今年のこと、これからのこと
藤井あゆみ佐久市内山地区担当地域おこし協力隊の藤井あゆみです。
お誘い頂いてブログ書きます。よろしくお願いします。
協力隊になって最初の頃は(何か初めてのことをする時っていつもそうなのですが)一生懸命聞いたり知ろうと努力しても、点と点が全く繋がらずにふわふわとしていました。
やっと11月くらいに自分の中でいろいろなことが繋がり始めました。
今まで考えていたこと、見てきたこと、これからのことをやっと整理しだしたところなので、文章もまとまりませんが独白なので適当に流してください。笑
3月まで千葉県で教員をやっていたのですが、思い切って辞めました。
そして4月から佐久市地域おこし協力隊として、内山地区でざっくりと観光のことをやらせてもらっています。
と言っても、私の協力隊としての仕事は年4回の田舎体験イベントを企画すること以外は決まっていなかったので、それ以外は本当に自由にやらせていただいて、今までの生活が嘘のように人間らしい生活が出来て毎日感動の連続です。
1年のまとめの冊子を作っているところなので、活動内容はそこで見ていただければと思います。今回は生活について、これからについて書きます。
こちらに越してきてからは、陽が昇ったら自然と目を覚まして、昼間は日を浴びて風を気持ちよく感じたり、毎日変わる山の色に目を奪われたり、陽が落ちるのを見て感動したり。
暗くなってから運転することもほとんど無くなって、夜に道の駅でバイトを始めてから目が暗闇に慣れてなくてびっくりしました。
今まで失っていた「生き物として当たり前の暮らし」ができることにただただ感動しましたし、当たり前のことがなんでやれなかったのか、仕事をするって、現代で生きるって、人が生きている意味ってなんだろうと、身近なことから宇宙のことまで、ぼんやりと振り返ったり未来を考えたりすることも増えました。
それはとても贅沢な時間です。
この贅沢な時間の中で、畑を始めたり、ヤギを飼い始めたり、イベントを企画したりしていると、地元の方との時間も増えていきました。
特にうちの目の前で畑をしているIさんとは、よくお話をしました。
初めてお会いしたのは私の個人情報まみれの取材記事が信毎に載った日、なんと朝7時半にうちを訪ねて「自分も、ものづくりが好きなんだ」と作品を届けてくれた日でした。
嬉しかったですがこれにはびっくりして、ああ、田舎に来たんだなと実感しました。
それから畑がうちの前にあることもあり、本当にたくさんお話をしました。ヤギのなつおが来てからは野菜の端をくれたり、飼い方を教えてくれたり、家畜が好きな葉っぱを教えてくれたりしました。
学校の中で陽が昇る前から夜遅くまで過ごし続けていた生活が嘘のように、陽だまりの下でIさんから温かくて優しいお話を聞けることが、毎回とっても楽しかったんです。
そのIさんは、先日お亡くなりになりました。
あまりにも突然のことで、言葉を失いました。
最後にお会いしたのは私が風邪で寝込んでいた日で、前に話していた草笛の材料が手に入ったからと、わざわざやり方を教えに来てくれた時で、その時私は風邪を引いたと伝え、早々に「また今度」と切り上げてしまいました。
まだまだ教えてもらいたいこと、一緒にやりたいことがたくさんあって、お別れなんて夢にも思ってなかったので、なんであの時風邪なんか引いてたんだと、今でも悔やんでも悔やみきれません。
Iさんが亡くなった次の日は、今年最後の田舎体験イベントの日でした。
しめ縄づくりとそばづくりを内山のおじいちゃんお二人に講師になって頂き、その技を教わる会でした。
打ち合わせの時からお二人との時間が楽しくて、しめ縄やそば以外のこともいろいろお話しました。
首都圏からいらした参加者の方々もこのひと時をとっても喜んでくださいました。
一日過ごす間、終わってから今日まで、いろいろなことをまた考えました。
浦安の埋立地という、根付いた伝統や文化がない土地出身の私にとって、その土地に根付いた文化や生活を見ることはとても贅沢なことで、遠い異国のことのようでした。
その暮らしは今まさにこの内山にあって、そこかしこにこの特別で当たり前の日常が流れています。体験イベントを通して、それはより強く感じました。
でも、Iさんが亡くなってしまって、この日常は本当に特別で、当たり前ではないんだと、やっと、はっきりと分かりました。
この伝統や文化は誰かが受け継いでこなければ今に残っていないですし、誰かが受け継がなければ、あとには残らないんです。
私はわらで縄をまだうまく作れないし、意気込んで始めた畑だって夏の暑さと雑草に負けて、作物がどんどんと雑草の中に埋もれていきました。
でも今までチャレンジしたことのないことに出会えることがとても嬉しいですし、これからもそうやって色んな方から吸収して出来ることを増やして、自分自身が自分の足で生きているという実感を味わいながら生きていきたい。ここ数日で改めてそう強く思うようになりました。
来年度は宿づくりをします。伝統のものづくりも楽しめるような宿です。
今までやってきた全てのことと出会いが、このためにあったと思えるような素敵な宿ができるように、この1年で内山の人々の暮らしに感動した初心を忘れないように、自分の身体第一で、程よ~く頑張ります。
今年1年、こんな新参者に良くしてくださり、本当にありがとうございました。
これからもよろしくお願いします。
2019.12.13
藤井あゆみ