんぽをしゃぶる里香と、その姿を真顔で見つめる乙骨。そして気まずそうに乙骨の側に浮かぶリカ。

「リ、リカちゃん?」

『......』

「あの、リカちゃん?」

『〜〜〜ごめ゛ん゛ね゛ぇ゛憂太ァ゛ァ゛ァ゛!!』


リカは泣き叫びながら乙骨に縋り付く。

実のところ、リカは既に目の前の里香が自分の願望を叶えていることに薄々気がついていた。

乙骨と触れ合いたいから里香の姿で抱きついた。

乙骨が小を足すときに『自分がトイレだったら憂太も遠慮なくちんぽを見せてくれるかなぁ』と考えて。

乙骨のちんぽをいざ見せられたらしゃぶりつきたくなって。

その願望を『さとこちゃん』は叶えてくれていたのだ。

『さとこちゃん』はリカの心と記憶を中心に読み取っていた為に本物と同じ『祈本里香』になりきれたのだ。


『ごめ゛ん゛ね゛ぇ゛!エッチなリカを゛嫌いに゛な゛ら゛な゛い゛でえ゛!!』

「大丈夫。怒ってないよリカちゃん」


泣きつくリカを乙骨は微笑みながら撫でて宥める。


「むしろ謝らなくちゃいけないのは僕の方だよ。リカちゃんはずっと我慢してたのに、気づいてあげられなかった。全部をあげるって約束したのにね」


乙骨はリカの頬に手を添え口付けを落とす。


「愛してるよ、リカ」

『〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!憂太ァ゛リカも゛お゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛愛してるよ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!!!』


ぢゅるるるるるっ


リカの巨大な舌が乙骨の舌を絡め取り、先ほど『里香』がしたように濃厚なキスを交わす。

人間と異形の接吻。ある種幻想的な光景がトイレの個室の中で広がっていた。

『憂太ァ゛!リカもう我慢できな゛い゛ぃ゛ぃ゛!!』


リカは興奮と共に下腹部に手をやり押し広げる。するとぐぱぁと腹部が開き、人間の女性の膣のようなヒダが生え揃った器官が現れる。

「これがリカちゃんの...」

乙骨はゴクリと息を呑み、食い入るように見つめた。初めてみる『リカ』の女性器。興奮しないわけがない。

『挿れ゛て゛ぇ゛え゛!!』

「うん...あっ」

リカに挿入しようとした瞬間に『里香』ことさとこちゃんの事を思い出す。先ほどまでは彼女が奉仕してくれていた。そんな彼女を放って目の前でことに及ぶのはどうなのかと心配になる。

「大丈夫だよ、憂太」

そんな乙骨を安心させるように『里香』は微笑みかける。

「里香はリカ。リカの喜ぶことをしてくれると里香も嬉しいんだよ」

「さと...ううん。ありがとう『里香』ちゃん」

乙骨は敢えて彼女を『さとこ』扱いはしなかった。過程はどうあれリカを気にかけてくれていたのは彼女だ。その彼女がいまの自分は里香であると言うなら、それに倣うのが礼儀だからだ。

「いくよ、リカ」

『う゛ん゛♡』

乙骨はリカの膣口にちんぽを宛てがう。そしてゆっくりと、しかし確実に奥へと突き進めた。

「痛くない?」

『い゛っ゛ぱい゛痛゛い゛けどぉ゛♡嬉しいの゛お゛♡』

リカは嬉しそうに乙骨を抱きしめてキスをする。そのまま舌を絡めながらゆっくりと腰を動かす。グチュッと粘液質な水音が結合部から響くたびにリカが快楽で目を回す。

(あったかい……!)

リカの膣は柔らかく、それでいてきつく締め付けてくる。人間とは明らかに異なる感触に乙骨は悶えることしかできない。

「リカっ!リカぁっ!」

『ゆ゛う゛たぁ゛♡』

快楽と興奮が限界に達した乙骨は、激しく腰を打ち付ける。するとそれに応えるかのようにリカのひだがぎゅううっと締まり、乙骨のちんぽから精液を搾り取ろうとする。

「うあっ♡気持ち良すぎるよリカ!」

『リカも゛お゛ぉ゛ぉ゛憂太の゛ちんぽ気持ち良すぎるよぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!!』

互いに幸福の絶頂に浸り始める二人。そんな乙骨の袖を里香が引き、顔を向けさせる。


「里香ちゃ...!?」


間髪入れず、里香は乙骨の唇を奪う。貪るようなキス。舌を入れ、歯茎の裏から上顎に至るまで丹念に舐め回す。

乙骨はそれに応えるようにリカの舌に自分のものを絡ませる。上も下も粘膜が絡み合い、唾液が混ざり合う。

口内は里香と交じり合い、下半身はリカに締め付けられ。乙骨は多幸感に包まれたまま絶頂を迎える。

「うあああっ!」

『イッく゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅぅうう♡』

リカの膣が精液を搾り取らんと収縮し、それがトドメとなり乙骨のちんぽから精子が放たれる。大量の白濁液はリカの膣を満たし、結合部から溢れ出す。そしてそれはトイレの水へと滴り落ちていった。

『ふぁ……♡♡♡』

「はーっ、はーっ♡」

乙骨のちんぽが引き抜かれる。射精はした。しかし、未だその身体の疼きは治っておらず。

「えへへ、ゆーうた♡」

里香は未だに収まらない乙骨の勃起ちんぽに顔を近づけると、つう、と竿に舌を這わせる。「ひぅっ」

ゾワゾワとした快感が乙骨を襲う。しかしそれだけでは終わらない。里香は亀頭に優しく口付けすると、そのまま尿道口に舌を入れる。

「うぁぁあ」

尿道に残った精液を掃除するように舌を回す里香に、乙骨は悶えることしかできない。

「えへへ。また元気になってきたね。...今度は、里香のここにも欲しいなあ」

里香は己の膣口を指で広げ乙骨に見せつける。まだ幼い肢体の割れ目からはトロリとした愛液が垂れ落ちており、乙骨のちんぽを今か今かと待ち望んでいた。

「里香ッ!!」

乙骨は里香の割れ目にちんぽをあてがい、ゆっくりと挿入する。

(すっ……ごい……!)

先程のリカの膣内とはまた違う感覚。キツくはないが柔らかく包み込まれる感触に乙骨は悶える。

「んあっ♡」

一方で里香の方も乙骨のちんぽが入っていく感覚に浸っていた。

「えへへ。憂太のちんちんすごいねえ♡」

里香は恍惚とした表情で、しかししっかりと乙骨を抱きしめる。

「うふふ、リカも来て」

里香はリカに手招きをして顔を近づけさせる。

「里香、みんなでキスしたいなぁ」

里香が舌を出すと、乙骨とリカも舌を出して三人で絡め合う。ぴちゃぴちゃと音を立てながら、三人は一つに溶け合うようにお互いの唾液を交換する。

「んっ……んふっ……♡」

乙骨は徐々に腰を動かし始める。その動きに合わせるように里香とリカも舌を動かす。

「はぁ……あむっ……」

『ぷはっ……』

三人の交わりは次第に激しくなる。互いの粘膜を擦り合わせ、快感を貪りあう。そしてついにその時が訪れる。

(だめだっ……もう我慢できない……!)

乙骨は一気に腰を突き入れた。その瞬間、里香の膣内が締まり乙骨のちんぽを締め上げる。

「うあああっ!」

どぴゅっ!びゅーっ!びゅるるるるるっ!! 乙骨はリカに中出しをするように射精する。しかし里香もまた同時に絶頂しており、膣から愛液を吹き上げていた。里香の身体がビクビクと痙攣する。その震えに合わせるように膣内が蠕動し、精液を一雫も逃すまいと吸いつくしてくる。

里香は幸せそうに笑みを浮かべながら、乙骨を抱きしめた。

「えへへ♡いっぱい出たね、憂太」

「う……うん」

乙骨は里香からちんぽを引き抜くと、里香の割れ目から白濁液が溢れ出した。その光景を見て乙骨は再び興奮を覚えてしまう。

(全然治らない……!)

二度も出したものの収まる気配がない自分のちんぽを見て乙骨は思う。これはみんな満足するまで一晩使いそうだと。


結局、その日の夜のトイレは嬌声が絶えることは無かったのだった。



翌日。


「リカちゃん。はい、あーん」

『あ゛あ゛ん゛♡』


「...なあ、あのバカップルあんな見境なしにイチャついてたか?」

「なに?妬いてんのかよ真希」

「こんぶこんぶ」

「なに勘違いしてんだテメェらコラ」


ベタベタと引っ付きながら一つの朝食を食べさせあう二人を見ながら、同級生三人はひそひそと会話を交わす。


しかし乙骨もリカも互いのことしか見えていないようで、そんな三人の様子に気がつくこともなかった。


そんな乙骨達を見ながら、五条は「青春だねえ」と感慨にふけるのだった。



結局、『さとこちゃん』が何者だったのかはわからなかった。


でも、彼女がいなかったら僕はリカちゃんと繋がることすら思いつかなかったかもしれない。


リカちゃんと繋がったことでいまの僕たちは前よりもずっと強くなったと思う。


「いくよリカ」

『あい』


いつかまたあの子にあったら感謝しよう。


呪術師に悔いのない死はないというけれど、少なくとも僕たちの愛に悔いは無いと心の底から言えるようになったのだから。




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