不器用
最近ルフィがトラ子を避けるようになった
前まではトラ子と再開しようものなら一目散に抱きつきにいって怒られる。それが一連の流れだったのに最近は「おれはサニーで寝とくよ」「会うのはまた今度だ」「アイツにわりィから」……こんな調子だ
「ルフィ、アンタ…トラ子と喧嘩でもしたの?」
「いや」
「じゃあ会ってあげなさいよ。何故かまた同じ島でかち合っちゃったし今なら「会わねェ」…ルフィ!!」
「…おれとアイツの問題だ」
「……程々にしときなさいよ」
「おう」
─────────
「トラ子!元気してた?」
「あぁ、ナミ屋は…相変わらずだな」
「なによーその言い方」
いつものようにハートのクルー達と軽口を交わしながらああでもないこうでもないと会話に花を咲かせる。が……トラ子はいつになくソワソワしている
「あー……ルフィ?」
「別に麦わら屋の事なんて…」
「そんな様子で、説得力ないわよ」
「………」
「…好きな癖に」
「!!だ、誰が……」
「素直になんないと愛想尽かされちゃうわよ」
「…っ」
そう言うとトラ子は目に見えて落ち込んでしまった。涙目になってるのを帽子で必死に隠している
「……私が悪いんだ、アイツの気を引く為に冷たくしたり他の男と比較するような事言ったから…」
「間に受けて距離置かれてるって訳ね」
「………」
「(からかってみよっと)」
「アイツ綺麗な知り合い多いからねぇ、その内誰かとポロっとくっついちゃったりして?……なーんて、心配いらな」
「……さない」
「へ?」
「………そんなの、許さない…絶対…麦わら屋は私に生かされて私は麦わら屋に生かされたんだから」
「や、あの」
「絶対渡さない、他の女のモノになるくらいなら……アイツの目の前で死んで一生引き摺らせてやる…」
「ち、ちょっと!!それ本人の前で言ったら絶対ダメだからね!?」
「…………」
「(寂しいだけよねきっと……もー早く抱きしめてあげてよルフィ…)」