主導権を俺にくれ

主導権を俺にくれ

とても短い。主導権とはローションとは…

一緒にお風呂に入ろう、湯は張ってあるんだ。

そう言われて一瞬だけでも「うれしい」と思考をそちらに向けたのが敗因だった。疑問を持つべきだった。あれよあれよと脱衣室まで連れていかれ服を脱がされ、僕は今全裸でバスチェアに座らされている。嘘でしょ…?その横でグエルは何かをタパタパしている。なにしてるの。というか全裸なのは僕だけで、グエルはショートパンツに白いTシャツ…えなに?今から僕は洗濯されるの?というかあの、たぱたぱしてるやつ、粘着質あるね?なにそれ、ねぇ、ねぇ!?

「よし、できた!」

満足気なグエルは万遍の笑みを浮かべてはこちらを見る。そして風呂桶のなかに入ってるとろとろした粘着質のある液体を手で掬う。

「今日は…俺に任せろ、ラウダ」

気持ちよくしてやるよ。そうやって笑うグエルはやけに妖艶だった。


「ぐ、ぅッ…~ッ……!」

グエルがずっとタパタパしてた謎の液体がローションだと気付いたのは、それを体に塗られてからだった。小さい手がぬるぬると僕の体に触れる。初めはボディーソープを塗られている気分だったが、グエルの手が、僕の胸や腹を擦り出し、挙句の果てにはあむりと小さい口が僕の欲を咥えていた。ローションのせいで滑りが良くなってるせいなのか、顔を動かす度にこぷ、ぶちゅッとより妖艶な水音が響く。時々口を離し竿裏を舌で、アイスキャンデーでも舐めるように擦り上げながら、すりすりと滑りよくなった先端を指で擦る。いつもの愛撫よりも積極的なグエルの姿に頭がクラクラしそうだった。根元からカリ裏まで、小さい舌がねっとりと這う。情けないことに、もう既に僕は爆発寸前で、やめて、やだよと声を上げることしか出来ない。服を着込んだ彼女にローションが張り付いては、衣服が透けている。ちらちら透けて見える下着は水着なのだろう、というか、着込んでいるのが水着かと現実逃避を続けた。

ぢゅぅッ!と集中しろ、と言わんばかりにカリ裏を吸い上げられ、情けなく顔を仰け反らした。は、は、と息を続けていればグエルは僕の下で「かわいい♡」と甘ったるすぎる声で僕の欲の先っぽを指先でつついている。

「らぁうだぁ♡」

調子乗りやがってコノヤロウ、とむくむく膨れ上がる怒りはあっさりと快楽に流される。いつの間にか抱きつくような形で、ぴったりとくっついたグエルの太ももが、僕の欲に擦り付けられる。口淫で高められた僕の欲は、ローションと溢れ出した精のせいで滑りがよくて。グエルが体を動かす度にぬぢゅ、ぶぢゅっ、とまるでセックスしてるかのような錯覚を起こしてしまえば、もう情けない声しかでない。悔しい。グエルはどう見ても調子に乗っており、体の小ささを上手く使いながら小さな口であむりと僕の乳首を咥えていた。むちゅ、ちゅぱ、ちゅぅ~…♡と赤子のように乳を吸うグエルと、今の現状に脳みそがバグりそうだ。僕が一体何をした?なにか悪い事をしたか?!

「ぁ、ひ、ぃっ、いッ…」

情けない、ホント情けない声が出る。気をよくしたグエルがコロコロ笑う声が聞こえるのが本当にムカつく。

「らうだぁ♡いきたい?いってもいいからな?沢山びゅーってだしていいからなぁ?♡」

誰だうちの可愛いグエルに変な言葉遣い教えたのは!!昔からだが、グエルは1度変なスイッチを押すとよく分からない方へ突っ走る癖があった。なまじ突っ走った結果実力があるせいで失敗することは自体は少ない。失敗する時は途中で劣勢になってる事に気付かず、調子に乗り油断している時だ。たが現在のグエルに油断は見えない、つまり調子に乗った上で優勢であると把握し、こんなことを言いながら内心めちゃくちゃ冷静なのだ。無敵か?かりかりと乳首を歯で挟み、舌で転がされれば体は面白いぐらい跳ね、太ももでぐぢゅぐぢゅと擦り上げられる欲はどくどくと激しく脈を打つ。あ、まずい、これは本当にまずい。グエルから逃げようとするもローションのせいで力を入れても滑るだけで、つるつると上手く体を支えられない。ずっしりと下半身が重くなる。ぎゅぅ、と包み込むように強くグエルを抱きしめる。むぐ、とぐぐもった声を出しながらもグエルは僕を抱き返してはとどめを刺すように太ももで強く僕の欲を擦り上げた。

「〜〜〜〜ッ……!!」

どぷ、とぶッ、と吐き出されていく精に頭がぼんやりする。熱っぽい吐息を吐いていれば、ぬるりと体を動かしたグエルの唇がぴったりと僕の唇に合わさる。ちゅ、ちゅっと可愛らしいリップ音を立てながら唇を離したグエルは満足そうに可愛らしく憎たらしい笑みを浮かべた。

「沢山でたな、偉いぞラウダ♡」

よしよしと頭を撫でられては色んな感情で頭がぐちゃぐちゃになる。性癖おかしくなる…どうしてくれるんだ僕の性癖がおかしくなったら責任とってくれるのか。あ、いや結婚するんだから取ってもらうようなものか。まだ仮だけど。頭を撫でながらいまだにローションで滑りのいい体を触るグエルに仕返ししようと手を伸ばす。白いシャツを捲り、弱い腹をくすぐれば「ひゃう」と可愛らしい声が聞こえた。

「や、らうだ、だめ」

ダメだと?僕がやめてと言った時は辞めなかったくせに?

「なんでダメなの?僕に触られるのは嫌?」

「ちが、そうじゃねえっ」

「じゃあなに?」

服の中に手を突っ込み、背筋を指でつぅ、と滑らせればびくっと仰け反ったグエルが涙目で僕を睨む。唇を尖らせながら、グエルは水着のショートパンツをあっさりと脱ぎ捨てた。

「きょーはおれが、ぜんぶやる……!♡」

だからイタズラ禁止、と言うグエルは既に再び熱を取り戻していた僕の欲を、自分の秘部に合わせ擦りだす。ぞわぞわとした感覚と、ローションによって滑りが良くなった摩擦に再び声が漏れては、グエルはにまぁと笑みを浮かべた。

「おれが気持ちよく抱いてやるよ、らうだ…♡」

調子に乗ってる癖に油断がない状態のグエルは無敵に近い。僕は顔を真っ赤にしながら絶対後日復讐すると硬い決意を込め、最近見ていたアダルトサイトの諸々に脳内でチェックをつけながらグエルの下で喘ぐのだった。


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