三日月の純潔はあなたのもの
薄暗い教会の中に、小さな水音が響く。
閉ざされた扉の向こうで、二人の男女が身体を絡ませ合いながら口付けを交わしていた。
「ん、ふ、んぅ……♡」
「ん、ん……」
エランに強く抱きしめられながら口内を蹂躙されて、スレッタは甘く蕩けた声を漏らした。愛しい男の口付けに応えるべく必死で舌を絡ませれば、よしよしと頭を撫でられて、熱がじわじわと上がっていく。
「んっ、あ、えらん、さん……♡」
「こら、駄目だよ」
「ふぇ…?」
貪り合うような口付けの合間に名前を呼ぶと、エランがしい、と人差し指で唇を押さえる。その意図が分からずに不思議そうな顔をするスレッタに微笑んで、エランは低く囁いた。
「"神父様"でしょう、シスター・スレッタ」
「あっ、あぁ…♡はい、神父さま……♡♡」
エランは普段、自分のことを"神父様"と呼ばせることはない。更に言えば、スレッタのことをわざわざ"シスター"と呼ぶこともない。
つまり、──今日は、そういう趣向でエランにいじめてもらえるのだ。
そう理解した瞬間、スレッタの下腹部がきゅんきゅんと疼き、秘部からは蜜がとろりと垂れる。明らかに発情した様子のスレッタを見て、エランは敢えて冷たく笑った。
「シスター・スレッタ。その顔は何?」
「えっ…な、なんのことですか……?」
「とてもいやらしい顔をして……物欲しそうな目で僕を見てる」
「そっ、そんなことありません!誤解です、神父様、あっ、んぅ……♡」
誤解だと訴えかける台詞とは裏腹に、その声音は色を含んで潤んでいる。ぽってりと赤く染まった唇に指を差し込むと、スレッタはうっとりした表情でちゅうちゅうと吸い付いた。
なんの説得力もないその姿を一通り眺め回すと、エランは予告もなしに手を動かした。
「そう。じゃあ、確かめさせてもらうよ」
「んむぅ…♡?……ひゃ、ひゃあぁぁあ!?」
「これは……」
すっと伸びた手が無遠慮にシスター服を捲り上げたので、スレッタは悲鳴を上げた。慌ててシスター服を押さえようとするが、男の力には敵わない。露わになった下半身をまじまじと見つめる視線を感じて、スレッタはぶるりと身体を震わせた。
「……君、こんないやらしい下着を身につけていたの?」
「あっ、あぅぅ……♡」
さすがに驚いたようなエランの声に、スレッタは羞恥にぎゅうと目を瞑った。太腿を擦り合わせて隠そうとするが、その拍子にくちゅりと水音がして更に赤面してしまう。
今日のスレッタの下着は、そのほとんどが紐で形成された、防御力皆無の代物だった。
サキュバスであるスレッタが見ても混乱してしまうような、秘部がそのまま露出し、それを飾り立てるようなレースとフリルにリボンがついただけの下着。今日は早めに教会が閉まる日だから、きっとエランと──そんな期待を込めて選んだショーツである。
あからさまに男を誘うためだけの下着を見て、エランは眉を顰めた。
「清廉なシスターの衣の下に、こんないやらしいものを着けているなんて……神父として見過ごせないな」
「あン♡んぅ、♡そんなぁ……♡じゃ、じゃあ、どうするんですか……♡♡?」
「お仕置きだよ、シスター・スレッタ。淫らな修道女には罰が必要だ」
「やぁ…♡ゆ、許してください、神父さま……♡」
エランの視線と言葉に晒され続けたスレッタは、もうすっかり腰が砕けてしまって、エランにしなだれかかるようにしがみついている。
エランがいつもしている白手袋を口で外すのを見て、スレッタの腰がぐずりと重くなる。現れた長い指がこれから自分をいじめてくれるのだと思うだけで、スレッタの頭はとろりと蕩けてしまう。
エランはそんなスレッタを更に責め立てるように、その秘部に指を差し込んだ。
「駄目だよ。……ほら、もうこんなに蜜が溢れてる。どれだけ感じているの?」
「あっ、あぁん♡!ちがう、ちがいましゅ♡感じてなんか、ないれ、ひゃあぁん♡!あっ、あっ、だめえ♡」
「僕の指を咥え込んで離さないくせに?ほら、もうイキそうになってるだろ」
「やぁっ♡らめ、ぐちゅぐちゅらめえ…♡!あんっ♡や♡らめなの、あっ、あっ、あぁーーーーっ♡♡」
ぷしゃ、と水音が響き、スレッタの蜜壺から潮が吹き出る。かくかくと全身を震わせるスレッタの秘部をなおも弄りながら、エランはその肢体をベッドに押し倒した。
「僕の手まですっかりびしゃびしゃだ。これはしっかり躾ないといけないね」
「あぅ、ご、ごめんなさい……♡」
ようやく蜜壺から指を引き抜いたエランが、手首まで濡れたそれを見せつけるように舐める。長い舌が自分の愛液を舐め取っていくのを、スレッタは恍惚とした表情で眺めていた。
(あ、あ……♡えらんさん、えっち……♡♡)
きっちりとした神父の祭服に身を包んだエランが、その緑色の瞳を情欲にぎらつかせてスレッタを見つめている。その視線だけで感じてしまって、スレッタははふはふと甘い息を吐いた。
「ぁう、♡し、神父さま…♡あっ、ひゃあぁあん♡♡!」
シスター服の上からでも分かるほどぴんと尖っていた乳首を急に摘まれ、スレッタは仰け反って嬌声を上げた。こりこり、ぐりぐりとエランの指が先端を容赦なく刺激するのに合わせて、スレッタの身体がびくびくと震える。
「どうして服の上から乳首が尖っているのが分かるのかな。君、下着を着けていないの?」
「ち、ちがい、ましゅ♡!したぎ、ちゃんとつけてましゅ♡あっ、やぁん♡♡!」
「本当かな」
くすり、と微かにエランが笑う気配がして、スレッタの胸がきゅんと高鳴る。シスター服の上から揉みしだかれた両胸は、どちらもぱんぱんに張り詰めて痛いくらいだ。
乳頭からじわりと滲み出るものを感じて、スレッタは甘えた声で懇願した。
「あぁン♡そっ、そんなにおっぱいいじめちゃ、らめれす♡!も、いたいれす♡♡!」
「痛い?どうして?」
「うぅ…♡お、おっぱいがはって、いたいれす…たすけて、しんぷさま……♡♡」
言いながら、スレッタは両手を乳房の上に置いた。よりはっきりと視線で犯してもらおうとするようなその動きに、エランの加虐心が刺激される。
スレッタの言う通り、ぱんぱんに張った様子の胸を一通り眺めてから、エランは再びその先端に手を伸ばした。
「子を産んだわけでもないのに乳を張らすなんて……なんていやらしい子なんだろう。これも男を惑わすためのものなの?」
「やっ、あぁん♡わかんにゃい、れしゅ♡」
「怪しいな……詳しく調べさせてもらうよ」
「ひゃ、きゃうぅん♡♡!」
言うが早いか、エランは服の上からつんと尖った乳頭に吸い付いた。
布一枚を挟んでちゅうちゅうと吸い付き、舌で捏ねくり回すエランの背を引っ掻いて、スレッタは悲鳴を上げた。
「やぁん♡やっ、だめぇっ♡ちゅうちゅうしにゃいれ、♡あっ、あぁ……っ♡」
「ん、んん……甘いな。やっぱりこれは媚薬効果がありそうだね」
「ちがっ、ちがうもん♡」
刺激を与えられ続けた乳房が、耐えかねたようにじわじわと先端から濡れていく。サキュバスであるスレッタの体質なのか、妊娠経験もないのに母乳が分泌されているのだ。
服の上から吸われるもどかしさに、スレッタはとうとう泣き出してしまう。
「あン、やらあ♡ちょ、ちょくせつ、すってくらさい、♡しんぷさまぁ……♡♡」
「随分とわがままなシスターだね。……仕方ない」
「んぅ…っ♡あ、あぁん……♡」
ジジ、とファスナーが下がる音がして、スレッタの胸元が露わになる。窮屈なシスター服からぽろん、と溢れ出た乳房は、繊細なレースとリボンで飾られていた。
「上までこんないやらしい下着を着けていたなんて……とんでもないシスター様だ」
「あぅ♡ご、ごめんにゃしゃ……♡♡」
スレッタの胸を飾っていたのは、下と同じような防御力皆無の代物だった。つんと立った乳首は覆うものがなくそのまま露出しており、その周りをラッピングするかのように飾り立てている下着を見て、エランはごくりと喉を鳴らす。誘うように立っている乳首に直接吸い付けば、スレッタはその頭を掻き抱いた。
「ひゃっ、ひゃあぁあん♡♡!あんっ、あっ♡おっぱい、でちゃうぅ……♡」
「ん、く、あまい……んん」
「あっ♡あぁっ♡し、しんぷさま……♡♡」
こくこくと自身の乳を飲むエランの姿に、スレッタは言い知れない悦びと愛おしさに包まれる。
思わず形の良い頭を撫でてしまうと、子ども扱いされたエランが叱るようにもう片方の尖りを指できゅうと摘んだ。
「やっ、あぁっ♡らめ、♡ひっぱらにゃいれぇ……♡♡」
「シスター・スレッタ、君は本当にいやらしい子だね。……お仕置きだよ」
「んぅ…っ♡ご、ごめんなしゃ、ひぁああっ♡♡!あんっ!そ、そんなつよくしちゃ、♡イッちゃ、らめぇえっ♡♡!」
じゅう、と一際強く吸い上げられ、ぐっと尖りを押し潰され、スレッタは大きく背を反らせて感じ入った。ぴゅ、ぴゅと乳液が吹き出て、エランの顔を汚していく。それを乱暴に拭うエランの姿に、スレッタはまた蜜を零した。
(ああっ…♡えらんさん、かっこい…えっち、すきぃ……♡♡)
うっとりと蕩けた表情で見つめてくるスレッタに見せつけるように、エランがゆっくりと前を寛げる。既に限界まで張り詰めていた剛直が、ぼろんと勢いよくまろび出たのに、スレッタの目は釘付けになった。
「あっ…♡あぁ……♡♡」
「君のせいで、こんな風になってしまったんだよ。……悪いシスターは、責任を取れるよね?」
「は、はい…♡せきにん、とる♡とりましゅ♡♡」
すりすりと秘部に擦り付けられる剛直に、スレッタは蕩けた声を漏らした。どんどんと溢れる蜜に濡れたそれはてらてらと光り、どうしようもなくいやらしい。清廉な神父であるエランが自分に興奮して肉棒を昂らせていることに、スレッタの胸が幸福感に満たされる。
つぷ、と剛直を迎え入れようと腰を揺らしたスレッタから、エランが身体を離す。遠のいてしまった愛しい男に、スレッタは泣きそうな声を上げた。
「あっ…!やだ、なんでぇ……!」
「何も言わずに咥えようとするなんて、いけない子だね。……どこに、誰の何が欲しいのか、きちんと言葉にしなくちゃ」
「あっ…♡そ、そんなぁ……♡♡」
うっそりと微笑んだエランに囁かれ、スレッタはぶるりと身体を震わせた。つつ、と唇を指でなぞられて、助けを求めるようにエランを見つめても、その瞳は嗜虐的にぎらぎらと光ってスレッタを犯している。
ほら、これがほしくないの、と熱い昂りを手で握らされて、スレッタはほとんど悲鳴のような声で懇願した。
「う、うぅ…!……す、すれったの、えっちなところに、えらんしゃ、の、お、…ぉちんちん、入れて、くらさ…、ぅ、うわぁあん!」
言葉にすると同時に、思わず泣き出してしまう。こんな恥ずかしいこと、口にするのも初めてだ。ましてや男性の性器の名前なんて。
はしたない女だと思われたらどうしよう、と不安になって見上げると、エランは見たことがないほどその瞳を興奮の色に輝かせていた。
「かわいい……よく言えたね。えらいえらい」
「うっ、うぅ〜〜!」
よしよしするように頭を撫でられて、スレッタは小さくなって呻いた。子ども扱いされているような恥ずかしさと、エランに褒められた嬉しさとが混ざり合って、ひっくひっくとしゃくり上げる。
「こ、こんなはずかし、こと…!もっ、もう、お嫁さんにいけないれす……!」
「……何を言ってるの」
機嫌良くスレッタの頭を撫でていたエランの手がぴたりと止まり、低く呟く声がする。
あれ、と思う間もなく、昂り切った剛直がスレッタの秘部を貫いた。
「えっ、ひゃっ、ひゃあぁぁあぁん♡♡!!にゃに♡?きゅうに、あっ、あぁっ、あぁーーーーっ♡♡」
(えっ、えっ♡?えらんさん♡♡?)
一言もなしに挿入されるなんて、普段のエランならあり得ないことだ。真っ白く弾けた頭で必死に考えるが、どうやらエランが怒ってしまったらしいことしか分からない。そうこうしている間にもがつがつと膣壁を容赦なく穿たれて、スレッタは悲鳴を上げた。
「あ゛ぁっ…♡ひっ、あゔっ♡まっへ、まっへくりゃ、あぁン!らめっ、やぁ♡なんれぇっ!」
「なんではこっちの台詞だよ。お嫁さんに行けないなんて、何を言ってるの」
「お゛っ♡あっ、あっ、ひぅう♡!ごりごり、しにゃ、れぇ♡!イぐ、ずっどイってりゅ!あっ、また、やあ゛っ♡あーーーーーっ♡♡!!」
「君は僕のお嫁さんだろ。……まさか、他の男のところにお嫁さんに行く気だったの?」
「あ、ぁ…、♡は、はひ……♡?」
立て続けに絶頂を迎えて飽和した頭で、必死にエランの言葉を理解しようと考えて──理解した瞬間、スレッタは全身まで真っ赤になった。
「ひゃ、ひゃぁ……♡♡んっ、あんっ♡やっ、つ、ついちゃらめっ♡」
「スレッタ。どうなの?」
どこか拗ねたようなエランの様子に、胸がきゅんきゅんと高鳴ってしまって、スレッタはぎゅうとエランを抱きしめた。いつの間にやら、エランから言い出したはずの"シスター"呼びすら無くなってしまっている。それだけエランが自分のことで頭をいっぱいにしているのだと感じられて、スレッタは湧き上がる幸福感に唇を緩ませた。
柔らかな胸の谷間に顔を挟んだエランがじとりとした目付きで睨んでくるのに、また心臓が鼓動を早めてしまう。その額に口付けを落として、スレッタは嬉しそうに微笑んだ。
「わっ、私は、エランさんが大好き、れす!初めて会った時からずっと、エランさんだけ、です。……エランさんのお嫁さんに、してくれるんですか?約束、してくれますか?」
「……僕は君に告白した時から、そのつもりだったけど」
「ほ、ほわぁぁ……!うっ嬉しい!です!私、エランさんのお嫁さん!です!!」
エランの言葉にぱあっと顔を明るくしたスレッタが、心底嬉しそうにエランを抱きしめる。少しむっとした様子だったエランも、スレッタの幸せそうな様子に頬を緩ませた。
お嫁さん、お嫁さん、と繰り返し呟いて頬を押さえるスレッタに、ナカに入っているものを思い出させるように腰を動かす。途端に上がった嬌声を心地よく聞きながら、エランは意地悪く問いかけた。
「ひゃぁあ…っ♡んぅ、あぁ……♡」
「僕のお嫁さんになったってことは、もう絶対に他の人とはえっちなことをしてはいけないってことだよ。君はサキュバスなのに、そんなことを誓えるの?」
「ち、ちかいましゅ♡!えらんしゃ、らけ!えらんしゃんとしか、♡えっちなことしましぇん♡♡」
「ふふ。本当?」
「うぅ〜!ほ、ほんと、らもん!すれった、えらんしゃんのおよめしゃんらもん!」
「なら安心だ。僕のお嫁さんは貞淑だね」
エランに頭を撫でられながらキスをされ、スレッタはえへへと笑顔になる。スレッタの唇の端からたらりと垂れた唾液を舐め取るエランの舌を追いかけて、スレッタは飛びつくように口付けた。
「んっ……」
「んぅ…♡えらんしゃん、も、すれっただけ、れすよ…?うわき、だめれす……♡♡」
「……当たり前だろ」
ちゅう、ちゅ、とマーキングするように口付けを落としながら、スレッタが甘えた声を出す。それに口内を貪ることで応えながら、エランはその身体をゆっくりと押し倒した。
「君に出会ってから気付いたことだけど、僕はどうやら性欲が強かったらしいんだ。こんな僕のことを、君は受け入れられる?」
「ふぇ…?あっ、んっ、ひゃう♡あっ♡」
とろんと蕩けた瞳で見つめてくるスレッタのナカをぐりぐりと抉りながら、エランが低く問いかける。それにきゅんと下腹部が疼いてしまって、スレッタはエランの手を取りそこへと運んだ。
微かにエランのものの形に膨らんだ部分を撫でさせながら、スレッタはうっとりと口を開く。
「い、いつでも、入ってくらさい♡すれったのここは、えらんしゃん専用れす、から……♡♡」
「っ、!きみ、は……っ!」
「ひゃっ、あぁんっ♡あっ、あっ、すき♡らいしゅき、えらんしゃん♡♡」
「く、そ、っ…!君は、正真正銘、っ、淫魔だよ……っ!」
「あぅっ♡えへ、そうれす♡すれった、さきゅばすれすもん……♡♡」
容赦なく膣内を抉られ、全身を快楽に震わせながら、スレッタは蕩けるような笑みを浮かべる。
普段のあどけなく天真爛漫な彼女からは想像もつかないほど淫靡で凄艶なその笑みに、魂まで吸い取られそうになって、エランはぐっと歯を食いしばった。
は、は、と獣のような息を吐きながら、汗で張り付く髪を乱暴に掻き上げる。日頃の丁寧な所作が嘘のような荒々しい姿に、スレッタはきゅうとナカを締め付けた。
「……まだ、僕は一度もイってないんだけど」
「え…?……あっ!」
「ちゃんとイかせてもらうから、覚悟して」
どこか怒っているようにすら見えるエランの言葉に、スレッタははっと我に返った。言われてみればその通りで、スレッタは最初からずっと自分ばかり気持ちよくなって達してしまっていたのだ。これでは淫魔の名折れである。
使命感がむくむくと湧き上がり、同時に淫魔としてのプライドも刺激される。なんとしてでもエランにたっぷり気持ち良くなってもらわねば──そんな思いが胸いっぱいに広がり、スレッタはばしん!と自身の胸を叩いて宣言しまた。
「まっ、任せてください!エランさんのこと、私、搾り取っちゃいますから!」
「…………そう」
そんなスレッタの姿に、エランはついと目を細めた。ぎりぎりのところで繋ぎ止めていた理性やら何やらといったものが、ぶちぶちと音を立てて千切れていくのを感じる。この期に及んで自信満々にこちらを見つめてくる淫魔には、さっぱりその自覚はないらしいが。
これは、一度しっかり懲らしめたほうがいいだろう。淫魔に対しての折檻は、神父としての責務でもある。エランは都合よくそう結論付けると、スレッタの脚をぐいと持ち上げて肩に乗せ、ぐぐぐ、と身体を倒した。
「……じゃあ、勝負だよスレッタ。どちらが先に限界になるか」
「うっ、受けて立ちます!絶対に負けま、ひゃん!ひぅ、やぁ♡♡!あっ、あぁん♡あっ、らめえ♡♡!」
──勝敗の行方は、二人のみ知る。