何やかんやでミライちゃんだけレッドフォース号に乗ることになったよシリーズ
その❶
レッドフォース号甲板
ミライ「………」ボー
シャンクス「いや〜しかし、ミライがおれの船に乗るのも久しぶりだな!覚えてるか?お前がまだ今のセカイくらい小さかった頃、ルフィとウタからお前を預かって知り合い中を尋ね回ったんだぞ?」(Part1参照)
ミライ「そうだっけ?覚えてないや…」
シャンクス「そ、そうか………な、なあミライ、万が一戦闘になってもお前は戦わなくて大丈夫だからな?ウタの時みたく舟番していてくれれば…」
ミライ「え…乗せてもらってるのに悪いよ…一応私も戦えるからさ…」
シャンクス「そ、そうか…?で、でもお前に何かあったらルフィやウタに顔向け出来ないからな!無理はするんじゃないぞ?あ、そうだ!お前のために絵が描ける様に部屋を一つ空けておいたんだ!もし絵が描きたくなったらいつでも言って…」
ミライ「んー…悪いんだけど、船だと波で揺れて線がブレるからさ…あんまり描かないようにしてるんだ。ごめん、せっかく用意してくれたのに…」
シャンクス「そ、そうか……い、いや!確認しなかったこっちの落ち度だ!お前が気にする必要は無いぞ、うん………」
ミライ「………」
シャンクス「…あ、そうだ、こう何も起こらない船旅も退屈だろ?次海王類が出たらおれが狩る様子を見」
ミライ「いい(即答)。海王類は飽きた」
シャンクス「そ、そうか………」
ミライ「…………」
シャンクス「…………」
〜〜
シャンクス「ベック……助けてくれ…あの年頃の女子との会話の仕方が分からん……!ウタは今のミライの年齢になる前に船から降りてしまっているから参考にできない……頼む…!女好きのお前しかいないんだ…!!」
ベックマン「別に構わんが……人に教えを乞うのか喧嘩を売ってるのかどっちかハッキリしろお頭」
〜〜
その❷
ホンゴウ「ミライ、船酔いはしてないか?一通り薬は揃えておいたから、船酔いじゃなくても体調が悪くなったらすぐに言ってくれよ?」
ミライ「今は大丈夫!でもありがとう、ホンゴウさん!」
ルゥ「ミライ、今日の晩飯は何が良い?好きなもの作ってやるぞ!」
ミライ「え、ホント?じゃあ魚料理が良い!ウチ、パパが肉好きだから肉料理が多くて…」
ボンク・パンチ「なあミライ、今学校ではどんな曲演ってんだ?教えてくれ!」
ミライ「じゃあ私と一緒に歌ってくれない?ちょっと歌うのが難しい曲があって…」
モンスター「キキっ!」
ミライ「あ、モンスターも一緒に歌う?」
シャンクス「…………」バキバキバキ
ベックマン「お頭、ジョッキ割れてんぞ」
シャンクス「割れてるんじゃないベック、割ってるんだ…己の不甲斐なさへの怒りから…」
ベックマン「そうか、後でちゃんとあんたの金で新しいの買っておいてくれよ」
シャンクス「なァベック…おれは今、船長とはこんなにも無力な存在なのかと心の底から噛み締めている…」
ベックマン「この歳になってもまだ学ぶ事ってのはあるもんだな」
〜〜
その❸
ズドォン!!
ミライ「わ、ヤソップさんすごい!百発百中!」
ヤソップ「だろォ?おれはアリの眉間にだってブチ込めるぜ!」
〜〜〜
ミライ「ヤソップさん凄いね!私、フデフデの力でも技術までは再現できないから…」
ヤソップ「なァに、お前だって頑張ってるじゃねえかミライ!何ならおれが狙撃のコツ教えてやろうか?」
ミライ「ホント!?嬉しい!」
ワイワイ
シャンクス(ヤソップの奴…随分懐かれてるな…)
ミライ「ねえ、狙撃で思い出したんだけど…ところでヤソップさん」
ヤソップ「ん?」
ミライ「ウソップさんの所には行ってないの?」
ヤソップ「」
赤髪海賊団「「「「「」」」」」
ベックマン(ミライ…)
シャンクス(デリケートな話題を…)
ヤソップ「あ…あ〜…そうだな……」
ミライ「聞いてるよ?色々…ウソップさんの家から20年くらい出てたけど、私が生まれる前にパパ達と戦って和解したんでしょ?」
ヤソップ「あ〜……そうなんだがな……その…今更な…どのツラ下げて息子に会いに行けば良いか分からなくてな…」
ミライ「会いに行ってあげなよ…カヤさんも会いたがってるよ」
ヤソップ「そ、そうだな…」
ミライ「……ここだけの話なんだけどね、ウチだとパパの仲間の人達とよく一緒に家で食べるんだけどさ…」
ヤソップ「ん?」
ミライ「ウソップさんと食べる時さ…ヤソップさんの話題を出さないのが暗黙の了解になってるんだよね」
ヤソップ「」
ミライ「ママやナミさんはともかく…あのパパですら空気読んで話題に出してないんだよ…」
ヤソップ「……」
〜〜〜
ヤソップ「なあスネイク……今からでも航路をシロップ村に変更出来ねえか……?」
スネイク「今更無理だ…ミライを送れなくなるだろ」
ヤソップ「だよな…」
スネイク「ミライを送ったらシロップ村に急行してやるからさ…土産の一つくらい考えとけよ」
ヤソップ「すまん……」
〜〜
その❹
ミライ「ライムさんってさぁ、この船だと結構若い方だよね?」
ライムジュース「え、ああ、そ、そうだ…な」
ミライ「結構女の人にモテたりする?」
ライムジュース「あ…あ〜、そう、かも、しれないな…」
ホンゴウ(ライムの奴…タジタジになってやがる…)
ミライ「良いな〜!私、ライムさんみたいな人が好みかも!」
ライムジュース「!!?」
赤髪海賊団「「「!!!???」」」
シャンクス「!!!!!?????」
シャンクス「ほう………?」ベキ
ベックマン「落ち着けお頭、『みたいな人』だから」
ライムジュース(お頭の覇気が……!)ゾゾゾ
ライムジュース「あ…ありがたいんだが……その、ミライのクラスには、良い男はいないのか?」
ミライ「う〜ん……同じクラスの男子って、みんなガキっぽく見えちゃって…苦手なんだよね……」
ライムジュース「そ、そうか……」
ミライ「マスト達下の子はともかく、パパもママも子供っぽいからかな……私、大人っぽい人の方が好みなんだよね」
ベックマン(娘なのに…ウタとは好みが真逆だな…)
ミライ「大人って言っても、他の赤髪海賊団の人たちは歳食っちゃってるか妻子持ちだし……だから、そういう意味でもライムさん、結構私の中でストライクかも!」
シャンクス「……なあライム……孫娘を取る気なら……命懸けろよ……?」ゴゴゴゴゴ
ライムジュース「ちょっ、落ち着けお頭!!おれは違う!!おれにそんな気は無いから!!!」
ミライ「落ち着いてよおじいちゃん…私もあくまで『タイプ』ってだけだからさ…」
シャンクス「そ、そうか……」シュン
シャンクス(おじいちゃんと呼ばれた……じいじでは無く……)
その❺
ハウリングガブ「………」ジー
ミライ「…ねえ、おじいちゃん」
シャンクス「…ん?どうしたミライ」
ミライ「ガブさんが凄いこっち見てくるんだけど…私何かしたかな…?」
シャンクス(……………!!……)
シャンクス「………さ、さあ…どうしたんだろうな〜?か、皆目検討もつかないな……」
ガブ(お頭………)
ベックマン(嘘下手過ぎだろ……)
ミライ「………」
シャンクス「…………」汗
ミライ「…………何か隠してるでしょ?」
シャンクス「ゔっ………!!!」
ミライ「私に何かあるんなら言ってよ…遠慮とかしないでさ…!」
シャンクス「……い、いや、これは、その…だな、何も隠してなんか…」
ミライ「何でそんな隠そうとする訳!?そんな信用ない!?孫娘だからって気を使わないでよ!」
シャンクス「あ…いや!その!何も別に気を使ってる訳じゃないぞ!?別にお前の絵が描く様子が見れないとかそう言うアレでは…」
ガブ「ちょっお頭…!!」
ミライ「…は?私の絵?」
ガブ「」
シャンクス「あ"…………」
ベックマン「……………」ハァ…
ベックマン「……あー、その、ミライ…落ち着いて聞いて欲しいんだがな…」
ミライ「え……ベックさん?」
ベックマン「ガブの奴…少し前に雑誌でお前が賞を取った絵を見てからお前のファンらしくてな……」
ミライ「へ?」
ベックマン「実はお頭が最初に説明していたお前の為に作ったアトリエはガブがセッティングしたものでな…お頭の孫の為…というのもあるが、お前が絵を描く様子を見るのを個人的に楽しみにしていた様なんだ……」
ミライ「…………」
〜〜回想
ミライ「んー…悪いんだけど、船だと波で揺れて線がブレるからさ…あんまり描かないようにしてるんだ。ごめん、せっかく用意してくれたのに…」
〜〜
ミライ「…………………」
シャンクス「す……済まんミライ…!お前がこの事を知れば罪悪感を感じるだろうと思って…隠し通すつもりだったんだが…済まない…」
ガブ「す……すまねえミライ!全部おれが勝手に期待したのが悪いんだ!お前が船で描くのが嫌だとは知らず…」
ミライ「………あ〜あ、せっかくアトリエ用意してもらったけど…船だと揺れるから描けないな〜…でも日課の絵の練習しなきゃ腕が落ちちゃうな〜…」
ミライ「……よし!せっかくあるんだし…描くとするか!!コンディション悪くても思い通りに描ける様にならなきゃね!」
ガブ「み、ミライ…無理する必要は……」
ミライ「…無理?してないよ!だって私は世界一のアーティストになる女だからね!ガブさん、将来の世界一のアーティストの創作姿、しっかりその目に収めてよね?」
ガブ「……!!!ありがとう、ミライ…!」
シャンクス「…良かったなガブ……ありがとうミライ……」
ベックマン「お頭、おれとガブとミライに一個ずつ貸しだからな」
シャンクス「分かってる……」