上ヶ刈家

上ヶ刈家

火盛手の中の人
────曰く、神がかりとは、元来神霊やその他の霊的存在が人身に乗り移る事で「神懸り」や「神憑り」とも表記し、乗り移る霊的存在には神霊、死霊、祖霊、精霊、生霊、動物霊、妖怪などさまざまな種類があるが、日本では取り分け生霊や死霊を初め狐狸、犬神、動物霊が多く憑くとされる。


【上ヶ刈(かみがかり)】の家は古くは【神牙狩(かみがかり)】と書く。

これは神憑りでヒトならざるカミ(分かりやすく言うならエネミー)の力を借り受ける覡/巫の血統であり神の牙として、もしくは神を牙として敵を狩る者という意味である。

その歴史は古くまだ妖怪や怪異、荒神として認識されていた敵性霊体と交わる事でその血を受け継いだ者達の流れを汲んでおり、長く土地を治めた一族の末裔で幾つか山を丸ごと一族の所有地にして、そこに幾つかの隠れ里が存在している。


敵性霊体との混血としての血が暴走した結果、人の道から逸れた【成れ果て】が出た場合は一族総出で処理をする決まりがあるなど、あくまで人間の側として秩序を守って生きている家系であった。

……しかし、歴史がある一族ではあるが長らく他との接触を断ってきたため権威は辛うじてあっても権力は決してない。


というのも、初代以降の二代目〜三代目の世代は特に苛烈な迫害の歴史を持つからである。一世代のみの所謂異類婚姻等といった話であれば、遠ざけられるか自分から場所を移り隠れ住むなどして交流を断てたが、子が生まれその血を繋ぎ、その数が増えていくと徐々に排他の色が強くなっていった。

そういった背景を持つからこそ一族は山に隠れ里を作り、あくまで人類の防人として戦う中で裏切り者や【成れ果て】に容赦のない制裁を下す決まりにより自分たちの人権を守っていた。


五代目以降の【神牙狩/上ヶ刈家】は妖怪や怪異は当然として、更に里へと無断で侵入しようとする無粋な輩などあらゆる外敵からの魔の手から生き延びるべく、備えとして【最強の退魔師】を生み出す為に節操なく強い者の血を取り込んでいく。その結果、敵性霊体だけでなく他の退魔の一族を始め異能者、特異体質、稀血、海外の血、その他の血も多分に混ざり合いその家系図は混沌を極めている。


また、【神牙狩/上ヶ刈】を本家として分家が存在しており、それぞれ

【神浄/上常(かみじょう)】

【神祓/上原(かみはら)】

【神逆/上坂(かみさか)】

【神代/上城(かみしろ)】

の四家である。


神浄は回復・浄化系統の異能者を多く輩出する家系だが、代々特異な体質を継承しており、異能粒子に対して五感のいずれかが過敏に反応する「異能粒子知覚過敏・知覚機能制御不全障害」を持ち異能者や敵性霊体を始め、空気中の異能粒子等の活動によって生じる様々な変化変異に対し過剰な反応を示すある種の超感覚や共感覚に類する特異体質で、現在の上常当主は「眼」にその症状を持つ。全力で酷使すれば異能発動の瞬間やその異能の性質すら見通せるらしいが……さて。


神祓は対敵性霊体への特攻を持つ波動・気功系異能者を多く輩出する家系であり彼らの異能粒子自体が敵性霊体の発する異能粒子に対しての反粒子として機能し対消滅のような反応をする特殊な性質を有している為【成れ果て】等の離反者、反逆者や隠れ里に攻め込んでくる敵性霊体達を滅却する【裁断者】として暗部の実行部隊を率いる事も多い。


神逆は敵性霊体を従える契約・召喚系の異能者を多く輩出する家系。その方法・異能も様々で、野良の敵性霊体と交渉の末に契約、自身の肉体の一部を贄に敵性霊体を召喚、複数の敵性霊体の肉体の一部を混ぜ合わせて産み出す等多種多様。神代とは代々仲が悪い。


神代は自身を一時的に敵性霊体化させる身体強化・身体変化系の異能者を多く輩出する家系で基本的に可逆性ではあるものの代々【成れ果て】になる者も少なくは無い。所謂狼男の様な「月を見る事で人狼に変身する」といった特定の行動/動作で変化するものが多く、仮面を被る、脇差しで自身の胸を貫く、火打石で起こした火花を見る、他者の血を吸う等々。神逆とは代々仲が悪い。


神牙狩本家から神代→神逆→神祓→神浄の順で派生、分家として成立した。そのため、比較的早く派生した神代や神逆よりも多くの血を取り込んだ後に派生していった神祓や神浄は殊更に特異体質や身体的異常に複雑な異能を発現しやすい傾向にある。

本家は、岩手は遠野の山地にあるらしい



































【跳梁跋扈鉄道】

『特急朧車宵家舎独路』

【ちょうりょうばっこてつどう】

『とっきゅうおぼろぐるまよいがしゃどくろ』

資格を持つ者が呼べば何処でも走って来る神逆の一族が契約している敵性霊体。隠れ里と外界は勿論の事、複数の隠れ里同士を繋ぐとある敵性霊体が車掌を務める跳梁跋扈鉄道。ゆったりとした電車旅をしつつ、目的の時間にはしっかり到着できると評判。無限に線路を敷設して陸海空を問わず走る事が可能で、移動する先々に線路が出現し通り過ぎると撤去されていく。基本的には切符や券の無い乗車は禁止されているが、緊急時や代表者による複数乗りはある程度黙認される。


見た目こそ蒸気機関車に見えるが本質的には敵性霊体・異能・異産が緻密に組み込まれたモノ。また煙突のような場所から黒煙を出しているが、これは変質した異能粒子の残骸のようなもので暫くすれば霧散し、空気中の異能粒子と混ざり合うため大気汚染は勿論、異能粒子の汚染といった問題も起きない安心安全仕様。






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