久しぶりの再会2

久しぶりの再会2


しばらく元の席でライブを楽しんでいるとウタが私達の所にやって来てくれた。

「ルフィ!ナミちゃん!それに他の皆も楽しんでる?」

一味の皆が凄く楽しんでいることを伝えるとウタは嬉しそうにする。次に何やらウタが小声でルフィに喋りかけている。いくつか言葉を交わした後急に彼女が久しぶりに勝負しないかとルフィに持ちかけた。それに聞いて私は懐かしい気持ちになる。

「あんたたちフーシャ村にいた頃よく勝負してたわよね」

「ああ、おれが183連勝中だけどな!」

「何言ってんの、私が183連勝中なんだけど!ね、ナミちゃん?」

勝負が何のことか分からない一味の皆に子供の頃二人は色んなことを競い会っていたことを私が説明してあげた。

二人は自分が183連勝したと言い張り、そのままチキンレースを始めてしまう。

ウタの能力で用意されたステージで、これまた能力で現れたチキンを食べる二人の背後に凶暴な暴れ牛が迫る。

最初はルフィが優勢だったけどウタがジュースを差し出すと、ルフィはそのまま受け取って飲み始めてしまい、その間にウタが残りのチキンを平らげその場を離脱。残ったルフィはそのまま牛に吹き飛ばされた。

懐かしいな。あの頃も二人はこんな風に競い会ってたっけ…


ー12年前フーシャ村ー

その日の種目もチキンレースだった。

夜のフーシャ村、酒場の前でチキンの乗った皿と野良犬を用意して勝負を始めようとするルフィとウタ。危ないからとそれを止めようとするマキノさんを酒場から出てきたウタのお父さんのシャンクスが好きにやらせろと言う。

「ウタちゃん頑張れー!!」

私と姉のノジコが応援するとウタは

「任せといて!!」

と笑顔で返す。

「お前ら少しはおれの応援もしろよ!!」

そんなこんなでマキノさんや赤髪海賊団の皆が見守る中勝負が始まるけど、結果はライブの時と同じでジュースを差し出されたルフィがそれにまんまと引っ掛り突撃してきた犬にふっ飛ばされる。

ルフィは、今のは反則だっていうけどウタが出た、負け惜しみィと返す。最早お決まりと化したやり取りだ。

「おーおー今日も派手にやってるわね」

「あっベルメールさん!」

私とノジコは育ての親であるベルメールさんに抱きつく。

「遅くなってごめんね。仕事が長引いちゃってさ」

「ほんと遅いよ~」

「お詫びに今晩は皆で一緒に寝よっか!」

「やったー!」

私とノジコが喜んでいるとウタがこっちを羨ましそうな目で見ているのに気がついてベルメールさんにある提案をしてみる。

「ねェベルメールさん。ウタちゃんも誘っていい?」

「もちろんOKよ!」

ベルメールさんの許可が出たので私はウタの所に走って行き彼女の手をとる。

「ウタちゃんも一緒にお泊まりしよ!」

「え、でも…悪いよ…」

「いいじゃねェか。お言葉に甘えさせてもらえ」

シャンクスに促されるとウタは

じゃあ、よろしくお願いします…

と恥ずかしそうにしながら言う。

「ハハッ!そんなに恥ずかしがらなくったっていいわよ!」

そう言いながらベルメールさんがウタの頭を撫でるてあげると彼女は顔を赤くしてさらに恥ずかしそうにする。

「よ、よ~し!今日は気分がいいから歌っちゃお!」

ウタの優しい歌声が辺りに流れ、皆が静かに耳を傾ける。ベルメールさんやマキノさんがいて、赤髪海賊団の皆と騒いだり、ノジコと一緒にルフィとウタの勝負を応援したり、ウタの歌を聴いたりするこの日常が私は大好きだった。

だけど…


「そういえばお前急にいなくなったよな?」

先ほどの勝負が終わり、再び談笑していると思い出したようにルフィが言う。

話を振られウタはなんだかバツが悪そうにしている。

そう、ある日ウタは私達の前から姿を消してしまった。

ルフィの話でふとある記憶を思い出す。


その日はルフィと一緒に航海に出た赤髪海賊の帰りを待っていた。

港に彼らの船がついて二人で彼らを迎えたけど船から降りてきた皆は何故だか酷く疲れた顔をしていて、私達を無視するように足早にその場から去っていってしまった。

最後にシャンクスが船から降りてきたけどウタの姿はそこにはなかった。それが凄く私達の不安を煽る。

ルフィがウタに何かあったんじゃないかってシャンクスに尋ねるけど、ウタは歌手になるために船を降りただけと言われた。突然のことで私は受け入れられなくて泣きながらノジコとベルメールさんのもとに走った。

それからしばらくたったある日、ベルメールさんがシャンクスを問い詰めてるのを目撃した。

「本ーなの!?あんたたちがエレーをーしたって!!あの子ーしたの!?」

「ウタはーだ。あの子ーにこれ以上はーせない。すまない…」

今まで見たことないくらい怖い顔で怒るベルメールさんに暗い顔で謝るシャンクス。

遠くから様子を見ていたので会話は途切れ途切れで聞こえてきたけどあの時の二人の様子は異様で怖かった覚えがある。


あんなに赤髪海賊団が好きだったのになんで海賊やめたのかというルフィの問いに、ウタは歌手になりたかったからと答えた。

なら事前に一言くらい言ってくれればよかったのに…

私が若干不満に思っていると、今度はウタの方が質問してきた。

「ねえ、二人は今何してんの?」

「決まってんだろ海賊だ!」

「…そうか。海賊か」

「ああ!海賊王になるんだ、おれ!」

ルフィが自分のなりたい夢を語るとウタは困ったような顔をする。

「…じゃあナミちゃんも…?」

急に話を振られて戸惑いつつも私も今の自分の夢をウタに語る。

「まあね。こいつと一緒に世界中を回って自分の目で見た世界地図を描くのが私の夢」

私達の夢を聞いて、ウタはどう思ったのだろう?

応援てくれると嬉しいのだけれど。

でも、私の期待とは裏腹にウタの口から思いもよらない言葉が飛び出す。





「ねェ二人とも、海賊やめなよ…」




私達は知ることになる。このライブの本当の目的を…

そして12年前のあの日、彼女の身に何が起きたのかを…

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