「偽のグィネヴィア」
【元ネタ】アーサー王伝説(ランスロ=聖杯サイクル、ウェールズのトライアド等)
【クラス】キャスター
【真 名】グウェンフイヴァハ
【性 別】女
【身長・体重】157cm・46kg
【外 見】ドレスを纏い、顔にヴェールをかけた女性
【属 性】混沌・悪・地
【ステータス】筋力:E+ 耐久:E 敏捷:E 魔力:B 幸運:A 宝具:B
【クラス別スキル】
道具作成:D
魔力を帯びた器具を作成可能。
特に彼女は薬物に関する知識に長ける。
陣地作成:A+
魔術師として自らに有利な陣地を作り上げる。「工房」の形成が可能。
キャスターは一時的とはいえアーサー王の妃として振る舞ったこと、そしてスキルによって円卓に関する権利を有している為に、白亜の城キャメロットを限定的ながら再現できる。
【固有スキル】
円卓権限(偽):C
アーサー王に円卓を贈ったレオデグランス王の娘。
異母姉妹であるグィネヴィアになりすました際、円卓が結婚の持参金としてもたらされた事を根拠に、その返還を要求できるとした。
円卓の力を僅かながら使用可能。
私にだってソレを得る権利が有ったはずだ。どうしてお前だけが……
身分偽装:B
自らの気配、ステータスを他のものに偽装する。
背にある母斑を除いてグィネヴィアと同一の容姿を有していたキャスターは自らこそ本物の王妃であり、現在アーサー王の下に居るグィネヴィアは偽者の詐欺師であると告発した。
同じ顔、同じ生まれ。なのにお前だけが幸せを享受するというなら、それを奪ってやる。
招災の平手打ち:A−
ブリテンにおける三つの致命的な一撃、その一つ。
『ウェールズのトライアド』においては、彼女が姉妹であるグィネヴィアに平手打ちをした事がカムランの戦いの原因となったと語られている。
相手の幸運のステータスを引き下げ、災いが発生しやすくなる。
何もかも無くしてしまえ。
【宝具】
『我こそ王妃、寵愛を寄越せ(トゥルー・ラブ・フォー・フォルス・グィネヴィア)』
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1 最大捕捉:1
アーサー王を籠絡し、自らを本物のグィネヴィアと信じ込ませた愛の霊薬。
この宝具を受けた者はグウェンフイヴァハを最愛の存在であると誤認し、その言葉に従ってしまう。
アーサー王はグウェンフイヴァハが死ぬまで彼女を溺愛し続けた。
『不和に毀れる王の円卓(サークルクラッシュ・ラウンドテーブル)』
ランク:B 種別:対軍宝具 レンジ:30 最大捕捉:100
『ウェールズのトライアド』に記述されるアーサー王とメドラウト(モードレッド)の戦いの原因を生み出したという伝承、またグィネヴィアになりすまし、本物を詐欺師として処刑しようとした事でアーサー王とランスロットの敵対を招いた逸話が宝具と化した物。
上座下座がなく、座る者全てが対等の立場となる円卓。
騎士達の平等と友愛を示すその性質を反転させ、相手に互いに相争う不和の呪いを付与する。
【解説・人物像】
アーサー王の王妃グィネヴィアの異母姉妹。
グィネヴィアの姉妹とされる存在への言及は伝説の中に幾つか存在する。
一つは『キルッフとオルウェン』や『ウェールズのトライアド』に登場し、グィネヴィアを平手打ちしたこと(「ブリテンにおける三つの致命的な一撃の一つ」)でカムランの戦いの原因を作った王女グウェンフイヴァハ。
もう一つはランスロ=聖杯サイクルにおいて王女グィネヴィアに成り替わり、本物の王妃を処刑しようとした異母姉妹「偽のグィネヴィア」である。
「偽のグィネヴィア」は、レオデグランス王とその執事の妻との間に生まれた婚外子。
グィネヴィアと母こそ違ったが、同じ日に生まれ、背にある母斑を除いて全く同一の外見をしていた。
「偽のグィネヴィア」はアーサー王に、「自らこそ本物のレオデグランス王の娘グィネヴィアであり、今王妃として振る舞っている女は詐欺師である。自分を妻として取り戻さないのであれば、持参金として与えられた円卓は回収させてもらう」という手紙を送る。
アーサー王は本物と偽者の区別がつかなかったが、投与された愛の薬によって「偽のグィネヴィア」を深く愛し、彼女こそ真の王妃であるとして本物のグィネヴィアを処刑しようとした。
この決定は円卓の騎士達に衝撃を与え、離反を考える者までいた。
ランスロットはアーサー王への忠誠と円卓の次席を放棄してグィネヴィア(本物)を救い出し、友人である騎士ガレホート(ガレオット)の領地に彼女を匿った。
数ヶ月後、「偽のグィネヴィア」は病に罹り、病床で自らの罪を告白。
彼女の死については病死とも、火刑に処されたとも言われる。
「偽のグィネヴィア」死後、アーサー王の懇願によってランスロットは円卓に復帰する。
ランスロットはこの功績によってグィネヴィアから公の場で接吻され、彼女の個人的な庇護者となる事が認められた。
サーヴァントとしては、上記の「偽のグィネヴィア」をベースに、グウェンフイヴァハの伝承を付加した。
嫉妬深く、殆ど同じである筈の異母姉妹がアーサー王の妃として栄光を手中にしたことを恨んでいる。
その憎しみはグィネヴィアのみならず、アーサー王やその仲間である円卓の騎士、果ては自らの境涯を生んだブリテンそのものにまで及ぶ。
聖杯への願いは「自分を愛してくれる存在」
病床で自らの罪を悔い、それを告白した彼女は最期に、自分自身を本当に愛してくれる相手を願った。
長身のイケメンで高い身分と財力があり、武勇に優れ、人格的にも秀でていて女性を喜ばせるのが上手いが浮気はしない。自分のいう事を何でも聞いてくれて、ついでに自分の復讐にも都合が良い——そんなグィネヴィアにマウントが取れるような人物からの愛。ただそれだけさえあれば、彼女には他に何もいらないのだ。