交流会編
禪院晴作者晴「おはようみんな。体調はどう?」
虎杖「おはよー、先生ー!ちょー元気!…てかそのサンドウィッチうまそう!」
今日は京都姉妹校交流会。死んだことにされている虎杖悠仁と、分裂したとされている両面宿儺。そして七海建人の前に現れたのは東京校教師禪院晴。手にはサンドウィッチを持っている。朝食用のようだ。
晴「朝ごはんに作ってきたの。ほら、宿儺も、七海さんもどーぞ(ニコッ」
七海「ありがとうございます。晴さん」
宿儺「何と何だ」
晴「たまごサンドと、ハムサンド」
宿儺「各種3つずつ」
晴「分かった」
「自分で取れよー」と虎杖。七海と虎杖は2つずつ取る。その時、扉から颯爽と現れたのは五条悟。「おっはよー!」と元気よく挨拶をするが皆サンドウィッチに夢中のようで反応していない。宿儺はあえて反応していないようにも見えるが。
五条「ちょっとちょっと!このグッドルッキングガイのことを無視しないで!ていうか僕のサンドウィッチは?!」
皿にあったサンドウィッチは皆で食べ尽くしてしまった。よって五条悟のサンドウィッチはない。その事実に項垂れる五条だった。
食べ終わると虎杖と五条は他の一年に対してのサプライズの計画をしていた。怒られるのが目に見えているが宿儺と晴は指摘しない。
虎杖「はい、オッパッピー!」
顔合わせのラスト、どこかで聞いたことのある台詞を言いながら出てきた虎杖。そして虎杖の予想とは違う反応をしている一年生達。
晴「やっぱり」
宿儺「ケヒッ、哀れだな。小僧」
全員(五条&虎杖除く)「?!」
後から来てクスクスと笑う晴と、その隣の宿儺を見て全員が驚いた。無理もないだろう。「どういうことですか?先生」と口岡明人が最初に質問した。
五条「いやー、なんか晴の術式で宿儺の力を弱めようとしたら逆に分裂しちゃったんだよねー」
伏黒「なんで殺さないんですか」
伏黒恵が双子の妹の禪院昴を背負いながら聞いた。京都校のメンバーである彼女を背負っている姿はとても不可思議なことだった。
晴「意味ないから。宿儺の魂はまだ悠仁くんの中なの。術式もね。だから今の宿儺には体術とちょっとの呪力しかない。殺しても悠仁中に戻るだけ。戻ったらまた悠仁を乗っ取っちゃうかも知れないし、だったら術師として活躍してもらいましょーってこと」
その答えに納得した人物は正直言っていないだろう。特に怪しんでいたのは明人だった。宿儺と晴を睨むように見ている。
五条「さて、宿儺には東京校のメンバーとして参加してもらいまーす」
晴「…本当に参加させちゃうの?もちろん今は術式がないけど…それでもねぇ?それに、明人くんや芽トリちゃん、古巣母ちゃんにアクアちゃん、雪ノ下ちゃんみたいな実力のある子が多すぎるわ。戦力の偏りがすごいわよ?」
五条「大丈夫大丈夫ー。僕の教え子が勝ってくれていいのー」
歌姫「よくないわよ!」
京都校の教師庵歌姫が反論する。その横で四季組と呼ばれる芽トリ、古巣母、アクア、雪ノ下が顔を赤くさせた。結局五条の独断で宿儺の参加が決まってしまったのだった。その後五条は夜蛾学長からプロレス技を掛けられていた。
試合が始まると教師達は別室で中継役の冥冥の術式、黒鳥操術で映像を見ていた。だがおかしい、悠仁と宿儺が一向に映らない。不審に思った晴は自身の術式魂霊呪法により冥冥の術式を自身に刻んだ。そして烏と視覚を共有する。盲目の晴にとってこの術式は良いものだった。そして宿儺と虎杖を見つけた時、晴の手に力がこもった。
虎杖は昴を除く京都校の面々から集中砲火を受けていた。宿儺はというと何故か味方である口岡明人の拡張術式、天縛鎖召により動けなくされていた。
晴「(…よかった、忍ばせておいて)」
宿儺を狙ったことは到底許せないが、晴にはある秘策があった。それは式神、稲荷である。人型の妖狐である奴を宿儺の影に忍ばせていた。奴の半径7mは晴の魂霊呪法が使える。しかも肉弾戦もできる。この式神は盲目の天与呪縛から得たものだ。これを忍びせたのは交流会が始まる前。口岡明人が宿儺と晴のことを執拗に怪しんでいたからだった。
晴「もしものとき用よ…貴方は今術式が使えないから。本当はできるんだけど。気をつけて、今年の子達実力者が多いから」
宿儺「相変わらず用意周到だな。流石俺の嫁だ…」
誰もいないことをいいことに宿儺と晴は熱いキスをしたのだった。
そして、現在に至る。禪院晴と両面宿儺を殺すと啖呵を切った明人を見て宿儺はこう言った。
宿儺「俺の妻を殺すと申すか、不愉快だ、実に不愉快だ!口岡明人!!」
次の刹那。稲荷が影から飛び出し、鎖を断ち切る。これには明人も予想外だったようだ。
口岡「チッ!やってくれたな禪院晴!!」
明人が吐き捨てるように言ったそのセリフを聞き、晴は一人笑みを浮かべたのだった。